フランスへの階段

変わったこと。昔は階段を一段ずつ登って行くイメージだったけど 今は一段ずつ降りて行きたい。

フランス大統領選挙 1er tour

2007-04-27 00:11:54 | 日々感じたこと
先週の日曜日、4月22日に第一回大統領選挙がありました。

その日、日本の母とスカイプで話していたら意外にも日本のニュースで取り上げられているようです。

候補者は10人ぐらいいましたが、日本では有力候補の4人が紹介されていたとのこと。


・ニコラ・サルコジ(シラク大統領と同じ党派で右)
・セゴレーヌ・ロワイヤル(社会党で左)
・フランソワ・バイロン(右と左の中間。いわゆる中道派?イギリスのブレア首相、日本で言うと民主党:鳩山さんとか管さんとか小沢さんとかの。が近いとwikipediaで読んだ)
・ルパン(極右)

第一回選挙で二人に絞られ、来週の日曜日に最終決戦になります。

結果は予想通り

1、ニコラ・サルコジ  31,1%
2、セゴレーヌ・ロワイヤル  25,8%

という結果です。

ニコラ・サルコジは誰に近いかといえば、日本の安部政権、アメリカのブッシュ政権寄りで、経済に力を入れて行きたいタイプ。それに治安改善のための外国人排斥発言も見られます。まぁ小泉っぽいでしょう。

対するセゴレーヌ・ロワイヤルは社会・人道派。貧しい人たちにも手を差し伸べ、お金がありすぎるところからはいただいて平等に分配。国としての経済力よりも個人の権利を守ろうという日本ではまったくはやらない主義。
なので、お金持ちの有名タレントなどはこれ以上税金取られてたまるか
という訳でサルコジを支援する向きがあります。



日本人の私などが見ると、フランスは国民の権利を守るシステムがかなりできているから

もう少し経済力の強化を考えてもいいんじゃないかな~

なんて思うんですが、移民をはじめ貧しい人は底なしにいるフランスだから

そうとも簡単にいえないのかもしれません。


比較して、日本。

もうこれ以上経済経済言わなくてもいいんじゃないか?

戦後以来ずっと右で来ていて、国(会社)も豊かになったし今度は国民(社員)一人一人の権利を

見直すべきでは?

前の職場にいたとき、このことを痛感した。



イーニゴと話していた思うのは

日本人は社会主義というものを必要以上に悪いものだと洗脳されてる。

おそらく戦後、アメリカに、ソ連と冷戦中だったアメリカにやられた。

私たちは社会主義の(この言い方がまずいんだろうな)

いい例を知らない。

そして社会主義イコール時代遅れではない。

だって、フランスの社会主義思想のおかげで

女性に対する育児支援はよく整っている。

誰も妊娠したからといって退社を考えない。

十分休みと手当てを受けたあと、同じ会社に社会復帰でき

子どもが20歳になるまで毎月補助がある。(子どもの人数によって金額が決まる)


そういえば、アメリカの弱肉強食主義は日本よりすごくて

あちらでは国を挙げての年金など退職してからの支援制度がありません。(もちろん個々の保険会社はあります)

年金を支給するためは税金として国民から徴収せねばならず

特にお金持ちからはたくさん取ることができるのですが

アメリカのパワーを持った金持ちがこの法案を通すのにプレッシャーをかけているのでしょう。

以前、ヒラリーがこの法案を通そうとチャレンジしたものの時期尚早のせいか失敗。

次のアメリカの選挙、ヒラリーも出るし

期待しています!!

とにかく

政権は右と左で交代するのが健全というもの。アメリカもフランスもそう。

なんで日本はしない?

そんなに顔が大事か?

