アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

学力と体力の見事な比例

2009年01月25日 | Weblog
 「全国体力テスト」の結果が公表されました。正式な名称は、「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」です。いたずらに長ったらしいので、「全国体力テスト」とします。
 予想はしていましたが、全国学力テスト同様、福井、秋田が上位を占めました。

 2005年度の、「体力・運動能力調査」で、朝食や睡眠時間、テレビ視聴時間といった生活習慣が確立している子どもほど持久力があることが分かっていました。生活習慣は、学力との相関関係があることもわかっています。
 「体力=生活習慣、学力=生活習慣よって、体力=学力」このような式が成り立つかと…。よって、福井、秋田は学力日本一なので、体力もトップクラスだろうと予想したわけです。

 結果は…
 <小学校ベストテン>
 男子…福井、秋田、新潟、茨城、千葉、宮崎、石川、島根、岡山、鳥取。
 女子…福井、秋田、新潟、茨城、千葉、岡山、静岡、埼玉、岩手、島根。
 <小学校ワーストテン>
 男子…福岡、神奈川、東京、奈良、愛知、大阪、三重、北海道、徳島、高知。
 女子…兵庫、北海道、大分、福岡、三重、大阪、奈良、滋賀、神奈川、高知。

 <中学校ベストテン>
 男子…千葉、福井、秋田、茨城、新潟、宮崎、鳥取、岩手、埼玉、静岡。
 女子…千葉、福井、茨城、埼玉、岩手、秋田、静岡、岐阜、山形、新潟。
 <中学校ワーストテン>
 男子…徳島、大分、福岡、神奈川、大阪、北海道、東京、高知、和歌山、奈良。
 女子…沖縄、大阪、神奈川、福岡、東京、大分、和歌山、奈良、高知、北海道。

 福井県(小学男女で1位、中学男女で2位)は…小4から高3まで全児童生徒が参加する体力テストを毎年実施し、分析結果を体力向上に生かしている。やはり!ほったらかしではなく、取り組んでいたんですねえ。
 秋田県(小学男女で2位、中学男子3位、女子6位)は、始業前と2、3時間目の間に、運動をさせている。
 千葉県(中学男女1位)は…昭和39年度からすべての公立小中高校で体力テストを実施し、優秀者には「運動能力証」を交付して評価してきたという。地道な努力をしてきたのですねえ。

 大阪府(中学男子42位、女子39位)は…人口密集地が多く、敏捷性を養う遊びがしにくいからなのか…。
 とりたてて体力作りの対策をしていないということですね。橋下徹知事がこのことでまたまたキレて…「学力もダメ、体力もダメ。大阪の教育はどうなっているのか」「教育委員会にはいい加減にしてもらわないと困る」「文科省の役人は教育現場に来い」など、吠えておられましたが、大事なことです。知事は、自分の都道府県について、「全てが良い」状況を目指すのが当然。教育には特に口出ししなければなりません。米百俵ですから。
 高知県(小学男女とも最下位)は、全員参加の体力テストをやってこなかったのが要因の一つかも。
 奈良県(中学男子で最下位)は…塾通いの子供が全国平均より多いのが要因。厳しい財政で、今は体力より学力向上の施策を優先したいが…。この奈良県教委のコメントは、学力向上と体力向上を切り離しています。学力と体力は比例していますから、安心して学力を伸ばせばいいことなのですが。

 学力と体力は比例…「その通りとは思うが、根拠になる数字みたいなものはないのか?いまいち説得力に欠けるぞ」と、いう声が聞こえてきそうです。にこやかに、私の考察を開陳させていただきます。

 小学校を見ると…学力ベストテンで、体力もベストテンに入っている都道府県は、秋田、福井、岩手の3県。これでは相関があるとはいまいち言えない。
 ところが、学力ワーストテンの都道府県で、体力もワーストテンに入っている都道府県は、福岡、大阪、滋賀、三重、北海道の5道府県。この事実をどう見る?
(なお、体力テストの場合、男女別なので、どちらか一方でもワーストテンに入っていれば、体力ワーストテンの都道府県としてカウントしています。どこの調査機関が調べたかって?私が2時間かかって、調べ上げました)

 中学校では、学力ベストテンで、体力もベストテンに入っている都道府県は、秋田、福井、岐阜、静岡の4県。これは相関があると言っても強弁ではないでしょう。
 さらに、学力ワーストテンの都道府県で、体力もワーストテンに入っている都道府県は、福岡、大分、和歌山、北海道、大阪、高知、沖縄の7道府県。ここまで調べたので、「相関あり。学力と体力は比例します」と言っているのです。ガッテンしていただけましたでしょうか!

 学力が上がれば、体力も向上する…では、1週間ほとんど運動しない、小学男子11%、女子23%。中学男子9.4%、女子30.7%について、放置しておいても学力がつけば体力もつくのか?私の答えは、「はい、その通り」です。
 勉強のために、長時間にわたり座る姿勢を続け、集中力を持続するためには、「体力」が必要です。お腹が空くので、朝食をしっかりとります。「朝食をとる子は、どの教科でも点数が高い」というテスト結果(全国学力テスト)もあります。朝食をとらなければ、体力…つきません。
 「早寝早起き朝ごはん」の運動は、理にかなっているわけです。しかし、これって、文部科学省が旗を振ってはいますが、「学校」が推進する種類のものかね。朝ごはんまで学校から口出しされる家庭、少しは問題意識を持ってほしい。「学校よ!越権行為だぞ!早寝早起き朝ごはんは、家庭教育です」と、堂々と主張できる保護者が増えんことを…