ぴかりんの頭の中味

主に食べ歩きの記録。北海道室蘭市在住。

【本】シミュレーションの発想

2005年12月24日 12時05分11秒 | 読書記録2005
シミュレーションの発想 新しい問題解決法, 中西俊男, 講談社ブルーバックス B-523, 1983年
・「シュミレーション」だったか「シミュレーション」だったか、いつも一瞬考えてしまう。勘違いしやすい言葉。「シミュレーション(simulation)という言葉はもともとラテン語のsimulo(まねる、ふりをする)から出た古い言葉である。一九四〇年代の末、すなわちコンピュータ・エージの夜明けのころ、はじめて新しい意味でこの言葉が用いられた。」p.16
・あまりにも技術発達のスピードが速く、当時とは時代がかけ離れていて、今となっては歴史的資料としての価値しかない本です。
・「シミュレーションで対象とするシステムが通常の計算処理と異なる点は、その処理過程に確率過程(stochastic process 時間tをパラメーターとする確率変数X(t)の結合)すなわち決定論的には決まらない不確定な過程がみられることである。」p.68 ここで前出の「不確定性原理」と繋がった。
・「〈シミュレーションの目的は〉想定システムの性能を事前に評価すること、施策決定のための予測を行うこと、実時間システムにおける適切な制御(これは二者と若干趣を異にする)などがある。」p.90
・「ではいったいどんな方法でモデルの信ぴょう性のチェックをしたらよいのであろうか。実はこれといった決め手はないのである。そこでいくつか考えられる方法を組み合わせて根気よくチェックするよりほかない。」p.141
・「優れたシステムをつくろうというときは、専門家の職業的直感を等閑視してはならない。」p.142
・「コンピュータが現れる以前は、列車ダイヤの作成は、スジ屋と呼ばれる専門家の手に全面的にゆだねられる形であった。」p.167
・「この分でいくと人間社会のあらゆる問題や活動がシミュレーションでチェックされ、正当性が確認された上で意思決定されることになるかも知れない。」p.246 夢は広がりますが、「何でもシミュレートできる」というのは思い上がりで、シミュレートできることよりもできないことの方が多い世が続くのではないかと感じます。はたして百発百中の天気予報は可能か? 不確定性の壁は破れるのか―?
・「最近はやりのスーパー・コンピュータ(Super Computer 一秒間に実行できる百万単位の命令数、すなわちMIPSが約五〇以上の、並行処理機能をもつ超大型コンピュータのこと)」p.251 50MHz・・・のどかな時代だなぁ・・・今現在のスパコンも20年後には家庭に1台あるのだろうけど。
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誤植:p.135 ×「あらかのじめ」  ○「あらかじめ」
?ちしつ【知悉】 ことごとく知っていること。知り尽くすこと。細かい点まで知っていること。精通。
?こうし【嚆矢】 1.(「嚆」は、さけびよぶこと)やじりに鏑(かぶら)を用いていて、射ると音をたてる矢。かぶら矢。  2.(昔、中国で、戦争の初めに1を射たところから)物事の初め。最初。
?ふくそう【輻湊・輻輳】(「輻」は車の輻(や)、「湊」「輳」はともにあつまる意)車の輻(や)が轂(こしき)に集まるように、四方から寄り集まること。物が一所にこみあうこと。
?ようらん【揺籃】1.赤ん坊を入れて、ゆり動かす小さなかご。ゆりかご。ゆさ。 2.転じて、幼児期や発展した物事の初めの時期をいう。

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