2007-04-19 19:25:18 | 日々感じたこと
私が今ムチュウ!なシンガー。

それは Paolo Nutini!(パオロ・ヌティーニ)

名前はイタリア系だけど、スコットランド出身。

日本でも、耳にする?最新シングルは「Last request」

http://www.youtube.com/watch?v=9BFMTyApsOw



はじめて見たのは去年('06)の秋、「Star academy」というスター発掘番組の

ゲストとして出ていたとき。

声と曲と、あの自閉症気味な歌い方の虜に。ちょっとどんなジャンルか分けられない、

あの気だるげ、なげやりな様子に惹かれてしまいました。目は前髪で隠れてるし歌ってる間、いっちゃてるというか観客をほとんど見ないし。

こんなニートっぽい人が外人にもいるんだぁ、しかも歌ってる!というのが私の第一印象だったんだから。

決して、かっこいい というタイプではない。

その彼が日本にプロモーションに行ったらしく、ちょっとしたライブを店頭でやった模様。で、日本での評判は

「ルックスだけがウリだと思ってたけど、歌もわりとしっかりしてますね」

はあああああ!???

確かに日本版の写真は、こっちのイメージに比べて小奇麗でまともな人っぽい。

まともじゃないとこが、いいのに~。

売り出し方でイメージってこんなに変わってしまうのかと思った。


日本人ってビジュアルからしか、入れないらしい。

たとえば、ベッカム然り、テニスのシャラポヴァ然り。

あ・でもフィギュア男子のジュベール(仏)、顔は麗しいが変なヒトだ

っていうのは日本でもバレてきたみたいだね。でもずっと昔、長野オリンピックの頃

彼はすでに選手として出場していて、その時は日本ですごい人気だったって言うから

納得。

☆訂正!!
この長野で人気だった&実はイロモノ系という人物は、ブライアン・ジュベールではなくフィリップ・キャンデロロ選手です。
ごめん、ブライアン選手!!
長野に出るには若すぎるよね。ブライアン選手は。

片岡義男の短編と子育て

2007-04-15 18:44:07 | 日々感じたこと
私の大好きな短編小説に「サーフボードの運命」というお話があります。

片岡義男の「ミッチェル」という文庫本の中に収録されていて

なんとも言えない読後感を味わった作品。


もう大人になったある女性が

自分が少女時代を過ごした海辺の家に立ち寄って

ある晩の出来事を回顧するというお話。


~ある晩、17歳だった彼女は一人、サーフボードを持って

海に入り沖に出て、水の中に浮かびながら岸辺の明かりを眺めていた。

そのとき自分でも予期せず彼女は泣き出した。

理由は分からないまま、でもその衝動に身を任せて気持ちよく泣いた。

大人になった彼女はあの時泣いた理由をこう思う。

あの時、自分は、自分とほかのすべてのものとの間に存在する

距離に泣いたのではないか、と。

絶対的に存在していて、決して埋めることのできない距離のために。



それ以来、私は距離というものを考えるようになりました。

そしてそのことは私を精神的に大人にしたように思います。

恋人・夫との間にも、両親との間にも、子どもとの間にも

存在する距離。

そのことを意識しているとしていないとでは

生き方、人間関係の築き方に大きな差が出てくる。

私にとって子育ても一種の人間関係。

子どもは自分のお腹から産まれたから、自分の一部だ

なんて思ってしまうと迷路に迷い込んでしまう。

ある程度の距離感が、大切。

な~んて言っていて、実際産み落としたら、どんな母親になるか不安ですが・・・


一般的に、フランス風子育ては日本風に比べてドライです。

最近では母乳育児を奨励しているけど、一昔前まであまり一般的ではなかったし

子どもとの添い寝は悪い習慣と言い切ります。

ここで子育てをした日本人の友達は、最初の子は日本風に添い寝していたら

一人で寝られなくなってしまい、それを回りの人に

「育児の汚点」

のように言われたそうです。(笑)

何だか、冷たいわ。。。

と当初思っていた私ですが、そういう線引きも必要なのかもしれない

と思い始めています。

だって、子どもにも親と子の間にある距離を教えないと。

もちろん体の接触による愛情表現は大事だけど、いつもくっついている

というのとは違う。

それに、愛情表現ってべったりしていなくても他に表し方がある。

そういえば、日本ではお母さんと子どもがいっしょにいればいるほどいい

母乳も出るまであげればいい

という方針だと日本で子育てをした日本人の友達に聞きましたが

それだと切り上げ時が、非常に難しいんじゃないかと。


子どもと二人きりになった時

こんなに理性的でいられるのか?

それでも、肝に銘じておきたいことです。