二次元が好きだ!!

SSなどの二次創作作品の連載、気に入ったSSの紹介をします。
現在ストパン憑依物「ヴァルハラの乙女」を連載中。

続いたネタ11 GATE~夢幻会、彼の地にて戦いけり

2015-10-25 22:37:55 | 習作SS

続いたネタ11 GATE~夢幻会、彼の地にて戦いけり


中華人民共和国 北京 

共産主義国の軍隊は常に党の監視下にある。
それは暴力を以って権力を奪った歴史性ゆえ暴力装置である軍を恐れているからだ。
だが、この場にいる人間はその監視下から逃れた例外に属する者たちであった。

「政府は謀略を以って門を確保しようとしている。
 当面は和平と友好を訴えつつ日本の世論を揺さぶる方針だそうだ」

「それは当然だ、門が魚釣島にあれば我が軍が即座に行動できたが、
 門は日本の首都にある、国際的な管理下に置く、という名目で門を確保するしかない」

若手の官僚の言葉に総参謀部第二部に属する男が返答する。

「生ぬるい!小日本に対して慈悲など無用!
 かつての蛮行のことを思えば軍事力で門を奪いあの列島ごと占領すべきだ!」

「その通りだ、それでは何時までたっても門を確保することはできない!
 人口問題、拡大する貧困、暴走する経済その全てを解決するために我が国こそ門が必要なのに!」

「せめて魚釣島や印度の国境のように軍を動かすべきです同志!」

しかし周囲から異論が吹き出る。
どれも過激な物でそれゆえこうした秘密の集いに集った人間だ。
主に軍人、特に最近予算的に羽振りが良い海軍と空軍の軍人を中心としている。

「だが日本の背後には米国がいる。
 あの国を相手に戦うなど無謀を通り越して蛮勇だと思うが?」

「ふん、臆病風に吹かれたか。
 それとも陸軍には活躍する場所がないから嫉妬しているのか?」

「なんだと?」

売り言葉に買い言葉。
予算を奪い合うライバルとあって感嘆に険悪な空気が流れる。
特に面子を重視する中国人が面前で小馬鹿にされて黙らない中国人はいない。
今にもつかみ合いが始まりそうであったが。

「静まりたまえ、同志諸君」

この集いの中で最も年齢が高い老人の一声で場が静まる。

「同志諸君らの気持ちはよく理解できた。
 私も君達と同じようにこの国の行く末を憂慮している」

おお、とどよめきが湧き上がる。

「だが通常の手段では小日本に米帝を打倒し、
 偉大なる中華民族の復興という中国の夢を実現するには力が足りない。
 現に我が国が先制核攻撃を準備し行動に移すさいに我が方の情報は米帝に対して筒抜けである」

東シナ海の海は浅く、抑止力となる中国のSSBNの行動は常にアメリカと日本に容易に察知される。
これまで考えられる対策、地下の発射サイロに潜水艦が隠れる秘密基地などがあるが先に立ちふさがる日本、
そしてアメリカの早期警戒システムを前に先制核攻撃において中国はアメリカに対して極めて不利な状況であった。

「しかしそれでも東洋鬼に懲罰を加えねばならない、
 再び復活しようとしている軍国主義の過ちは正さねばならない」

長老の言葉に周囲の人間が頷く。

「小日本の後ろ盾である米帝を打倒し、
 自然物に過ぎない日本人を全滅させ、列島を我が物とするのだ。
 門の向こう世界を手に入れて、門の向こうの日帝を完全に打ち砕くのだ。
 我々の手で中華の偉大な歴史を作り、新秩序を作るのだ、全ては祖国のために」

そして一拍。

「そして同志諸君……例の件だが、
 第二砲兵の試算で技術的に問題ないとの結論が出た。
 我々は武器となる矛をついに手に入れたのだ!」

「な、なんですと!」

「ついに我々は米帝を打倒しうる手段を手に入れたのですね、同志!」

男達は長老の言葉の意味を知っているおり、歓喜が爆発する。
それは門の向こうの大日本帝国が一般情報として公開されたとある情報から思いつかれたものである。

核兵器以上に外道外法の物であるが、元々超限戦。
サイバー攻撃から始まり金融、外交、諜報、広報、テロ。
と、あらゆる手段を用いて制約なく戦う超限戦をドクトリンとしている軍ゆえ、
もたらすであろう相手の被害などまったく考慮していないかった。

「同志諸君、各々の領分において準備を始めるように。
 これから忙しくなるぞ、ただし決して弱腰の政府共に知られるな」

長老の言葉に男達が笑みを浮かべ頷く。
 


「何せ我々は大西洋津波を人為的に起こし、
 米帝だけでなく欧州から阿片戦争以来受けた屈辱を晴らすという大儀を果たすのだから」


















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