フランスへの階段

変わったこと。昔は階段を一段ずつ登って行くイメージだったけど 今は一段ずつ降りて行きたい。

あいのあ・ベイビー

2011-08-11 06:56:32 | 日々感じたこと

うちにあいのあベイビーがやって来ました。

2011年6月26日に3400gでこの世に生を受け、いまぐんぐん成長中です。

名前は日本語では”あいのあ”、こっち表記ではAinhoaと書く事にしました。

ところで、出産は日本のように麻酔無しの自然分娩でした。

妊娠後期に担当医に聞かれた時、少し迷いました。

二人目だし、麻酔無し(腰の辺りの部分麻酔)で産もうかな~と。

フランスのこの病院で、麻酔無しで産む人はいるのか聞くと

いるがちょっとだけ。理由があって麻酔が使えない人達 という答えでした。

前回、麻酔の量を手元のボタンで調節できた記憶があったので

~今思えば、微弱陣痛で促進剤を使ったあまり一般的なケースじゃなかったけど~

麻酔無しでいけそうなら、自分でボタン押さなきゃいいんじゃん という結論を軽く出し

一応麻酔ありということで 話を進めました。

 

でも、そんな覚悟じゃ、ボタンが手元にあったらぜったいにぜったいに押す

という事を知りましたよ。実際。どーにも頼るものが無くなった時に。

私の場合明け方4時半に少量の破水があって、それからこちらの意に反してどんどん出産が進み

6時20分には産まれていたので、麻酔医も病院にいなかったし、いたとしても間に合わなかったでしょう。

予想外の展開に 痛みに強くいざとなったら肝が据わっている

という自己評価とはうらはらに、パニック。

頭の中で事の成り行きを整理できず、しかも真面目に勉強してないから今後の展開が見えない!

これが一番 不安でした。

ビジョンが ない。

今は 出産の この辺だという見通し。

そして、分娩台にやっとのこと上がった私に助産婦さんは

あと15分で産まれるよ とおっしゃられ

それから のたうち回る私と 目が合うと気まずそうに逃げて行く看護婦さん!

ほとんど無痛分娩の国では、看護婦さんは痛がる妊婦への対応に困っていた。

でも、変に励まされたら、怒りが込み上げて来たかもしれないので、それは良しとしよう。

たとえば、数回いきんでも出て来なかったとき

助産婦さんは私の手を取り、

「ほら、あいのあの頭よ。」と私を勇気づけるために触らせましたが

その時わたしが心中で思った事は

   だから、 なんじゃい

でした。

あの最後のいきみを言葉にすると

私が今まで感じた最高の無力感。

ぜったいに不可能で無理な事をやらされている感覚でした。

出口が無いのに

漬物石か地蔵の頭がぐいぐい降りてくる

恐怖。

私の傍らでついていたイーニゴは、普通に励ましてくれていましたがある時点で

「めぐ、あいのあちゃんも苦しいんだよ。

 真面目にやって。」

(少々いらっとしている↑)

 

まじめ...?

真面目の意味が わからなーーーい


でも、もう終わりました。

今回は あいのあにしてやられました。