二次元が好きだ!!

SSなどの二次創作作品の連載、気に入ったSSの紹介をします。
現在ストパン憑依物「ヴァルハラの乙女」を連載中。

【予告】弓塚さつきの奮闘記~MELTY BLOOD編 ACT.9「対立」

2015-08-03 21:46:47 | 弓塚さつきの奮闘記~月姫編

「ぐっ――――!」

シオンの叫びと同時に魔力を放出。
身体に突き刺さっているであろうエーテライトを無理やり取り除く。

そして、後ろに跳躍する。
が、間に合わず両腕がエーテライトで切断された。
飛び散る腕、そして血が志貴の部屋を汚してしまう。

「しっ!」

申し訳ないと考ええるよりも先にシオンの第ニ撃が迫る。
腕がないから鋭い蹴りを体を捻ることで避けるけど―――駄目だ!

「がっ!?」

次の一撃をまともに受けてしまったっ…!!
その細い体から出せたとは思えない程重い正拳突きだ。

骨が軋む、いや肋骨が折れた。
肺から強制的に空気が排出され意識が飛ぶ、痛いっ!!

「さつき!」

一連の出来事が終わった直後、志貴が立ち上がる。
けど、多分ボクを助けることは、

「遠野志貴、貴方はそこで止まっていなさい」
「な、何を言っているんだシオン!大体―――な、動け、ない!?」

やはり無理だ。
魔術回路もない志貴ではエーテライトで簡単に体を操られてしまう。
で、こっちは吸血鬼が苦手な朝な上にとっくにダメージを受けていると来た。

状況は極めて悪い。

「弓塚さつき。貴方はここで亡くなるべきだ。
 貴方という存在がタタリを強化させ、手に負えない存在にしてしまう。
 逆に貴方が亡くなればタタリへの勝算は最低3パーセント向上するのですから」

さっきまでラブでコメっていた人間とは思えない程淡々とした声で彼女は言葉を綴った。















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【完了】弓塚さつきの奮闘記~MELTY BLOOD編 ACT.6「シオン」

2015-03-02 22:32:15 | 弓塚さつきの奮闘記~月姫編

弓塚さつきがタタリと交戦を始めた頃。
アルクェイドと秋葉に散々絞られた遠野志貴は再度眠りについた。
いつもなら無理をしてでもタタリの捜索に行って行くところであったが、
シエル先輩の安静するようにとのお願いに従い、眠りについていた。

アルクェイドと秋葉はそれぞれタタリの捜索に出ており、
ゆえに今部屋にいるのは志貴のみ、寝息だけが部屋の中で小さく音を立てていた。

そんな中、静かにドアが開かれる。
するりと忍び寄るように人影が部屋に入る。
人影はゆっくりとベットで眠る志貴の元へ近寄る。
やがて、枕元まで来た人影は何もせずじっと眠れる王子を見た。

直ぐそばに人が立っているにも関わらず志貴は相変わらず寝息を立てて寝ている。
これだけなら、何ともない事実であるがしばらくその姿を見ていた人影は、ふと違和感を覚えた。
人影は人より遥かに優れた頭脳を回転させ、その違和感について考える。

解答は直ぐに出た、そうあまりに静かなのだ。
魔術で自己暗示による精神洗浄をしているならともかく自然の眠りにしては生気がない。

志貴の眠りはまるで、

「まるで死体のようですね、貴方の眠りは」

そうシオン・エルトナム・アトラシアが感想を呟いた。

そして、そっと手を志貴の頬を撫で、エーテライトを接続し志貴の体調を見る。
傷は回復傾向にあるが体温は平均より低く、心拍数も少ない。という解が直ぐに頭脳にはじき出された。

「よかった」

その結果にシオンは思わずそんな言葉を発し、
刹那、自分の口から出た言葉の内容に動きを止めた。

何故ならシオン・エルトナム・アトラシアが、
他人を気遣ったような経験は、今は亡き友人であるリーズバイフェ以来だ。

アトラス院にいたころは他人に対して全て無関心で、
ここ最近は教会とアトラス院から逃げる日々であったためそうした余裕は一切なく、
加えて言えば、タタリを追うことのみで他人に興味関心を持つという発想自体まったくなかった。

それがどうだ?
たった今他人を気遣った。
それも初対面は殺しあった人間だ、おまけに異性だ。
何がシオン・エルトナム・アトラシアにこのような行動に移させたのか?

