ぴかりんの頭の中味

主に食べ歩きの記録。北海道室蘭市在住。

【本】ホワイトアウト

2006年01月07日 00時13分08秒 | 読書記録2006
ホワイトアウト, 真保裕一, 新潮文庫 し-42-1, 1998年
・映画化もされたかなりの有名作ですね。私の場合はテレビ放映されていたのをチラッと見たことがあるだけでした。
・カバーの紹介文→「日本最大の貯水量を誇るダムが、武装グループに占拠された。職員、ふもとの住民を人質に、要求は50億円。残された時間は24時間! 荒れ狂う吹雪をついて、一人の男(富樫輝男)が敢然と立ち上がる。同僚と、かつて自分の過失でなくした友の婚約者を救うために――。圧倒的な描写力、緊迫感あふれるストーリー展開で話題をさらった、アクション・サスペンスの最高峰。吉川英治文学新人賞受賞。」 舞台の年代は明記されていませんが、どことなく昭和の香りが漂う平成のはじめといった雰囲気。
・『砂のクロニクル』でも登場。テロリスト御用達!→「AK47。通称、カラシニコフ自動小銃。旧ソ連で設計開発された、7.62ミリ短実包M43を使用するアサルト・ライフルだった。」p.55 いかにも「文献調べました」的記述。なかなか簡単に実物を手にとってみることができないのが、作家としてはつらいところだろうなぁ・・・、などと余計なところまで思いが及ぶ。
・「そうか・・・・・・。
 そういうことだったのか。
 富樫は自分だけが生き延びることになった理由が、今、理解できた。
 ――やはり、吉岡
(←事故死した親友)、おまえだったのだな。
 開閉所を占拠した侵入者たちは、吉岡の婚約者を連れ去ったのだ。その彼女を救い出すために、その役目を自分に託すために、村瀬を、そして岩崎を代わりに選び、連れ去ったのだ。でなければ、ほんの些細な偶然から、自分だけが命拾いをするはずがない。そうだな、吉岡。違うとは言わせないぞ。
」p.163 これがその後の主人公の活躍の原動力になるわけですが、ずいぶん思い込みがはげしいというか、なんというか。。。はたして『亡き親友の天の声』だけで、その後の超人的行動がとれるものかどうか。その現実味という点でちょっとひっかかる。
・「颯爽とデビューをはたしたとき、とにかく驚いたのはストーリーや構成の緻密さもさることながら、全編にわたって緩むことのない緊迫した文体にあった。」p.630 巻末『解説』より。"緻密さ"については特にズバ抜けているようには感じないが、後半の記述には同意。ぐいぐいと突き進む文章の推進力。後半の300ページは一気に読んでしまいました。
・表紙の雪に放り出された自動小銃の図は、ぼんやりと写真と思っていたが、よく見ると『絵』だった。
・物語の舞台「奥遠和」のモデルとなった地はコチラ → 奥只見
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?じっ‐ぽう【実包】銃の実弾。火薬がこめられている弾丸。⇔空包
『実砲』では辞書に載ってない・・・
?ラッセル(ラッセル車の発明者、アメリカ人Russellから)
1 「ラッセルしゃ(―車)」または「ラッセルしきゆきかききかんしゃ(―式雪掻機関車)」の略。
2 (―する)登山やスキーで、雪の深いとき、道を開きながら進むこと。
人名だったのか・・・
?けれん【外連】
1 芸の本道からはずれ、見た目本位の奇抜さをねらった演出。放れ業(わざ)、早替わり、宙乗りなど。歌舞伎や人形浄瑠璃に多い。
2 はったりやごまかしをいうこと。まぎらかすこと。うそ。

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