今日は、早朝から、香しい燻製の様な匂いが漂って来ます。
そう、朝から、近くの広場で大量のサンマが焼かれているのです。
この時期になると、目黒では二か所で盛大にサンマ祭りが開かれ
早朝から何百人もの人が、周囲を取り巻きます。
先週は目黒駅の近くで行われ、今日は、目黒河畔の広場で
沢山の人を集めて一日中、秋刀魚を焼く煙が立ち上ります。
とても楽しいイベントなのですが、周囲の住宅は、この日は最悪です。
何しろ、洗濯物を干す事は厳禁です。ウッカリ干し忘れると、
大切な衣類が、燻製の様な匂いが浸み付いて、着る事が出来ません。
また、窓を開ければ、サンマの匂いを一杯含んだ白い煙が流れ込み、
部屋中に焼き魚の臭が充満し、カーテン、衣類にしっかりと染み込みます。
しかしながら、一年でたった一日であり、周囲の人達も、遠くから集まった
多くの人達も、秋の名物を楽しむビッグイベントとして待ち望んでいるのです。
もくもくと上がる秋刀魚の香ばしい匂いに秋を感じ、豊かな海の幸に感謝する
多くの人々の笑顔が、平和な日本を象徴しています。
ところで、このサンマ祭りがおこなわれている目の前には、目黒川が流れ
近くには巨大なゴミ焼却の煙突が立っています。
目黒川は、殆どゴミも流れていなくて、ただ濁っているだけの様に思われますが、
覗いて見ても、生き物の生命活動は感じられません。
汚れは少なくなったとはいえ、この川は、私達都民の生活汚水の流れる川です。
更には、横に高くそびえ立つ焼却炉の煙突は、一見、白くて綺麗な煙が
流れているだけで、青空をバックに穏やかな雰囲気を漂わせていますが、
実際は、目に見えない大量の化学物質や汚染物質を終日空間に排出して
東京の空を少なからず汚染し続けているのです。
つまり、私達は、生活が豊かになり、近代化するにつれて、様々な物が
管理者達によって隠され、目に付かない様にされているのです。
一日、目を擦るほどのサンマの煙は、目鼻を刺激するかもしれませんが、
これは私達の生活からしたら、ほんの微々たるものでしかありません。
しかし、私達が気が付きにくい川や空の汚染は、毎日確実に進んで
いつの間にか私達の健康を損ねて行くのです。
今や、私達の生活は、危険な物、見てはならないものを、極力隠し
誰もが平和で健康な生活をしているかのように作られています。
目で見えるものだけでなく、様々な情報も、私達の目や耳に届くときは
全く違ったモノになっている事は珍しくないのです。
ついに安全保障関連法案が強行採決されました。
全てのメディアが、その未来を憂うコメントや映像を流しています。
しかし、その隠された事実をすべて流す事は有りません。
秘密裏の内に、これから遂行されていく、国民の全てが関わる
重要な事項が、私達が気が付かない内に進められて行くのです。
私達は高度成長の元、日本が世界の先進国に名を連ねるべく
日本中の自然を変えて行きました。
その当時は、その進歩に目が向き、誰も大切な物が失われて行く事に
気が付きませんでした。
しかし、そのツケはいまだに日本の大きな傷跡として残っているのです。
世界でも類を見ない美しい自然は、ことごとく破壊され、美しい海や山は
生物の住めない、私達日本人の汚物の捨て場となってしまったのです。
昔から、手に入らなければ、輸入したりして、他国から手に入れれば
大丈夫と言う考えから、日本国土を荒廃させ、海の生物を乱獲し続け
挙句の果ては、世界中の食料を集める羽目となってしまいました。
しかし、もう、世界から私達の足りない物を手に入れる事は出来ません。
なのに、いまだに、他国に身を委ね、頼ることに道を見出そうとしています。
強行採決は、裏を返せば、日本の国民の為と言うのではなく、
バックの国へ対する忠義に過ぎないのです。
何時までも自立できない日本は、周辺国から敵対視されることは変わらず、
同盟国からは、いずれお荷物として投げだされるのが落ちなのです。
日本は、これから未来永劫、一体どのように生きて行きたいのかを
しっかりと示す事が出来るリーダーが生まれない限り、
国民の幸せと安心は実現する事はできないのです。