遠野志貴の異能の希少価値?
たしかに研究材料として魅力的であるが解に合わない。
何故ならその眼だけを奪う隙はあったはずだがしなかった理由が見つからない。

タタリ打倒のための協力者であるから?
それはあるかも知れないが、何故遠野志貴なのか?
協力者ならば真祖に代行者、吸血鬼と選択肢は複数あったはずだ。

しかも彼とはタタリが襲来する直前まで殺しあっていた関係だ。
彼が単独でタタリを迎撃しただけで、協力者という関係には至っていない。

「……くっ」

高速思考を展開し、思考を深めるシオン。
だがそれでも解は得られず、謎が深まるばかりである。

「私は、」

私は一体どうなってしまったのか?
そんな疑問と不安がシオンの内心を蝕む。

じっと志貴の顔を見るが、答えは当然出ることはない。
だが、ふとシオンは思いついた、もしかすると彼なら答えを知っているかもしれない、と。

そう思い志貴を起こすため手を伸ばし――――。

「悪いけど、志貴を起こさないでくれるかしら?」

手を伸ばした所で第三者の声が介入してきた。
声の主に聞き覚えがあったシオンは主がいるであろう方角に振り返る。

「真祖の姫君……」
「こんばんわ、錬金術師。もう体調は大丈夫みたいね」

声の主はいつの間に開いていた窓に座っていた金髪の女性。
真祖の姫であるアルクェイド・ブリュンスタッドであった。

「…昨晩は姫君のご好意、深く感謝致します」

「まー、屋敷に置いくれないか妹に頼んだのは私だけど、
 最終的に決断したのは妹だから明日にでもそっちの方にお礼を言っておいてね」

「はっ、」

アルクェイドであることが確認できたシオンは即座に姿勢を正し礼を述べる。
そして、改めて己の名と願いを続けて口にした。

「改めて 私の名はシオン、シオン・エルトナム・アトラシア。
 この街に来訪したのはタタリの打倒と共に姫に願いたいことがございます」

「ふぅん、その年で穴倉の院長補佐?すごいわねー。
 そして外部との接触を一切絶つアトラスの人間が私に願い、いいわ、聞いてあげる」

遠野志貴とその周囲の人間以外にあまり興味がないアルクェイドであるが、
錬金術師が提示した変わったお願いにその内容を話すことを許した。

「私の研究課題は吸血鬼の完全な治療。
 すなわち吸血鬼から元の人間に戻すことです、姫」

「…続けなさい」

アルクェイドが催促する。

「吸血鬼を生んだのは星の精霊である真祖の血。
 ならば、その血を解析することで吸血鬼から人間に戻すことも可能なはず。
 無礼を承知ですが、どうか姫の血を提供して頂けないでしょうか?」

懇願する言葉に徐々に熱が入るシオン。
そして最後に、再度頭を下げた。

その姿を黙ってみていたアルクェイドは、
シオンの願いに即答せずしばらくの間沈黙を保つ。
数十秒ほどの静寂な時間が流れたが、ゆっくりと口を開いた。

「…死徒になりたがる魔術師はごまんといるけどその逆とは、ね
 もしも私の眷属になりたいなんて言い出したらこの場で殺していたわ。
 でもね、死徒から人間に戻るなんて――――無理よそれは」

「なっ!?」

それは否定。
その内容にシオンが絶句した。

「な、何故です!!大本である真祖の血を解析すれば吸血鬼化に治療に…」

「無理なものは無理なのよ」

必死に問うシオンにアルクェイドが顔を横に振り否定を重ねる。

「貴女は知っているはずよ、
 人間が吸血鬼になることは肉体的な変化だけでなく魂そのものが改変されること。
 もしも人間に戻るならそれこそ魔法、それも時間を戻す魔法を使わなければならない、と」
 
「黙りなさい!!」

考えていたがあえて見ぬふりをしていた事実の羅列にシオンが感情を爆発させる。
何時もなら感情を露にすることすら稀であったが、吸血鬼化治療の中でも最後の希望が消滅してことで感情のタガが外れた。

「だいたい、元はと言えば貴女達真祖が撒き散らした病魔ではないですか!
 それを治療できないと言うのはあまりにも身勝手すぎます!」

「怒りで我を忘れているようだけど、大昔から神様や魔物。
 それに貴女達魔術師という人種が生きる世界はそうしたものでしょ?」

「そ、それは……」

アルクェイドの正論に頭が冷やされたシオンがたじろぐ。
「理不尽な魔が人間を襲う」この図式は遥か神話の時代から続いた現象だ。
そして英雄と呼ばれる人種を除けば人間の大半はこの魔に対してまったくの無力だ。
たとえそれが科学技術が発達し、神秘が薄れた今日でもその図式に変化はない。

「それに、教会の受け売りになるけど、魔さえ神の創造物らしいわよ。
 よかったわね、錬金術師。貴女の肉体が半分魔であっても嘆くことはないわ。
 貴女の存在を何せカミサマが保障してくれているのだから、何がいけないのかしら?」

「――――っっっ!!!」

吸血鬼の存在を良しとするアルクェイドの言葉にシオンに衝撃が走る。
朱色の瞳を細め人を皮肉する姿はまだに人ならざる魔の傲慢さを具現化させていた。

「――――志貴の情報から実りのある会話を期待していましたが、どうやら私の思い違いのようでしたね」

「あら悪いけど、自分の事すら分かっていない人間と仲良くしようなんてこれっぽちも思っていないから」

「…自分のあり方がわかっていない?何を一体、」

自分の事すら分かっていない人間。
そんあ評価にシオンは疑問を覚えアルクェイドに尋ねる。

「貴女のあり方と吸血鬼になりたくない、
 という願望に矛盾を生じているのが分かってないのよ」

「何を馬鹿な……」

アルクェイドの言葉を即座に否定する。
吸血鬼にならない、それはあの蒸し熱い夏に友人を失って以来誓ったもの。

そこに矛盾など一切入る余地はない。
シオンは続けて語ろうとしたが言葉が出なかった。

ほんの少し。
ほんの少しだけ違和感を覚える。
アルクェイドの言葉を即座に否定することができなかった。

「やっぱり答えはでない、か。
 じゃあね、錬金術師。私これでも忙しい身だから」

「あ……」

己に迷っているシオンを見て興味を失ったアルクェイドが窓から飛び降り、颯爽とその場を後にした。
部屋に残されたのは眠りを続けている志貴、そして答えを言い出せなかったシオンだけとなった。

「…………」

開けっ放しの窓を黙って見るシオン。
しばらくの間アルクェイドがいた場所を見ていたが、思いを口にする。

「貴女の言うとおり、私は私のあり方が分からない」

顔を俯かせシオンは彼女の言葉を肯定するしかなかった。












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弓塚さつきの奮闘記外伝 午後14:00(完結)

