11年もの間(1979~1990年)イギリス初の女性首相を務めた マギー・サッチャーを描く。
まずユニークなのが、あくまでも「現在」を中心に、彼女を描いていること。
認知症に苦しむ日々がベースになっており、「回想」という形で彼女の栄光・挫折が挟み込まれる。
生存中の元首相をこういう形で描いているのは、非常にめずらしい気が。
メリル・ストリープは今作で、3つめのオスカーを獲得。
ただ3度目の受賞と言っても、「クレイマー、クレイマー」(79年)、「ソフィーの選択」(82年)以来。
だから2度から既に30年近くが経過しており「またか」感は全くない。
だいたい2年前の「ジュリー&ジュリア」でもやはりオスカー候補で 料理研究家ジュリア・チャイルドへの成りきりぶりもすごいものがあった。
特に「声」で。
そして今回も、サッチャーの地声と、政治家として訓練した結果得たしゃべりの両方を披露し、唸らせる。
そういう点で、全く前評判通り。
成り行きで想像もしていなかった首相に上りつめ、不況の1980年代、フォークランド紛争他を乗り越えていく「鉄の女」はお見事。
彼女の、この「成りきり」ぶりが最大の見物、と言えよう!
(助演の夫役 ジム・ブロードベントもいいけどネ)
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メリル・ストリープの素晴らしい演技でしたね。
孤独な面は彼女の"影"の面。あまり知られない部分 あるいは知られたくない、知る価値がない部分だってあるから・・・
ストリープ演技は さすが女性版デニーロと言われるほど役のリサーチ振り。彼女の演技にデニーロも認めるのも 当然だなと 思いました。
とある偉大な親を持つ七光り子ども特集で
サッチャーは 双子の息子と娘で 息子"マーク"を溺愛して "娘"キャロルは そっちのけのえこひいき愛情だったそうです。
息子のマークは甘やかし放題が災いしたのか
アフリカ大陸の 「パリ・ダカール レース」で行方不明になった際 サッチャー首相は あわてふためき、国家予算の日本円で2億円つぎこんで捜索したら レースを勝手にリタイヤして 砂漠の中 テント張って のほほんと待ってたそうです。 そして 母マーガレットに対し、
「SORRY、MOMMY」 (ママ、ごめんな~) と新聞の見出しになっちゃいました・・・・
アホ・・・・(><)
この騒動が きっかけで、イギリス中が マークのろくでなしぶりが表面化し、サッチャー首相にイギリス国内中から非難を浴びたんです。
育て方を間違えた サッチャーの汚点・・・
でも、そういうのも ひっくるめて "サッチャー"なんです。
人生そういう意味では、万民に平等、てことでしょうか。