夏木広介の日本語ワールド

駄目な日本語を斬る。いい加減な発言も斬る。文化、科学、芸能、政治、暮しと、目にした物は何でも。文句は過激なくらいがいい。

近視眼的思考が日本を駄目にしている

2012年07月02日 | 社会問題
 消費税増税と原発再稼働の話ばかりで、とんと嫌になる。そこで、話は変わるが、その原点は実は同じなのである。
 東京の東部を東西に繋ぐ運河がある。徳川家康が開かせた小名木川である。私の住んでいる所での話だが、小名木川の両側には一車線の一方通行の道が川に沿ってある。この小名木川を横切る片側三車線の幹線道路が造られる事になった。東京オリンピックの後の話だから、そんな昔ではない。持っている昭和39年の区分地図帳にはまだその道路は無い。そして小名木川の両側にある道路は、その地図には南側にしか無いし、もう少し新しい地図では北側にしか無いから、どうも良くは分からないのだが、現在は両側にある。

 さて、新しい幹線道路は何よりも優先されるはずだと思う。これからを担うのである。だから、川沿いの道を一時通行停止にして、新しい道路を造ると思う。ところが、この幹線道路はその両側の一車線の道に遠慮するように、その上をまたいで建設されたのである。従って、川の北詰と南詰で道路は坂道になる。現在、自転車ではとても上り切れないほどである。
 しかも、川の両側の道との出入りを妨げないようにと、連絡用の道を造っているから、三車線道路が、橋の上だけ二車線になってしまった。だから、常に渋滞が起きている。
 この幹線道路の東西にある二つの幹線道路はそんな馬鹿な事をしていないから、川の両側の道との連絡も出来て、しかも急勾配の橋などではない。

 何でこんな事をしたのだろうか。改修するとの話を聞くが、一向に現実にはならない。一旦造ってしまった道路を大幅に改修するのはとても大変だ。その間、現在の交通はどう処理するのか。だから最初が肝腎なのだ。
 そしてよくよく考えてみた。小名木川の水運を利用して、川沿いに大規模工場がたくさんあった。水運が道路での輸送に変わり、だから、川の両側の道路は生命線だったのかも知れない。そこで、一時的にも通行止めにする事は出来なかった。
 現在は、それらの工場はすべて移転して、その跡が大規模団地などになっている。

 結局、一時的な事だけを考えて、将来を見ないから、後で困る事になる。日本橋の上に架かる高速道路にしても同じだ。今頃になって、高速道路を地下にして、日本橋の景観を取り戻そうとの計画があるが、これも最初が肝腎だったのだ。

 今、原発の再開や消費税増税が現実となろうとしている。これらが、緊急の事態だと政府は言うが、それは単なる自分勝手な言い分に過ぎない。特に原発再開は、電力不足の嘘を流し、国民を騙している。
 私は家の窓から、不便なこの幹線道路を毎日見ているし、どこかに行くのに必ず川を渡らなければならない環境だから、どうしてもこの馬鹿げた道路橋が気になってしまう。つまり、政府が今やろうとしている事の結果も、このように現実に見る事が出来るなら、話は簡単だ。でも、その結果が見えては本当は困るのである。
 だから、結果が見えてしまう、その前に何とか食い止める必要があるのだ。