2014-11-04 22:42:48 | 弓塚さつきの奮闘記~月姫編

どうも、久々の憑依弓塚さつきだ。

いや、本当にすごかった…。
DEENのfateもそれはそれで楽しんだし、
セイバーと衛宮士郎とのイチャイチャにはニヤニヤと出来たから。

でも、流石uftable。
戦闘シーンといい、背景といい実に精巧だ。
一体何人のアニメスタッフの睡眠時間を犠牲にしたのか分からないけど……。

「次は士郎の出番ね…あれ、士郎は?」

引き続き2話を鑑賞しようと思ったが、
遠坂さんが衛視さんの名を呼ぶがいない。
ボクも振り返り喫茶店の中を見渡すが赤毛の青年はどこにもいない。
可笑しいな、さっきまでその辺で寝ていたはずだけど。

「あの…姉さん、何か手紙がありますよ?」
「手紙……?げ、これって、まさか…」

皆で頭を傾げるが、衛宮さんの行方に関するヒントは直ぐに出た。
桜さんが妙に古風な手紙を見つけ、遠坂さんが嫌悪感を表情に浮かべる。
…なんだろう、凄く嫌な予感がする。

「あ、それ聖堂教会の事務報告用の手紙ですね」

シエル先輩がカレーライスを頬張りつつ言った。
……それって、衛宮さんを浚った犯人って。

「一体何が…こ、これは!!?」
「また、何かあったのっ……!!」
「先輩……え?」

そして、手紙を開けて絶句し、石になるヒロイン3人。
一体その手紙には何が書かれているのやら……どれどれ?


雑談にうつつを抜かした駄目ヒロインへ。
カレンルートが解禁されるまで、衛宮士郎を永久租借します。


……う、うわー。
煽る、煽る、煽りおる。
公式で明言はしていないけどあの父にして子あり、と言った所か?

む、それに2枚目か?
……写真か、あ、これは…。


追伸:駄犬に責任を取らすので結婚式は言峰教会で行います、ぜひ来て下さい。


なんて素敵な言葉が綴られると同時に、
写真には花嫁姿の銀髪金眼の少女カレンが、
白のタキシード姿の衛宮士郎に寄り添う姿が写っていた。

新郎と花嫁の年が少々低いが、
純朴そうな赤毛の青年に銀髪一見ミステリアスな外見をした銀髪美少女。
その組み合わせは奇妙ながらも、婚姻衣装で着飾った2人の行く末に妄想を膨らませるには十分であった。

…タキシード姿の赤毛の青年が手足、さらに口を封じられているのを除けば。
なんかベットの上だし、カレンが衛宮さんの太ももに手を伸ばしているし、エロイな。

で、だ。
どう見ても幸せな結婚式の記念写真です、本当に(以下略)。
そして、この次にFate勢のヒロイン達が移す行動は言わなくても分かる。


ぶちん、ぶちん、ぶちん。


「ふ、ふふふふふふ」
「あは、あはははは」
「クスクスクス、せんぱーい」

魔力を噴出させブリテンの覇王の王気全開のセイバーさん。
腕の魔術刻印を光らせ、米神に青筋を立てて笑う遠坂さん。
そして、全身に影を纏い、顔を下に向けて嘲笑する桜さん、もとい黒桜。

ああ、全力で関わりたくない。
そして渦中の衛宮士郎は……うん、生きろ。
カレンの元から奪還されても、この調子だと八つ当たりの対象になるしない。

「さて、どうしてくれようかしら……って、
 まだ続きがある…あ、これ貴女たちの方のだわ、弓塚さん」

「え?」

喧嘩上等オーラを背負った遠坂さんであったが、
どうやらボクの方、ボク達がらみの内容らしい。

あーーうん。
すっごい、すっごい嫌な予感がする。
こうしたイベントが大好きな割烹着とか割烹着の影がちらつく。

どうせ琥珀さんが銀髪シスターが衛宮さんを拉致ったように、
拉致監禁、そしてヒロインに挑発でもしているだろうな……どれどれ。


シキをエルトナムの婿とします。


実に素っ気無い一言。
付随する写真には先と同じく花嫁姿の紫髪の少女が、
恥じらいつつも学生服の黒髪の青年、志貴に膝枕をしていた。

愛らしいというより学者のような理知的な面影が強い少女であるが、
今の少女はまさに恋する乙女、否、恋する乙女そのものであった。

……え゛

「ってシオン!!?」

どう見てもシオン。
シオン・エルトナム・アトラシアじゃないか!!
あ、あの子は一体何をしているんだ!?

あれか?ボクの記憶とか読んだせいか?
あるいは、そこまでしてゴールドヒロインに成りたいのか?

委員長キャラで真面目一直線だけど、
結構思考が乙女なのは【原作】でも薄々分かっていたけど、分かっていたけど。

まさか琥珀さんじゃなくてシオンがイベントを張るなんて…。
後、なんか、指に指輪があるのですけど…シオン、まさか本気なのか?

