主人公はユアン・マグレガー。
で、実は彼が主演と知り、期待度は低かった。
彼の最近の映画では「人生はビギナーズ」「パーフェクト・センス」「エージェント・マロリー」とかで、あまりいい印象が久しくなかったから。
だがこの映画の彼は、ジョークも下手な役のせいか⁈ 今までにない雰囲気があって好感が持てたのだ。
さて物語。
砂漠の中で立ち上がる、途方もないプロジェクト。
オープニングクレジットの短い間に既に「絶対無理」と放り出す主人公。
その途方もないプロジェクトとは「イエメンの砂漠に川を流し、そこでサーモン・フィッシング」を実現すること。
ところが、まわりのサブキャラが輝きだすことによって、オープニングの状況が否応なく変化する(このへんの演出、実にうまい)
主人公は、この途方もないプロジェクトに巻き込まれざるえない状況に陥る。
こうして、観客もなんで?という気持ちを主人公と共有しつつ物語が進行。
そして物語に、その「首謀者」が登場するあたりから、主人公も観客もモードが切り替わり出す。
極めて知的で、成金っぽさを全く感じさせない「首謀者」。
彼の一つ一つの言葉のよって次第に、応援モードになっていく(このへんの演出、実にうまい)
「信念」「行動力」「意思を1つ束ねることで生まれるパワー」なんてキーワードがアタマを散らつく。
プロジェクト・リーダーに必要な要素がうまく散りばめられている。
その結果、そうなる前だったらしてしまいそうな「否定的コメント」への拒絶感に至る。
メインキャラの1人にもその決定的瞬間が訪れるのだが、観客も完全にそっちサイドに寝返っているので、物語の理解が早い早い(笑)
というわけで、全く予想外にクリーンヒットとなった。
こういう感じにシンプルに「いい映画」って思わせる映画ってそうない。
今年のベスト10に入ってしまいそう!
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「首謀者」、いい人でしたね~。
「否定的コメント」、あれでフラれるなと分かりました。(笑)
あの瞬間が、この映画のクライマックスだったかもですね。
実に「ありえる」瞬間なので。
(と、他山の石!)
ですがあれで良かったと思えます。
アラブの富豪や首相府の女性広報官の個性的な役柄など、最後まで楽しめました。
6月に、いよいよDVDが発売されるので、それを観るのが楽しみです!