二次元が好きだ!!

SSなどの二次創作作品の連載、気に入ったSSの紹介をします。
現在ストパン憑依物「ヴァルハラの乙女」を連載中。

弓塚さつきの奮闘記外伝 「奮闘記的アーネンエルベの一日 午前9:45」上

2014-04-21 19:35:04 | 連載中SS

時刻は午前9:45。
まばらながらもモーニング狙いの客が喫茶『アーネンエルベ』の門を潜り出す。
流石に雑談に興じていた某全身刺繡の悪魔も店員として真面目に働きだし注文の応対に回る。
他にも料理担当らしい赤毛の少女、補助に銀髪のシスターが店員として働くなど妙に濃い面子がいたが、客は特に奇異の眼で見ない。

なぜなら、ここは普段出会えない人と出会える曰くつきの喫茶店で客もまた濃い面子が揃っていた。
例えば栗毛の女子高校生と談笑する金髪赤目の少年や、ひたすらカレーを頬張る髭の男性などと非常に個性豊か面子がいた。

そんな中、両義式、遠野志貴。
イリヤスフィール・フォン・アインツベルン、クロエ・フォン・アインツベルン。
そして美遊・エーデルフェルトの5人は机を挟んで談笑していた。

「ふーん、おまえ達も冬木出身なのか?」
「はい、今日はみんなで一緒に外に行っていたんです」

式がチーズケーキを突きつつ質問し、イリヤが答えた。
イリヤの方も飲み物は紅茶とするモーニングセットを食べつつ笑顔で応対する。

一見すると和気藹々とした雰囲気を出していたが。
イリヤの隣に座っている肌黒の少女は時折意味ありげな視線を寄越すし。
同じく隣に座っている黒髪の少女、美遊・エーデルフェルトはそわそわしていた。
式の隣に位置を移動した遠野志貴もまだまだ、どう言葉をかければいいか分からないようである。

そもそも、わざわざお互いがこうして同席するようになった原因は。
出会い頭に式が少女3人の正体を見破り、クロエが逆に皮肉ったため嫌な緊張感が流れ。
後から入ってきたイリヤが全身刺繡の男が兄にそっくりにな事のに驚き、さらには行き成り喧嘩上等の修羅場に驚き。

どうしてこうなった!?
とテンパリ言い出した言葉が。

「あ、相席してもいいでしょうか!?」

と言い出したためである。
式は別に断ることも出来たが、セイバーやアーパー吸血鬼と似たような空気を察し。
興味が湧いたのと、監視も含めて相席に同意し志貴の方は事態が丸く収まることに歓迎した。

実は式は目の前の少女。
特にイリヤスフィールについてはセイバーから聞いたことがある。
なんでもかつて使えていた主の娘で、一度対立したが今は衛宮士郎の家に居候状態だとか。

しかし、彼女らの話を聞く限りどこか微妙に違う。
特にイリヤスフィール、イリヤの態度と発言はセイバーから聞いたものとはギャップがある。
式が聞いたところでは由緒正しい貴族の振る舞いをしているはずだが、どう見ても普通の少女だ。

それにイリヤが言う「お兄ちゃん」の話がどうも違う。
そもそもクロエ・フォン・アインツベルンと美遊・エーデルフェルトの存在は今まで聞いたことが無い。

まあ、しかしここはそういう所だ。
そんな事があっても不思議ではないし、それがここでは当たり前。
だから式は警戒しつつも特に深く追求せず、チーズケーキを頬張った。

「でも両儀さんが言っていた観布子市。
 何て聞いたことが無いし遠野さんが言っていた、三咲町なんて冬木の近くにあったかな?」

「イリヤ、ここはそーいう所だから気にしたら負けよ」

おっかしいなぁ、と首を傾げるイリヤ。
そして、音を立てずに紅茶を飲んでいたクロエがアーネンエルベの存在を一言で表現した。

「そうだね、クロエちゃん。
 それより3人とも『プリズマ☆イリヤ2wei!』放送おめでとう」

「採算とか色々厳しい中での2期放送だ。
 そこは尊敬するな、そして新たな型月の世界の誕生おめでとう」

「……あ、ありがとうございます」

「いえいえ、こちらこそ。
 遠野さんや両儀さんと比べれば大したことありません。
 私達なんか2人のように伝奇や怪奇物じゃなく萌え全開の新米だし……」

話題を変えるように志貴が2014年7月の放送予定の『プリズマ☆イリヤ2wei!』
『プリズマ☆イリヤ』2期放送を祝福し、式も同じく祝福し新しい型月世界の登場を歓迎した。
美遊とイリヤは型月世界の先陣を切った大先輩とも言える2人の言葉に嬉しさやら恥ずかしさでうまく言葉で表現できなかった。

何せメタい話でぶっちゃけると『プリズマ☆イリヤ』は『Fate/stay night』からのスピンアウト漫画作品だ。
基本的な設定はFateと型月世界観に準じているがかなりの部分がスピンオフゆえに二次創作的なものとなっている。
何せ作者自身が「原作にはフィードバックされない」ので「絶対にツッこむな」と明言しているくらいだ。

その上で内容が大きな子供とお兄ちゃん方が大好きな魔法少女物である。
型月の歴史的にも浅く、そんな自分達が大先輩達に祝福されたのだからイリヤと美遊の反応は仕方がない。




コメント
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