「………妹が錬金術師には気をつけろ。
 って耳が蛸になる程言っていたけど……本当に、そうね」

「ええ、まったく同意ですアルクェイド。
 手段を選ばないことは承知してましたけど、ここまでやるとは…」

背後から声。
ヤバイ、すっかり忘れていたけど、
この場には月姫のメインヒロインであるアルクェイドさん、シエル先輩がいる。
2人は揃って肩越しにボクが手にしていた手紙を読んでいた、つまり…そのシオンの写真も。

「シエル、私さ、エクストラ以来暴れていないし、暴れていいよね?
 後、あの錬金術師のことだから途中で障害とか妨害があるだろうし、コンビを組まない?」

「奇遇ですねアルクェイド、今の私もまた少し暴れたい気分です。
 何時もなら断る所でしたが、貴女とコンビを組むのもやぶさかではありません」

「じゃあ、決定。よろしくね、シエル」

「こちらこそ、アルクェイド」

がっしり、と握手を交わす吸血鬼と代行者。
2人の口元は綻んでいるが――――眼は全然笑っていない。
あの泥棒猫を殴ッ血KiLL!!と怒りに爛々と眼を輝かせている。

シオン、そして多分八つ当たりされるであろう志貴。
すまん、この2人を止めることできない、出来るのは君達の骨を拾ってあげることだけだ…。

「ねえ、貴女たちも朴念仁を奪われた口でしょ?
 どうせ行き先は同じみたいだし、一緒に行動しない?」

「あ、同じなんだ。いいよー」

「同じく賛成です」

さらに遠坂さんの連合提案。
その申し込みに2人はあっさりと承諾した。
かくしてここに魔術師、ラスボス、英霊、真祖、代行者の連合が結成された。

……うーむ、相対する相手は骨どころか灰すら残らないような面子だな。

「で、さっちんも行くよね?」
「あ、いや、その、だな」

なんて考えていたけど、アルクェイドさんから話し掛けられたー!?
ボ、ボクとしてはシオンは自分から喧嘩を売ったからいいけど、うん。

寝ている姿をニコニコ動画でアップしやがった恨みとかあるし。
翻って、完全にとばっちりな志貴のために参加を辞退したいところだが、

「い・く・よ・ね」
「イエス・マイ・マスター」

だが、すまん。
志貴、真祖が眼を金色に輝かせて睨んでくる中で断る言葉なんていえない。

「話しは済んだようね、さあ、行くわよみんな!!」

怒りの炎を背負った遠坂さんの掛け声にヒロイン勢は無言でうなずいだ。
言葉は要らない、一斉に立ち上がり其々の得物を手にして出発しようとしたが、

「ふっふっふっふー。だがその前に私達を倒すのだな!」

背後から楽しげな声。
思わず全員振り返る。

というか、誰だこの声は?
普段は耳にしないけど、どこかで聞いたことがあるような?

「久しぶりだな、あかいあくま!!。
 ブラウニーを奪還したければ先にわたし達を倒すのだな!
 あかいあくまを倒せと私のガイアが囁く、カレイド・ブラック、ここに参上!」

何かの戦隊ヒーロー物のポーズをとった、
褐色肌で和服の似合う日本美人さんがそこにいた。

あかいあくま…?遠坂さんを知っている人か?
いや、この人はそうだ。遠坂さんとはいわゆる悪友関係である蒔寺楓さんだ。

うん、確かに和服が似合う美人さんだ。
中々凛々しい顔立ちをしているし、体型も体育会系なのかスリムで羨ましい。
…パンツ見えそうな位短く、色合い的にも派手な改造和服を着用している魔法少女コスをしているのを除けば。

「えっと、カレイド・ブラウンです。ど、どうか宜しくお願いします」

次は普通に挨拶をされた。
あ、どうも此方こそ宜しくお願いします。
先と違い栗毛の愛らしい少女は、陸上部の三枝由紀香さんだな。
今日は由紀香リリィでなくカレイドスタイルで行くつもりですか?

「恋愛相談と人間観察は魔法少女の仕事、カレイド・シルバーここに」

痛ったい服装だが、クールな口調を崩さず銀髪眼鏡の少女。
こちらは氷室鐘さんだな、たしか人間観察が趣味らしいけど、
カレイドなステッキの洗脳が解けた後の自分に果たしてどんな評価を下すのだろうか?

「魔法少女といえばツインテールだ!
 萌豚よツインテールを崇めよ、カレイド・グリーン、爆・誕!」

4人目は緑のツインテールの少女だ。
緑を基調にやはりカレイドな魔法少女姿であった。
ただしポーズがその、某北斗の腕を空に突き上げるポーズなのは如何なものか。
萌え豚兼ツインテールキャラの先輩の助言として、もっと萌え豚に媚びて…げふん、げふん。

で、隣でケータイ電話が浮いているけど、魔法少女のマスコットキャラのつもりか?
何で吸血鬼の気配がするのやら……ああ、アルクェイドさんが前に言っていた南京錠の吸血鬼だなあれは。
だとすれば彼女は「まほうつかいの箱」の桂木千鍵さんだ、間違いない。

「魔法少女は愛と勇気の物語、カレイド・オレンジ。みんなーよろしくーー!」

そして、その隣で向日葵のような笑顔を振りまく少女は、日比乃ひびきさんだ。
一見普通の女子高生だが、その正体は月姫で言うところセブン、俗にななこの愛称で親しまれている者と同じ。
つまり人間ではなく、死徒二十七祖コーバック・アルカトラスが生み出した聖典「トライテン」だ。

同じ聖典のななことは偶にマスターへの愚痴を聞いてあげる仲だけど、彼女と気が合いそうだ。
そして、彼女、さらに例のケータイさんとは色々面白い事が聞けそうだ。

「「「「「5人揃ってカレイド戦隊、ここに登場!」」」」」

掛け声と同時に戦隊ヒーロー物のお約束的な感じで背後で爆発した。
5人は揃って魔法少女姿で、これ以上ないドヤ顔で各々がキメポーズを決めていた。

……あ、あいたたたたたたた。
痛い、痛い、痛い、痛い、見ている側の心が痛い。
こんな姿を遠坂さんはされたのか…確かにこれは精神的にキツイ。

アルクェイドさんやシエル先輩はあまりの痛々しさに天を仰ぎ見ているし、
セイバーさんや桜さんも俯いたり、顔を背けたりしている。
ふと、カレイドな魔法少女では先輩格の遠坂さんはどうだろうか、と彼女を見る。

