オープニング。
仮眠しているコティヤール=主人公サンドラ
彼女は病欠で会社を休んでいた。
ところが同僚で友達のジュリエットから 携帯で連絡が入り、突然のことにビックリ!
それは、会社が判断した決定。
サンドラの辞職を条件に、他の16人の従業員に1,000ユーロのボーナスを与える、と。
ショックを受けつつ、諦め境地の彼女。
監督のダルデンヌ兄弟は語る。
「何の取り柄もないサンドラは、自分に自信もなければ、自らの力で何かを勝ち取るような気の強さも持ち合わせていない。
今日の我々が生きる社会において、彼女のようにナイーヴで立場も弱い存在は切り捨てられる。
否応なく社会の外に追いやられ、居場所も奪われていく。
そういう人間をスクリーンの中心に据えてひとつのドラマを語ってみたかった」
(インタビューから引用)
その彼女をジュリエットそして夫は励ます。
「週末の間に、他の16人を説得して回ろう」
そこで原題となる =Two Days, One Night(Deux Jours, Une Nuit)
その旅路の末に彼女が得た「境地」とは?!
「 “他人の身になって考える” というのがこの作品の重要なキーワード。
他者に思いを馳せたとき、サンドラは自らの意志でしっかりとその場所に立つ。
そう、人は変われる。いまある社会を憂い嘆くだけでは何も変わらない。
だから僕らは愚直かもしれないがこう言い続けたい。
“誰にでも希望の光があり、人間には良心があるんだ”と」
(インタビューから引用)
スッピンでこの闘いを演じ通すコティヤールも清々しく素晴らしい。
今作でアカデミー主演女優賞にノミネートされたのも全く納得がいく。
結論:1時間35分に、これだけの「現在」が切り取られていることに、正直 驚愕した。
今年2015年の当ブログのベスト10入りは確実。