フランスへの階段

変わったこと。昔は階段を一段ずつ登って行くイメージだったけど 今は一段ずつ降りて行きたい。

置いてけぼりな気分

2017-01-12 15:10:41 | 日々感じたこと

明けましておめでとうございます。

みなさん、どきどきしてますか?


私は新年早々、目の覚めるような出来事があった。

長らく味わっていなかった気持ち。

頭が真っ白になって、途方に暮れてしまう体験。

回りの流れにのって泳がなきゃ行けないのに、まったく動けない。

無力な子どもになったような出来事。

おなかがきりきりしてくる。

 空手からの帰り道車窓から。

 

早い話が、村のオーケストラに入ったのである。


昨年末にフルートを習っている音楽学校から手紙が来た。

”あなたは、これこれのレベルを練習中という事で、これは村のオーケストラに入る資格を得た事を意味します。

音楽学校はオーケストラの為に運営されてるので、そこの生徒は基本として

オーケストラに所属していただきたいと思います。

なにか不都合がある場合はもちろんお話をお聞きします。”

という理路整然とした手紙だった。少し悩んだが、今回は観念して参加させていただく事にした。

 

今までは、月曜日の個人レッスンだけしていて、その曲の練習だけでも十分だったので

オーケストラに入って新しい曲を練習して、そして村の行事や年に一回のコンサートに

週末出席するとなると、どのくらい時間を取られるのだろうと危ぶんでいたのだ。

 

でも今回は、なんでだろう。

やってみてもいいような気がした。

子どもに干渉しすぎないように、自分にとってのチャレンジを始めたかったのかもしれない。


その日が初日だったのは、私だけではない。

奇しくも同じフルートの中学生、ピエールもいた。フルートの練習本を借してもらっているご近所さんだからよく知っている。

練習日は、金曜日夜8時から10時まで。

その日は夕方の予定が押していて、晩ご飯を作って食べてで、少し遅刻して行った。


思えば余裕だったな。苦笑

着くとまだ練習は始まっていなくて、場所について、自己紹介で名前を告げて、それまではオーケー。

その後、じゃ今月、新年のあいさつの会があるので、そこで演奏する曲を。。。と言って

楽譜が配られた。不慣れなマークが描いてある、複雑そうな楽譜。

演奏の順番を簡単に確認する声が聞こえる。嫌な予感がしてきた。

指揮者のおじさんが、「じゃ、準備はいい?いくよー」

といって、手を挙げた。


私とピエールも、固まっている。

回りはちゃんと吹いている。


さーっと血が頭から引いて行く感じ?


練習時間、ゼロで、いきなり 合わせる!?

ちょっとまてちょっとまて、小学校のブラスバンドでは、まず楽器ごとにグループになって

しっかりれんしゅうして、それから満を持してみんなで合わせたぞ。

当時はそれでも楽譜は上手く読めなくて、適当に吹き散らかしていたんだ。


30年の時を超え、フルートを再会したら 楽譜が、読めるじゃないか 

といううれしい喜びがあった。私は楽譜が読める という自信とともにこの場へやってきたのだが。


一瞬で見事に粉々に砕け散った。

ピエールも同じ様子で涙目になっている。若かったら私も笑う代わりに泣いていただろう。


これは、なんともホラーな時間だった。

しかも4曲 2時間 続いたのだ。これが。

スリル満点過ぎる2時間。胃が痛い。


後で、温かい団員に「私は1年ぐらい途方にくれてたわよ。1年よ。」など

慰めの言葉をもらったが、傷はあまりに大きい。

その日は、よく眠れなかった。

月曜日のフルートのレッスンの時に、先生に「みんっな、そう。それが普通よ。いつかは早く楽譜が読めるようになる。」

と言われて、オーケストラの曲をいっしょに練習してもらって、やっと地に足がついたような心地になった。


さあ、練習日がが今日やって来る。

どきどきだ.....