「―――――――」

彼女は操られている知り合いたちを見て、
ただ無表情で道化を演じる彼女達を無表情で見ていた。
哀れみといった感情もなく、ただただ痛々しい姿を見つめていた。

「――――笑い飛ばしてあげる。悪い夢はここで終わりよ、みんな」

凜ルートバッドエンドを彷彿させる台詞を口にした遠坂さんが宝石を手にして呟いた。

――――ああ、その通りだ。

遠坂さんの言う通り、ここで楽にしてあげるのがせめての慈悲なのだろう。
そうだ、悪い夢はここで終わりにしよう、彼女達のためにも終わらせよう。

「さて、新たな魔法少女の仲間は遠坂の野郎は兎も角、
 間桐は腹黒だから魔法少女的に合わないし、そうだなマジカル☆さつきをデビューさせ…」

よし、全力で殺ろう!








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弓塚さつきの奮闘記外伝 午後13:00(完結)

2014-10-13 12:26:16 | 弓塚さつきの奮闘記~月姫編

「あーそういえばさー。
 奮闘記もTS物SSだけど、皆は他に型月のTS系SSでどんな物を見ているの?」

思い出すようにアルクェイドが残りのヒロインに尋ねる。
TS物、すなわちトランスセクシャル、性転換の略語である。

「TS物ねー。
 そういえば士郎がTSする志保。
 アーチャーがTSするアチャ子の2パターンがあったわね」

凛が口を開き、妙にヒロイン力が高い己の従者の顔を思い浮かべる。

「「Fate/stay night ~剣の女王~」や、
 「正義の魔術使い、立派な魔法使い」のように聖剣の鞘の影響でシロウが私と同じ姿になるパターンもありました。
 剣の女王は完結しており今も閲覧できますが…ネギまクロス物である「正義の魔術使い、立派な魔法使い」はHPが閉鎖されました…」

セイバーは己のマスターがTS化するSSを語る。
「Fate/stay night ~剣の女王~」は本編でランサーに心臓を貫かれた士郎を蘇生させるべく、
発動した凛の治癒魔術に聖剣の鞘が反応してしまい、外見がセイバーそのものになってしまうTS物SSである。

凛ルートと桜ルートを元にそのまま聖杯戦争を戦いぬき、ロンドンに留学。
第二部のロンドン編では、クロス物では定番のゼル爺に弟子入りを果たし投影で宝石剣を再現。
魔法の再現に成功してしまい6人目に認定されその生涯を過ごす、というかなり変わったSSである。

対する「正義の魔術使い、立派な魔法使い」はネギまとのクロス物。
Fateルート後、正義の味方として戦い抜き死を迎えつつあった士郎だが、
平行世界の移動は遠坂宅急便、肉体の交換ならお任せ橙子先生!の遠坂凛、蒼崎橙子のコンビが登場。
早速肉体を入れ替えたが、鞘の影響でセイバーの姿になれるようになってしまった。

物語の展開はその後ネギまの世界で何らかの要因で飛ばされた、
宮崎のどか姿のランサーと共同戦線を張り、佐々木小次郎と戦うなど今後の展開が楽しみであったが、
非常に残念なことにHP「NIGHT KNIGHT KINGDOM」は現在閉鎖されている。

ただし、HPのURLをインターネットアーカイブに入力すれば閲覧は可能である。

「あーそういえば結構閉鎖されたSS多いかも。
 確か「出席番号32番 衛宮志保」も閉鎖された影響でアーカイブで発掘しないと見れないだっけ?」

「はい、あれも良いものでしたが、今では…」

「というか、Fateもそうですが大半のSSは完結せずエタって放置が多いですし」

アルクェイドが思い出すようにセイバーに尋ねた。
その問いにセイバーは悲しげに今は見れない事実を肯定し、シエルがエタッた作品の多さに嘆く。

「でも、先週(10月4日)からFateが放映されましたし、また新たなFateSSに出会えるはずですよ」
「む、それもそうね…そういえばFateが放映されたんだっけ?なんならさー、ここで皆で鑑賞会でもしない?」

桜のフォローにアルクェイドが頷く。
と、同時にFateが放映された事実に気づいた彼女がヒロイン勢による鑑賞会を提案した。

「あら、良いわね。でも貴女達は店員じゃないの?」
「どうせ客はしばらく来ないし、某3人組とかは展開的にもう少し先になってから来るから大丈夫大丈夫」
「ネタバレ乙」

凛がアルクェイド達が今はアーネンエルベの店員であり、
店員としての作業を放棄しても良いのか聞くがアーパー吸血鬼はまったく気にしていなかった。
そして、さり気無くネタバレをした事にさつきが突っ込んでいるが誰も聞いていなかった。
無視されたことに気落ちするさつきだが、ある事実に気づき再度口を開いた。

「あれ?というか先週の内容なんて今は放映されてないんじゃ…」

「愚問よ、弓塚さん。ここはアーネンエルベ、何でもありの空間。
 時間軸の無視なんて当然だし、大人数でも見やすい大きなテレビが都合よく現れるなんてよくあることよ」

つきの疑問に凛がここは都合主義万歳である事実を答える。
現に指差す先には今までなかったはずの20インチ以上のテレビが何故か鎮座していた。

「ふむ、何故かもう電源が着いている上に始まっているようです」
「…ご都合主義ばんざーい」

セイバーの呟きにさつきはご都合主義を賛美する他なかった。


(遠坂邸での朝のシーン)


