めぐろのめばる

目黒川近辺で日本の四季を楽しみ、未来の日本を憂う。
かつての美しい日本と日本人がいかに素晴らしかったかを思う。

人生棄てたもんじゃない

2019-05-15 11:23:15 | 日本人

三十年以上も続けて来た仕事を辞め、新たな道を選択して五か月に成ろうとしています。
大学を卒業して以来、自分の趣味としていた事を仕事として、還暦を過ぎるまで頑張るも
遂に仕事を続けることが出来ず、多くの人が現役引退して残りの人生を悠々自適に楽しもう
とするも、そのあても糧も無く、裸一貫で社会に投げ出されるとは思ってもみませんでした。
バブルが崩壊しても10年程は、社会の不況下の影響を受ける事も無く、比較的自由で豊かな
生活を行えたものの、個人で社会の流れと戦っていくには余りにもひ弱であり、次第に
生活も貧窮し、遂には自力で仕事を維持して行く事が出来なくなってしまいました。

新年早々、私達家族は、現実社会に投げ出され、社会の厳しさを身をもって味わう事と成りました。
しかしながら、主婦として社会の中で生きていた妻は、その現実を素直に受け入れ、それまでの
生き方を簡単に捨て、新た成る道を選択しました。この点は、やはり女性の強さと言うか、如何に
男子が無能であるかをまざまざと見せつけられました。
職人の様な生活を30年以上も続けてきて、社会とは一線を引いていたことが、私に与えた影響は
まさにカルチャーショックであり、如何に自分が進化していないかが解りました。

何しろ、今年になっての初体験が、銀行、官庁、役所、更には、公的手続きであった為、まるで、
海外から数十年ぶりに日本に帰って来たような、まるで浦島太郎の状態でした。
更に身近な所では、家事に関する事、公共手続きに関する事がほとんどできず、仕事に於いては
そこそこ高いレベルに見られていたものの、その後ろ盾を失ってしまうと、殆ど無知無能の幼児
と何だ変わりません。
妻が早々と仕事を見つけた事から、妻が結婚してから行って来たごく当たり前の家事を全て代行し
これまで通り進めて行かねばならず、家事を同じように行おうとするだけでも一苦労でした。

更に、遅ればせながら、私も新しい仕事に就くと、そこは、それまで経験したことの無い、
時間とスピードが要求される世界であり、私の子供達と同じぐらいの年齢の社員に付いて行く事で
四苦八苦の状態でした。しかも、見る物聞く物が殆ど初めてであり、会社業務も手取り足取りの
無能状態であり、あまりの酷さに怒るよりも呆れている上司が殆どでした。

そんな大変な日々も少しづつ慣れ、ようやく研修期間の3か月を負えようとし、家事も仕事も
流れに沿って何とかやって行けるようになりました。
人生初体験の朝のラッシュアワーの凄さは、客観的に知っていた頃とは比べ物にもならない
過酷さと厳しさで、こんな厳しい環境で日本のサラリーマンは頑張っているのだと、
感心するばかりでした。猛スピードで列車を乗り換える乗客の流れに沿って歩くのは
まるでアスリートの中に紛れ込んだようで、会社に就く前にかなりのダメージを感じました。

とは言え、人は、どんな環境にも慣れて行くものだと肌で感じる様に成りました。
数十年も、特定の人としか仕事を行ってこなかった為、他人との接触にかなりの勇気を
必要としていましたが、毎日様々な人と面会し、一期一会の人の数に戸惑っている場合でなく
自ら接触する大切さを学び、そこから得る新たなる喜びと未来がある事を知りました。
自分の技術が将来を決めて行くような仕事を行っていた時から、周囲の人達が自分の人生を
変えていく事を知り、その厳しさと楽しさを知るにつれ、新たなる人生の喜びを感じ
ある意味、毎日がワクワクドキドキのカンフル剤を飲んでいる様に躍動的と成りました。

多くの人に囲まれて次々に新しい体験をしていくと、理屈では解っていても実際に感じる
私達は他人によって生かされれているのだと言いう事を実感する事と成りました。
良し悪しに関わらず、自らが動けば周囲が動き、そして自らに新たなるチャンスを与え
思いもしない方向に人生が向かっていく事を生で感じる日々を送れる様に成って来ました。
つまり、自分の生き方が周囲を変え周囲の反応で自分の生き方も変わって行くのです。
この事は、以前の仕事をしている時も人生の生き方の基準として良く解っていたのですが、
多くの人達との関わり合いが、如何に自分の力と成って返って来るかを身をもって感じる為
明日は何が起こるのだろうか、どんな新しい事が待っているのだろうかと言う胸の高鳴りが
日々の生き甲斐を生んでいます。

この新しい人生は、当初お先真っ暗とも思われましたが、現実には、次から次へと新たなる
発見をする事が出来、多くの人との出会いが自分自身の考えを大きく変えていく事に
成ったのです。
研修期間が終わり来月からは新たなるプロジェクトが始まります。
これまで、望む様な仕事は出来ないのではと言う不安と不信が有ったのですが、諦めず
自分自身の心と身体の準備を怠らなければ、新たなるチャンスが巡って来る事が解って
更なる想像もしない人生が待っているのではと、期待に胸膨らむ毎日が送れる様に成りました。

