自閉症, 玉井収介, 講談社現代新書697, 1983年
・購入してから数年間放置されていた書。当時何を想って手にとったのか。今となっては謎。
・豊富な実例にもとづいて自閉症を説明したもので、文章は地味だけれどもかなり読みやすい。筆者の力量が窺える。てっきり筆者は医師と思っていたが、学者さんだったのね。。。
・本書で最も劇的な場面を多少長いが書き抜き→「宮脇修氏は、紙破りばかりしている子のそばで、二人で紙破りをやってみたという。一日や二日はがまんできた。三日もたつと、自分はなぜこんなことをしているのかという雑念がわいてきて、その子のように無心に続けることができなくなった。しかし、せっかくここまでやったのだ、もう一度はじめからやれといわれてもとてもできない、と思ってもう一日、もう一日がんばった。そしてついに一〇日続けたという。(中略)ついに一〇日目になって、教師の忍耐もつきた。まさに頭にきたのである。そして、切りきざんだ紙をさらに裁断機で細かくし、部屋の中に放り上げ、まきちらした。なかばやけ気味になっていた。そして「雪やこんこ」を歌った。その紙片が子どもの頭にふりかかった。その子は、それを払いのけようとして手を伸ばした。その瞬間、二人の目が本当に合ったという。」p.148
・「もし、このように、自我の境界が不明瞭であれば、当然相手の自我も統一できないであろう。そうすれば、「わたし」と「あなた」の関係は、成立しないか、不安定なものになるにちがいない。」p.95
・購入してから数年間放置されていた書。当時何を想って手にとったのか。今となっては謎。
・豊富な実例にもとづいて自閉症を説明したもので、文章は地味だけれどもかなり読みやすい。筆者の力量が窺える。てっきり筆者は医師と思っていたが、学者さんだったのね。。。
・本書で最も劇的な場面を多少長いが書き抜き→「宮脇修氏は、紙破りばかりしている子のそばで、二人で紙破りをやってみたという。一日や二日はがまんできた。三日もたつと、自分はなぜこんなことをしているのかという雑念がわいてきて、その子のように無心に続けることができなくなった。しかし、せっかくここまでやったのだ、もう一度はじめからやれといわれてもとてもできない、と思ってもう一日、もう一日がんばった。そしてついに一〇日続けたという。(中略)ついに一〇日目になって、教師の忍耐もつきた。まさに頭にきたのである。そして、切りきざんだ紙をさらに裁断機で細かくし、部屋の中に放り上げ、まきちらした。なかばやけ気味になっていた。そして「雪やこんこ」を歌った。その紙片が子どもの頭にふりかかった。その子は、それを払いのけようとして手を伸ばした。その瞬間、二人の目が本当に合ったという。」p.148
・「もし、このように、自我の境界が不明瞭であれば、当然相手の自我も統一できないであろう。そうすれば、「わたし」と「あなた」の関係は、成立しないか、不安定なものになるにちがいない。」p.95
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