昨年11月3日(金)22:10~23:00に BS1で放送された、レイ・カーツワイル氏(Ray Kurzweil)のインタビュー(NHK 未来への提言 第5回) は非常に刺激的な内容でした。
(2006-11-05アップ NHK 未来への提言 レイ・カーツワイル )
その後原書に挑戦しようとするも、あまりの難解さに空中分解したままになっていたのですが、このままではイカンということで日本語訳に手を出し、夏休みを利用してやっとこさ読破です。
いや~日本語でも難しいわコレ(笑)
理系の様々な専門用語が連発され続けている600pなのでした!!
とは言いつつ、
第1章「六つのエポック」
第2章「テクノロジー進化の理論―収穫加速の法則」
この立ち上がりは、つかみとしては最高。
人類の進化が加速(accelerate)していくことをクッキリと予想しており、非常に刺激的な内容。
この2章だけでも読む価値があると思う。
そして、第3章「人間の脳のコンピューティング能力を実現する」以降の200p強は、急激に理系モードに。
けっこう読み通すのがタフでした。
第6章 「衝撃…」で人類永遠のテーマ「寿命」に踏み込み、話が拡散していきつつ、テクノロジーの進化が発生する過程で必ずといっていいほど生ずるポジティブの一方のネガサイドなどにも言及しつつ、クライマックスとして自分がSingularian(特異点の推進者)と宣言し、この本が終わります。
どっちにつくかかと問われれば、こういう未来に期待するところが多いです。
楽しみにして読めたのが、各章ラストに出てくる架空対談。
カーツワイル本人が狂言まわしとなるのですが、ダーウインとかフロイトなどの歴史的な学者が登場するだけでなく、2007年版、2048年版、2107年版の現在過去未来の同人物が登場したりして、時空が入り乱れた対談になったりします。
最後に:翻訳に助けられてこの本を理解することができつつ、日本語訳タイトルには違和感がどうしてもつきまとう。
「特異点」という言葉の意味からして、人間が進化(ポストヒューマン誕生)するのみならずもっと深いことをこの本では考察しているはずではないか。
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