">【捏造IF】もし西住みほが聖グロリアーナに転校していたら
今度は「聖グロリアーナにみほが転校していたら?」そんなIFを主題とした短編SSです。
みほの才能を見抜いたダージリンが10連覇不達成で自信を喪失したみほをスカウト。
結果、ダージリンの副隊長に収まったみほとそれを巡る短編。
という掲載されています。
僅か2話しかありませんが今後も続編を掲載してもらいたい。
そう思わせる作品でした。
「ローズヒップさんは、その…、楽しかったですか?」
何が、とは聞かれなかった。
その問いに、ローズヒップはまじまじと少しだけ己より視線の低いみほの目を見つめる。
時折だけれど、彼女はどこか泣きそうな顔で笑うことがあった。
その意味を詳しくはローズヒップは知らなかったし、
おそらくはダージリンだけが彼女の心の内をすべて囲っているのだろうという漠然とした確信をもっている。
そも、ローズヒップにとって難しいことなどどうでも良かったのだ。
考えるよりは行動するほうが好きだ。
だから出逢ってから今のこの瞬間まで、ここにいる西住みほがローズヒップにとってのすべてだった。
高鳴る胸の鼓動も、この高揚感も、燻っていた戦車道への思いもすべて掬い上げてくれる人。
彼女の指揮でなら、どこへだって行ってみせる。
「もちろん、楽しくて楽しくてたまりませんですの!」
にっこりと朗らかに笑って、僅かにその身を屈めてみほの手を取る。
その答えにどこか嬉しそうに微笑んだ彼女は、試合で乱れたローズヒップの髪を整えるように撫でた。
感触に、心が震える。怖いものなどない。どんな相手だろうとも、どんな世界だろうとも。
「ご命令をどうぞですわ、副隊長」
そっと手の甲に口付けを落とすと、
みほは困ったように笑いながらその手でゆっくりとローズヒップの頬を撫でた。
うっとりと唇の端を吊り上げる。
世界の果てだって行ってみせますわ。
誓い、もう一度その白い指先に唇を寄せる。
微かに鉄と油に乾いたそこは、まるで砂糖菓子のような味がした。
GATEネタは日曜日か月曜日できると思います。