私達は、日頃、他人の評価を、独自の判断で行なう事は少なく、
周囲の方々からや、マスコミの評価を基準にしがちです。
その為、社会的に、評価が決められると、その評価をそのまま
鵜呑みにしがちで、時に、間違った判断をしてしまう事も有ります。
先日、芥川賞が決まりました。
選考された方の中に、一人の芸人がいました。
彼の事を良く知っている周囲の方々は、彼の快挙を差ほど驚く事も無く、
ただ、現実とした選考委員の評価に驚いている様でした。
芸人としての才能はさることながら、彼の日頃の行動や言動に対しては
決して賛同する人ばかりではなく、むしろ、特異な風貌と行動に
色眼鏡で見ていた人も多かったようです。
しかしながら、今回の受賞は芸人のみならず、多くの一般の方々にも
大きな驚きと成りました。
一介の芸人が、一夜にして日本を代表する小説家になった事に
周囲や世間の対応は、非常に興味深いものが有ります。
この事は、あらゆる分野で、突然秀でた方に対する対応と全く同じで、
一番顕著なのは、スポーツ等で、突然チャンピオンに成ったりすると
周囲の人々の対応が全く変わってしまい、当人が一番驚く事と成ります。
特に、以前に過小評価をされていた人や、人から嫌われていた人が
社会的に評価されると、その好感度はうなぎ上りと成ります。
私達は、いかに日頃から、周囲の様々な事に関して、無頓着であり
認識が無く、自己判断力に欠けているかが解ります。
この、大衆の昔から変わらない性質を利用して、多くの指導者や
独裁者が人々を扇動してきました。
歴史的に見ても、多くの事件や戦争に於いて、指導者たちの巧みな話術や
政策でいつの間にか沢山の方の運命を変えてしまいました。
有史以来、幾度となく繰り返される戦いの輪廻、膨大なる人々が
殺され傷付いても止む事は有りません。
私達は、新たなる出来事や社会の流れが起こった時、ただそれに身を任せ
情報を鵜呑みにしてしまう事がいかに危険であり、また新たに不幸を
呼び起こす事を忘れては成りません。
芥川賞を受賞した芸人が、今後の活動が、何だ変わらない事を主張していました。
彼は、今も以前も変わっていないのです。
私達が変わってしまうのが問題なのです。
溢れる情報の中から、未来をしっかりと見据えて、自分達の将来、更には
未来の日本人にとって一番幸せな方法は何なのか、各人がしっかりと考え
判断をしていかなければならない時代と成っているのです。