「さっすが、uftable。
 背景画像に気合が入っているわね。
 BGMとかも合わせて雰囲気がブルーが活躍する「魔法使いの夜」みたいね」

「おお、言われてみればたしかに」

「あのーブルーって誰ですか?」

「魔法使いの1人、蒼崎青子のことよ桜」

予想以上の映像美に感嘆の声を挙げるヒロイン勢。
余談であるが遠坂邸のモデルは神戸の異人館の1つ。
「風見鶏の館」であり、神戸には他にも間桐邸、冬木大橋などの原作に登場したモデルがあることをここに記す。
なお会話に参加していない、さつきは鑑賞会のために飲み物や食べるものを準備している。


(弓道部道場で雑談を交わすシーン)


「いいなーこっちは志貴も妹も部活に参加してないわねー」
「志貴は体が弱いしな…っとできたぞ」
「感謝します、さつき」
「…そういえば姉さんは中学生の時、部活とか参加したことはあるのですか?」
「魔術の勉強優先だったから、代わりに生徒会の活動をしていたわ、桜」

学園者に定番である部活動について話題の花を咲かせる。
この話題に参加していないセイバーは、さつきが運んできたポテトフライを一心に頬張っている。


(ワカメ登場)


「モジャララ君ね!」

「む、頭にワカメを乗せたモブキャラですか?」

「あれ、誰だっけこのモジャモジャ?何とか慎二というらしいけど」

「ああ、モブキャラですね、直ぐに死ぬ枠ですね」

「ひ、ヒドイです!
 中の人は確かに某物語の人ですけど、
 昆布やワカメでも兄さんは小物かつ、物語の礎となる立派なやられキャラですから!」

「みんな色々ひどい、というか妹の突込みが一番ひどい!」

間桐慎二が凛に話掛けるシーンに、
ヒロイン達は次々と容赦ない言葉を出す。
まあ、それは仕方がないと言えば仕方がない。
なぜならエクストラに至るまで間桐慎二というキャラは小物枠で固定されているのだから。


(英霊召還シーン、そしてポカミス)


「えっとつまり遠坂さんは無課金で英霊を呼んだら、
 ご当地ヒーロー、それも同級生を招待してしまったでおっけ?」

「ご、ご当地ヒーロー……。
 アーチャーがご当地ヒーロー、ぷ、あ、あははは。
 あはははは!そ、その発想はなかったわ、今度アーチャーに言ってあーげよ」

「触媒を課金アイテム扱いですか…」

「公式でも英霊ガチャなんて代物が出ましたね…」

英霊を招く触媒を課金アイテム。
さらには呼ばれた英霊を地元のヒーローショーのヒーロー扱いなアルクェイドの言葉に、
凜は爆笑し、セイバーはその発想はなかった、と複雑な表情を浮かべる。
対するシエルは公式が病気なことをふと思い出した。


(整理された居間にドヤ顔のアーチャー)


「これ以上ないほどドヤ顔をしているけど、
 中身はあのヘッポコな士郎の未来だと思うとなんか複雑」

「執事レベル高いわね、翡翠みたい」

「黒執事ではなく、赤執事といった所か?」

「姉さんズルイです。
 こっちは認知症のおじい様の世話と我侭ワカメの管理を始めに、
 掃除洗濯家事炊事、家計簿管理、その全てが私だけでやらなきゃいけないのに!」

これ以上ないドヤ顔で紅茶を入れるコーチャーなアーチャーにヒロイン達はそれぞれの感想を言い合う。
特に凛は自分のサーヴァントであるが同時に舎弟…もとい弟子の未来の姿であることを思う所がある複雑な表情を浮かべる。
なお桜だけが妙に所帯じみたこことを口にし「そろそろ老人ホームも探そうかしら?」と呟いておりゾォルゲンの老人ホーム行きまったなしだ。


(冬木市探索シーン)


「『弓兵は、眼がよくなければ、つとまらん』。BYアーチャーっと」

「英霊川柳やめーい!」

「Fate/Zeroであったわねー」

「次の回は自分が登場しますから、
 待ち遠しいです…さつき、ポテトフライお代わりです」

英霊川柳を口にするアルクェイドに、突っ込むさつき。
感嘆深げに過去に思いを馳せる凛に、お代わりを要求するセイバーであった。


(アーチャーVSランサー戦、前半)


「うっわ、容赦ないー」

「ランサーは生粋の戦士ですから。
 それより、飲み物のお代わりです、桜」

「というか、姉さん屋上でランサーさんに襲われてよく無傷で済みましたね…」

「確かに、ランサーが本気で一撃で凛を殺すのではなく、
 遊んでいたのを除いても、英霊を相手にその場で怯まず逃走を選択できるとは、流石です」

「ふふん」

凛がランサーに襲われるが、
突き、あるいははらわれる槍の攻撃をかわして、逃走するシーンに、
妹である桜が呆れ、セイバーは英霊の攻撃から逃れた凛を賞賛する。


(アーチャーVSランサー戦、後半)


「……すごい」

「士郎はこの戦闘に入ろうとするのね、
 おまけに次はバーサーカー戦だしアイツ、本当に馬鹿というか無謀というか」

「しかし、本当に映像が綺麗です。
 それによく動くキャラ…一体何人のスタッフが魔力切れを起こしたことか…」

「『DEEN「これがサーヴァントの戦い…」』」

「アルクェイドさん、やめて。
 ほ、ほらDEENは2006年に放映。
 つまり8年もの月日が流れているから技術的に差異があるのは仕方がないって」

「月姫のリメイク版が出るとしたらぜひこうなって欲しいものです…今度こそカレーを」

迫力の戦闘シーンに圧倒されるヒロイン達。
だがその裏で一体何人の作画スタッフが睡眠時間を犠牲にしたのかセイバーは嘆く。
そしてアルクェイドがDEENとのシーンを見比べるような言い方に、さつきが冷や汗をかいた。
シエルはカレー風味のポテトを頂きつつ、黒歴史扱いのアニメとの差異に嘆く。