とかく、定年退職したり、現役を引退したりとすると、もう自分の人生の主要部分は終わって
残りの人生を健康に生きる事だけを目指しがちですが、例え社会的にリタイアしても、自分が
引退したと思っていなければ、それなりにダイナミックな人生を送る事が出来るのです。
この事は、決して高齢者に対してではなく、若者であっても子供達であっても、生きている上で
自分の人生を諦めたり思いを消し去る必要はないのです。

自らの心を信じ、新たなる環境と目的を目指せば、不思議とそれに応じて環境が変わって来て
思いを達成する様に周囲が変わって来るのです。
人生は人其々であり、誰一人同じ思いで生きているのではありません。
社会的に都合よく生きて行く為にチームワークやルールを守り、同じような行動言動を行うも
本質的な欲求は一人一人違っていて当たり前と言えるのです。
社会のマニュアルを守りつつも、自分自身のオリジナルの気持ちを失わないで生きて行く事が
いつまでも心と身体が元気で居られる方法と言えます。

ただ、一人一人思いが違うと言う事は、自分の喜びと他人の喜びは違っていて、誰もが自分自身を
満足すべく、自らの思いを大切に思っているのです。
自分の満足を考えるも、身の回りの人の満足が有ってこそ、自分の満足も叶えられる物であり
出来るだけ、関わる人達の思いを感じ助けてあげる気持ちが有れば、同じように自分の周囲から
楽しい思いを与えられる事を知る事が大切です。

今の日本社会は様々なパワハラの嵐が吹き荒れていて、如何に加害者や被害者にならないかで
多くの日本人が必要以上に神経質になっています。
確かに、人の心や身体を傷つけてはならないのですが、熱粥に懲りて膾を吹く、と言う諺に在る様に
身勝手な想像と行動は返って不自然と成って社会生活をギスギスとしたものにしてしまいます。
社会生活を送るにあたって、沢山のスキルを持ち自分の能力を高める事は大切ですが、その力は
多くの人に認められてこそ生きて来るのです。つまり、自分の言動行動が周囲の人達の心や身体を
癒す事で初めて自分の能力が認められるのです。

しかしながら、この他人に対する思いやりや気遣いまでがマニュアル化されたり、ただ丁寧に
優しく在れば周りの人は喜ぶと思って、必要以上の丁寧さや気遣いが慇懃無礼と成って、かえって
人の心を気づ付ける事も多いのです。
社会に出て、様々な方と関わって来ると、その個性の多様性に驚くばかりですが、対人的に良い
関係を築けるかどうかは、面と向かってやり取りした時に解ります。
まず目は心の窓と言う様に、しっかりと目を見て話せない方は、深く関われない方が多く、
立派な事を言っていても、全く心には響かず、お互いの信頼関係は生まれて来ません。

与えられた言葉や仕事を淡々とこなすだけで、目が上の空で有ったり死んでいる人が結構多く
発せられる言葉も、自分の頭の中のマニュアルを読んでいる様にしか聞こえて来ません。
街角でも、多くの人が他人とは関わらない様にしているのか、目を合わせる事は無く、直接
言葉を交わしても、表情は上の空の人が多いです。また、しっかりと応答してくれても、
その言葉は、仕事上のマニュアルであり、その背後に利益の期待が見え隠れする人も多いです。

様々な人が蠢いているのが社会なのですが、自分の仕事を発展させるのも、自分の思いを達成
させるのも、決して自分一人の力では無く、関わった人達からの多くのお力添えによって
思いが達成されるのです。その為には、まず、信頼関係が築けなければ成りません。
それが有って初めて、仕事が成り立ち交友関係が成り立つと言えます。
様々なタイプの人がいるにせよ、まず、お相手を心から信頼する所から始まらないと
自分自身の思いが達成でないと言えます。多くの人が自分の欲求や利益を求めるあまり
信頼関係を築けず、思い通りの人生が送れて無いと言えます。

人は、こちらが拳を上げれば同じく拳で対抗して来ます。
赤ちゃんを見ると、誰もが笑顔となります。それは、赤ちゃんが心からの自然な笑みで
私達に語りかけるからです。
誰もが幸せな人生を送りたいと思っています。幸せな人生が送れると、周囲の人達にも
幸せになって欲しいと願うものです。
自分が望む事は他人も望んでいると言えるのです。ならば、その望みを出来るだけ叶え
助けてあげられる様な人生を送る事が、自分の人生を幸せにすると言えるのです。
現代人の多くが、対人的にまず損得を考えがちであり、常に比較する事で満足度を
決めがちと言えます。

つまり、他人はともかく、まずは、自分が満足し幸せになる事を考えがちなのです。
この思いを誰もが抱いているのが、ギスギスした現代社会と言えます。
本当に、自分の思いが達成したいと思うなら、他人に対してその人の思いを
損得や比較を考えずに考えられる様に成る事が、最も楽しい人生を送れる秘訣とも
言えるのです。

 

 


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