ぴかりんの頭の中味

主に食べ歩きの記録。北海道室蘭市在住。

【本】無限と連続

2005年11月28日 23時11分31秒 | 読書記録2005
無限と連続, 遠山啓, 岩波新書 G3(青版96), 1952年
・一見すると哲学書か?と思うような題名ですが、れっきとした数学の本です。カバー紹介文より「難解とされる現代数学の根本概念を、数式を用いずにやさしく解説する「数学への招待」として本書は書かれた。音符が読めなくてもすぐれた音楽鑑賞家になれるように、数学を「鑑賞する」ための本といえよう。」とあるように、文章で数学を「感じる」ことができる稀有な本。例えるなら、大地にポッカリとあいた巨大な穴(数学の穴?)のふちから、恐る恐る穴をのぞきこむと、なかは漆黒の闇。小石を投げ入れても反応無し。その底知れぬ深さに恐怖をいだくような感覚。微分・積分の勉強を終わって、この次に一体なにがあるのか?と疑問をもつような高校生あたりにオススメしたい本です。
・「「数の概念の規定は集合数と単位であり、数そのものは両者の統一である。」ヘーゲル」p.6 この言葉のみ書き抜いても意味不明でしょうが、一応備忘のため。
・「われわれのなかには根強い空間化の傾向があり、トポロジーはそのように広い空間化の方向をも包容するもので、狭い意味の幾何学より以上のものである」p.133 「いままで数量化の困難のために数学の利用を封じられていた部門にも利用の途が開けてくるのではあるまいか。例えば数量化の困難ないろいろな性質の「似ているか、いないか」の比較を位相化の手段によって翻訳できるようになるかもしれない。」p.134
 トポロジー万歳!!
・本来ならこのようにザッと読み飛ばすのではなく、一日につき数ページのペースでじっくりと考えながら読むべき本。
・数学トリビア「スウィフトは計算があまりじょうずでなかったとみえて、ガリバー(身長が小人の12倍)の食糧配給率が身体の容積に比例すべきであるといういとも科学的な議論をのべたあとで、さて計算の段になると12^3=1728とすべきところを12^3=1724と答えを出している。この計算違いはたしかに不朽の名作とともに残る不朽のご愛嬌であろう。」p.143 →(注)「生物学者によると食料は身体の容積ではなく、表面積に比例する。だから、ガリバーの配給量は、12^2=144、すなわち小人の144倍で十分であったろう。」p.188
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1 コメント

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Unknown (mama)
2005-12-01 08:26:05
こりゃ1ページも読めないな・・( ̄。 ̄)
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