(ランサーに刺殺された衛宮士郎を遠坂凛が発見したシーン)


「『どんな顔であの子に会えばいい』姉さん、もしかして私のために先輩を……?」

「…………ま、まあそうよ。士郎は桜の面倒を見てくれたし」

「姉さん……ありがとう」

「…こ、今回だけは特別なんだから!」

衛宮士郎を蘇生させるために、父親が残した切り札を使う凛。
その理由は「どんな顔であの子に会えばいい?」と言ったように桜のためであった。

その事実に気づいた桜は凜に感謝の言葉を伝える。
感謝を受け取る側の凜は顔を赤らめ、そっぽを向いている。
麗しき姉妹愛、だかそれは即座にぶち壊された。

「あ、でもこのルートって凛ルートでしょ?
 つまり妹の想い人と知りながら恋人になった寝取りルートってこと?」

空気を読むことを知らないアルクェイドの指摘に空気が凍りついた。
たしかに、桜のために衛宮士郎を蘇生させた、だがこのルートでは最終的に恋人になるのは姉の凛であった。

「…………ふ、ふふふ」

「さ、桜、落ち着いて。ほら来年はHFルートの劇場版があるから!」

「ギャー!桜さん影!影を仕舞って飲み込まれるー!」


(衛宮邸でセイバーと対峙)


「あの時はこれからどうするとか考えずに、
 セイバーに見惚れていたわね、だってずっと憧れていたセイバーのサーヴァントだったから」

「でも、アーチャーさんの方がいいと思いますよ?
 セイバーさんなんて先輩のエンゲル係数を無限に上げて行く食っちゃ寝サーヴァントですよ?
 前回の聖杯戦争でドヤ顔で対等に渡り合えたと行ってましたけど実際はそもそも交戦回数すらアレでしたし」

「さ、桜!?」

「それでも、セイバーの方が可愛いじゃないの!
 あのガン黒皮肉屋バトラーサーヴァントよりもずっと可愛いじゃないの!」

「ひゃ!?凜?」

食っちゃ寝で衛宮家の家計簿に打撃を与え、
姉同様横から自分の想い人を略奪したセイバーを扱き下ろす桜。
だがそれでもセイバーの方がいいと言い、セイバーの可愛さを力説と同時に彼女に抱きつく凜であった。

「ねえ、さっちんこれってタワーが建つと言うのだっけ?」

「正確にはキマシタワーで」

「あ、終わりました。いやー次が楽しみです」

そして1時間はあっという間に過ぎて行った。





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弓塚さつきの奮闘記外伝 午後12:50(完)

2014-09-18 21:44:23 | 弓塚さつきの奮闘記~月姫編

「痛ったいなあ、シエル」

瓦礫の中からアルクェイドが這い出した。
服などが埃で汚れているが流石真祖というべきか、
代行者が全力で放った黒鍵を受けても痛いですませていた。

「は、このくらいやらないと貴女にダメージが入りませんからね、当然ですよ」

そして、その事はシエルも知っていた。

「あーもー、暴力的なんだからー。
 というか、ウチのシエルといい型月のヒロインは暴力的ね」

「いや、アルクェイド何自分の事を棚に上げているんですか?
 私もそうですけど、貴女も何度も遠野君をぶち殺しているではありませんか
 それに、いいですか?型月のヒロインたるもの一度は主人公を殺さねばなりませんから多少暴力的でも問題ありません」

「え゛」

やれやれ、と言っているアルクェイドにシエルが突っ込みを入れる。
ただし、ヒロインたるもの一度は主人公をぶち殺す必要があると放言するもので、常識人たるさつきが唖然とする。

「あ、こっちもキャスターに杖にされた士郎に止めを刺したりしたわね」
「自分もシロウを剣で…」
「……私は兄さんの首をチョンパして、金ぴかさんを飲み込んで、おじい様を握り潰して、それから…」

そして凛、セイバー、桜の順で思い出しように、突っ込みどころ満載な内容が出て来た。
月姫、Fateといったゲーム化されている型月の特徴としてやたらとBADENDが多い上に、ヒロインが主人公をぶち殺す。

という実にショッキングな光景が普通に存在している。
そしてここがミソであるが、当初からヤンデレ設定を持つヒロインが主人公を殺るのではなく、
ごく普通のヒロインが躊躇なく、それも選択肢を1つ誤っただけで一瞬でヒロインの手によって主人公が殺害されるのであった。

「あ、待てシオンは…駄目だ、あの子も始め志貴に喧嘩を吹っかけて来たし、
 吸血鬼ルートなら、うん…駄目だこりゃ、どいつもこいつも主人公を一度は殺している件について」

転生者にして常識人を自認するさつきは、
思い出話と主人公を殺した内容を語るヒロインズに着いてゆけず、
一瞬、友人のシオンに希望を見出したが主人公と行き成り喧嘩を吹っかけた挙句。
吸血鬼化ルートでは吸血対象として殺しに事実を思い出した。

「んん~良い子ぶっちゃって。
 さっちんだって、リメイク版が出れば志貴をコロコロする癖に~」

「私と同じ悪堕ちキャラの可能性もありますね!先輩として何時でも歓迎します!!」

「積極的に主人公の抹殺を推奨するヒロインにボクは異議を唱えたい!!」

のほほん、とした表情で物騒極まりないことを口にするアルクェイド。
そして悪堕ちヨゴレキャラがすっかり板についたせいか、妙にテンションが高い桜であった。

「ええーでもこっちが殺そうとすれば、
 間違いなく志貴は私をもう一度バラバラにしてくるから、
 気を抜くと殺されそうな緊張感、でも普段はぼっとしていて守ってあげたくなるようなギャップ。
 そっれがすっごくいいのになあー、この感覚が分からないさっちんは人生で損しているわよ損、損」

