私たち人間社会は、集団で物事を進めて行く事から、
全体が上手く目的を達成する為に、全体をまとめ
正しい方向に導いていくリーダーが必要です。
その為に、多くの人々の意志を反映してくれる人材を
選び出し、彼らにその夢を託しているのです。
民主主義社会は、基本的に、民意が反映された政治が
成される事が大切で有り、大衆の思いが生かされないと
新たに選挙を行い、より優れたリーダーを選ぶことが
重要となって来ます。
世界に於いて、民主主義国家と言われる国は、国内のみならず
諸外国に対しても、多くの意見を取り入れ、国際的にも、
人々の意見を充分に取り入れた政治が行われる事が
多くの人々の生活と安全を守るとしています。
しかしながら、民主主義の総本山ともいえるアメリカ社会が
選んだリーダーは、民主主義というよりは、独裁主義とも言える
聴く耳を持たない政治を行っています。
彼を選んだ多くのアメリカ国民にしても、国内外に敵を持ったり
多くの争いを生む可能性が高い政治を望んでいるとは思えません。
これまでのアメリカが、多くの問題を抱え、解決する事に
長い時間を要して来たのは、民主主義国家の基本を守り、
国民の意見を多く取り入れ、諸外国の考えを受け入れて来た為
でもあり、決して何もしてこなかった訳ではないのです。
この事は、民主主義が間違っていると言うのではなく、
民主主義国家を継続していく過程で、多くの生活格差、
社会格差が生まれた事に依り、一部の人のみが潤う社会が
アメリカに生じたことに原因が有るのです。
多くの難民や諸外国の労働者を受け入れ、経済的に莫大な
利益を得たのは富裕層であり、海外の労働者によって
アメリカ国民の仕事が減ったというのは、アメリカが行った
経済性政策に依るのです。
安い賃金で雇える労働者を国外から大量に受け入れたのは、
大手企業が優先的に行って来た事業展開であり、その事が
アメリカ国民の雇用を減らし、更には、所得格差を呼び
国民生活の二極化を呼んでしまったのです。
国民の就業率を上げ、アメリカの経済を立て直すからと言って
低賃金で働かせていた海外労働者を排除し、独占的な収入を
計ろうとする海外事業対策は、余りにも短絡的であり、
民主主義をうたい文句にしている、合衆国の行いとしては
余りにも反するものと言えるのです。
歴史的に見ても、もっとも独占を主張する国外政策は、戦争です。
国同士が領土や資源を獲り合う戦争は、例え勝者となったとしても
長きに渡って人々の心に大きな傷を残し、国際的な修復には、
気の遠くなる様な月日が必要となるのです。
そして、戦争まではいかなくても、次に、人々を苦しめるのは、
経済的独占です。
トランプが行っている政策は、あくまで、職を奪われた国民や
経済的に苦しい人々を助ける為と言いながらも、実際は、
中国や日本と言ったアメリカに進出して来た国々を追い出し
今のアメリカ裕福層の力をより増し、アメリカ社会のみならず
世界経済においても独占を計る事に有ります。
まず、自分を支持してくれた人々を納得させ、更低迷する
アメリカ経済を上向きにすることで実績を上げ、より、
自分の地位を確保する事に有るのです。
彼が言う様に、強いアメリカを取り戻し、世界の中心となる
世界中が認める最強の国家を目指すと言うのですが、
その裏には、自分が生きている経済界のトップの座を固めると言う
自分の壮大なる欲を実現する為でもあるのです。
国民の為、苦しんでいる人の為、というなら、人道的にも許されない
移民層や諸外国から働きに来ている人々に対する理不尽な大統領令は、
あくまで大統領と言う地位を利用しているにすぎないのです。
アメリカ経済の復活という目に見えた実績を上げれば、他の犠牲は
止むを得ずと言う、まるで戦争で莫大な利益を得る死の商人と、
何だ変わらないのです。
しかし、問題は、規模は遥かに違うとはいえ、日本が、アメリカ社会を
追随している現実がある事です。
アメリカの政策を継承している日本の政治は、当然政治と一部の企業の
癒着が考えられ、これまでの大戦においても、その切っ掛けは、
経済的な問題であり、それは、庶民の生活と言うより、企業経済の復活に
合った事は事実です。
日本においても、経済的に復活すれば、国民の生活は豊かになると言うのは
あくまで、政治家の弁舌に過ぎず、国内経済の復活を一番望んでいるのは
バブル以降、経済的に成長を抑えられている企業の思惑なのです。
本当に国民の事を考えている政治ならば、これほどまで長くに渡って
一般庶民が苦しむことは無く、この間も、政府と一体となり事業展開を
推し進めて来た企業は、全くこの不況の苦しみを知りません。
アメリカにおいても、日本においても、民主主義というのは口先だけで
実際は企業主義、政治家と企業の癒着によって作られた国家と言えるのです。
そこに働く国民の多くは、豊かな余裕のある生活とは程遠く、常に明日の生活
今日の食事を考えなければならないのです。
たまたま、その実態がはっきりと表れたのが今のトランプ政権に過ぎず、
これまでも、アメリカにおいても、日本、韓国においても、政治は、大手の
企業によって操られ、国民は彼らの収入減に過ぎないのです。
民主主義国家に於いて、とても穏やかに国政が行われているのは、たまたま
その国家機密企業機密が表に出ていないだけであり、民主主義国家とは
名ばかりと言うのが現実なのです。
アメリカにおいても韓国においても、国と企業の関わりが露骨に現れた事で
世界の注目を浴びているのであって、実態は昔から変わらないのです。
日本国民もアメリカ国民も、本当に幸せになるには、便利さと豊かさだけを
生きる目的とする世の中を変えるしかないのです。
日本国民は、明治以降、欧米から入って来た消費経済政策を、数千年かけて
育てて来た、人と人との関わり合いを主体とした生き方に戻さない限り、
いつまで経っても、背伸びを強制された、いつまでも満足できない、
便利さと豊かさに振り回される日常から逃れる事は出来ないのです。