南極老人からの星空への招待

かほく市天文施設での出来事や星の会の活動ならびに星にまつわる話

天体写真はナチュラルか?

2017-12-17 | Weblog
従弟に写真家がいる
以前フイルムメーカーに勤ていたが
辞めて町の写真プリント屋をやっていた
今は辞めて芸術家を本業としている
肩書は現代美術作家である
写真を加工して作品を作るのである
日本ではあまり評価されずヨーロッパのコンクールに応募した
そこでは高い評価を得ている
しかもフランスやイタリア、スペインである
その実績のおかげか日本でも評価されつつある

写真とは一般に風景写真かポートレートである
そして風景写真は加工しないのが好まれる
しかしこれらは全く自然と同一かと言えば異なる
光がレンズを通過した時点であるいみ加工である
フイルターを取り付ければまたそれ自体加工である
プリントの段階でも明るさや、色調整で加工している
写真とは加工そのものである


天体写真もまたある意味加工そのものである
望遠鏡で覗いても色がない薄いガスを
長時間露光し、さらに赤外線領域も映しみ、形や色が現れる
また全く見えていないものを、カメラの能力以上に映しこむ事によって見えてくるものもある
電波望遠鏡で得たデータは肉眼で見えないが
あえて色を付けて可視化する事もある
ダークマターも全く見えないが、重力レンズでその位置を掴むことが出来る
そしてその範囲を合成で可視化する場合もある
ただし全く無いものを合成で映しこむのはおかしい事だ

しかし天体写真は神秘的で美しい
それは一般に見慣れていないない絵だからだ
風景写真も人があまり行かない場所や時間での撮影が好まれるのと同じだ



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