「うわーい、何この型月ヒロインの歪みっぷりは?」

頬を赤らめ惚気るアルクェイド。
彼女程の美人が惚気る程愛されている男は、
全世界の童貞並びに彼女居ない=年齢な男共から呪詛が深夜の夜に送られるだろう。

だが、殺し愛上等な型月。
殺されそうな緊張感がいいと公言する彼女に、
慣れてきたとはいえ、さつきの常識は色んな意味で限界であった。

「可愛い後輩だと思った?
 残念ヨゴレの悪堕ちキャラでした!
 そんなのが、一杯居ますからね…ふ、ふふふ」

「桜さーん…さっきからテンションが色々ヒドイのですけどー?」

「ああ、大丈夫よ弓塚さん。
 あの子、偶にストレスで可笑しくなるから気にしないくてもいいわよ」

「はい、何時ものことですね、凛」

頭のネジが数本ぶっ飛んだ言動を繰り返す桜に、
心配するさつきであるがfate勢のヒロインは慣れた光景なのか動じる気配はなかった。

「あーもう!自分が話しを振ったとはいえ、
 型月ヒロインはヒロインとして色々最悪ですね!
 あーオホン、話を変えますけど皆さんはウェブ小説をお読みになられますか?」

「ウェブ小説?それなら架空戦記の「提督たちの憂鬱」かな?
 あれは掲示板参加型の形式な上に、自由に雑談したり創作活動ができるから、ちょくちょく見てるかな」

「あ、私は基本ドンパチ物ね。
 映画で例えると何の権力のないニューヨークの平刑事がひょんな事からテロ組織と関わって、
 奥さんとかの不倫問題を抱えつつ2時間ずっと走りっぱなしで、最後は恋人を抱えてハッピーエンド!
 みなたいな感じので冒険活劇、ウェブ小説時代のSAOとか自衛隊彼の地に、とかオリジナルが多いわね~」

シエルのネタ振りにさつきとアルクェイドが答える。
片やマイナーすぎて商業的には縮小傾向が強い架空戦記。
片や個人の創作活動から始まって今では大衆の一般的な支持を得ている小説。
と、どことなく2人の性格が分かるような好みが現れた。

「あら、オリジナルじゃなくて二次創作派ね私は、それもFate。
 Fateを主題としたSSは、結構私のルートを中心としているしね。
 特に「Fate in Britain」がいいわね、ゼロもなく、ホロウ程度しか出ていなかったあの年代で、
 あれ程よく考察された世界観と物語構成はまさに封印指定クラス、もう2度と眼にかかることはないと思うわ」
 
「ほう、SSですか。
 それならば異なる世界の強者と剣を交え、
 交流するクロスオーバーを主題としたSSを読みます。
 昔はよく見られたネギまとのクロスオーバーSSは新作が出るたびに夢中になって読みました。
 その中でも今は過去ログでしか読めませんが「出席番号32番 衛宮志保」が特に記憶に残っています」

こちらもキャラの性格が強く出た。
凛が挙げた「Fate in Britain」は凛ルートグッドエンド後の時計等留学生活を主題としたものだ。
ゼロから始まりエクストラ、プロトと派生作品が生まれる前、それもホロウが出た程度の時代。
にも関わらず確かな知識によって生み出された、独自の世界観は閉鎖された今でも根強い人気を誇っている。

対するセイバーはクロスオーバー物。
それもTSと地雷要素しかないが「出席番号32番 衛宮志保」はあまりそうした要素は少ない。
むしろ、クロスオーバー物でたびたび陥るキャラ崩壊、あるいはキャラが多すぎて思うようにキャラが動かない。

等といったことがなく、1人1人のキャラに躍動感をうない具合に躍動感を与え、
無理な設定がなく、世界観の崩壊もまたなく、誰もが楽しめる名作であった。
……現在は過去ログでしか読めないが。

「むう、Fateは確かに型月の中では最も多く二次創作がされている作品ですが、
 ウェブ小説の歴史ならばこちらが先輩です、なんといってもかれこれ14年の歴史ですから」

シエルが月姫代表として対抗意識を出した。
2001年から10年に渡って運営されていた「全自動月姫Links-Albatoross-」のように。
月姫のウェブ小説の歴史は非常に古く、そして月姫より前の「空の境界」よりもSSの投稿が盛んであった。
もっとも、派生作品が続々と出るFateに比べ、リメイクも何もない月姫は今では目立たぬ存在であった。

「へぇ、14年かぁ。
 コミケの同人ゲーム時代から数えるとそうなるのかー。
 それでも、こうして今も生き続けているなんて、あの当時は誰も思わなかったでしょうね」

「ええ、そうね。
 Fateだって今年で10年だし、まさかここまで来るなんて」

アルクェイドの呟きに凛が同意を示した。

「「空の境界」が生まれて16年、月姫が生まれて14年、Fateが生まれて10年。
 次の16年後、14年後、10年後はどうなっているのか、ボクは興味が尽きないよ」

「そこまで行くだったたら、サザエさん時空かこち亀時空に入るわね。
 あーそのくらい待てば月姫のリメイク版や続編だって期待できそうねー」

更なる未来へ思いを馳せるさつき。
その言葉にアルクェイドもまた未来へ夢を見る。

この先は、どうなっているのか分からない。
だが10年以上の月日が流れた型月の世界の可能性は終わることはないだろう。

アルクェイドとさつきの2人。
そして残るヒロイン達はそう感じた。





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