ぴかりんの頭の中味

主に食べ歩きの記録。北海道室蘭市在住。

【本】零の発見

2006年05月27日 22時36分22秒 | 読書記録2006
零の発見 ―数学の生い立ち―, 吉田洋一, 岩波新書(赤版)49(R13), 1939年
・数学に関する古典的読み物。『零の発見―アラビア数字の由来―』、『直線を切る―連続の問題―』の二編収録。「数学を知らないまったくの素人」を念頭におき、平易に書かれてはいるが、そこで扱う概念にはかなり難しいものも含まれる。数学嫌いにススメる気にはちょっとなれません。
・ローマ数字の足し算・引き算には唸ってしまった(p.31)。
例)
  DCCLXXVII   (777)
-) CC X VI   (216)
―――――――――
  D  L X I   (561)

・「昔といまとを問わず、みずから画期的と誇称した事業が真の意味で画期的であったためしはあまりこれを聞かないようである。」p.87
・「さて、アテネの黄金時代を現出した紀元前五世紀のころから、とくにギリシァ人の注意を集めた一連の幾何学の問題があった。すなわち、
 一 与えられた円と等しい面積をもつ正方形をつくること、
 二 任意の角を三等分すること、
 三 与えられた立方体の二倍の体積を有する立方体をつくること、
の三つであって、世にこれをギリシァ数学の三大問題と称している。
」p.146
・「数学者は有理数を係数とする方程式の根になりうる数を一般に代数的数とよんでいる。そして、代数的数でない数には超越数という名を与えている。」p.180
・「ともかくも、著者は数学の歴史が、一面からみれば、連続の問題に対する挑戦の歴史であったことを伝えたかったのである。(中略)こういう問題を考究することは、あるいは、哲学の領分であって、数学本来の職掌外であるのかも知れない、という気もするのである。」p.181
~~~~~~~~~~
?笈を負(お)う 笈を背負って旅をする。転じて、遠方に遊学する。
?いんせい【殷盛】(「殷」はさかんの意)たいへんさかんなこと。繁昌すること。生活が豊かなこと。
?おんたく【恩沢】(古くは「おんだく」とも)神仏や君主が恵みや情を与えて人々をうるおすこと。恩恵。
?へきとう【劈頭】 事のはじめ。まっさき。最初。
?こうえん【講筵】 書物などの講義をする場所。また、その講義。
?しょうけい【捷径】 1 早道。近道。  2 転じて、ある物事に通達する、手っ取り早い方法。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【論】Steinman,2003,Transcr... | トップ | 車検 ~インテグラ(初) »

コメントを投稿

読書記録2006」カテゴリの最新記事