即席の足跡《CURIO DAYS》

毎日の不思議に思ったことを感じるままに。キーワードは、知的?好奇心、生活者発想。観る将棋ファン。線路内人立ち入り研究。

かなり深刻なコンプライアンス病の蔓延

2011年10月21日 00時52分46秒 | 雑感
最近の川島さんの記事、らーめん、つけ麺。

この記事のテーマは、ラーメンの話でなく、文字表記に関することです。
川島さんは商売柄もあり、これ以外にも過去たくさん表記方法や言葉使いについての記事を書かれてますね。以下、ほんの一例。いや、三例か。
文字使いへの配慮。
言葉の選び方。
若者なりの言葉のバリエーション。

そして、それに刺激されて、ssayさんが、「ことば」へのこだわりという記事を書かれました。
(最近僕よりもずっと更新頻度が激しいな。暇になったのかな?

僕も、結構うるさいというか、最近の特に若い人たちの言い方には違和感を感じたり、ついていけなかったりしています。

そこでこの記事。
「ご被害者のみなさまへ」と送った東電の言語感覚
「~させていただく」言葉が社会をゆがめる
思わずひざを打つ。

さすが東電、「ご被害者の皆様」はないだろう。
どんどんへりくだろうとしたのだろうけど、墓穴掘ってますね。
(全然関係ないけどいわゆるお嬢様の「おにんじん」「おかぼちゃ」「おまくら」などなんでもかんでも「お」をつけるのを思い出した。)

部分的に引用「させていただきます」
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マスコミの世界ではいまでも「~させていただく」のオンパレードである。テレビではタレントが「○○番組に出演させていただきました」というのは当たり前。別に許可もいらない取材でも、報道番組の司会者は「取材させていただきました」と言う。

 サッカー選手が「私もあのグラウンドで蹴らさせていただいたことがあります」と言ったのを聞いたことがある。前宮崎県知事の東国原英夫氏が、都知事選への出馬を取りやめた際、「出馬させていただかないことにしました」と言ったのには驚いた。

 そしていまも、テレビに登場する政治家がことあるごとに、「~させていただく」を使っている。どういう言葉を使おうがもちろん自由だが、やはり気になる。ではなぜ、これだけ「~させていだたく」に象徴される過剰な敬語が氾濫するのか。

 とにかく表向きへりくだっていれば文句は言われないだろう、という気持ちの表れなのか。その理由をあれこれ考えてみると、いまの社会のある種病理のようなものが見えてくる。
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ほんと多いですよね。
「~させていただく」に限らず、「~してもらっていいですか」とか、「~の方は切らしております」「お名前様を頂けますか?」などなど限りなくあります。

この記事で挙げられている「~させていただく」のその他の例。
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工事責任者は「すいませんが、工事で大きな音を出させていただくので~」と言った。

現時点での会員数を報告するとき、「会員数は1万2000人とさせていただいています」と言った。

「ただいまより~、タイムサービスとして~、○○を30%引きとさせていただきます!」

「私としてもそれを防衛省全体にしっかりと届くように、幹部の方から末端まで指示をさせていただいたところであります。」

「それも含めて確認をさせていただきたいと思います。基本的に我々としては『今、飛んでくるかもしれない』というときに、そういったことを確認するということはかなり難しいところもありまして、皆様方にお叱りを受けるかもしれませんけども発射のための情報収集などに対してもう少しお時間を頂きまして、集中させていただいた中で、その後に今回のミスを検証させていただきたいと思っているところであります」
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世の中どんどん言葉も含め変化しているわけだから、正確にこれは間違いとか言い難くなってきているのは事実。

そして、上記の記事はこのように結んでいる。
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「~させていただく」については、深澤氏は「~一番イヤだと思うのは、この言い方には『自分が選んでいるわけではない、受け身である』とアピールしているところを感じるからです」と苦言を呈する。

 「私、○○さんと結婚を前提におつき合いさせていただいているんです」を例に取って、丁寧な感じはあるが、「どんどん『当事者性』がなくなり、責任主体を遠ざけている感じがどうしてもするのです」

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「言葉は社会の鏡」という。

今、社会全体がモンスタークレーマーにびびっちゃっておかしくなっている。
すぐに文句言う。
言いがかりつけられて問題になる。
つまらないことに対処するのも大変なので、できる限り問題が起きないようにする。
どんどん事なかれ主義になっていく。
少しでもリスクのあることは目一杯避ける。
安全第一。
細かく配慮して、そういう規定を作って、何事も支障ないように、問題起きないように、できるだけ穏便に済むようなしくみを作る。
そのためには必要以上に謙虚に、腰を低く、どんどん低姿勢になっていく。
どうやっても揚げ足すら絶対に取られないように、神経過敏の極致で、
(実際は舌出しつつも)丁寧に誠実にひれ伏して、誰にでも少しでも卑屈にまでも好かれるようにする。

これはもう瀕死の重症です。

私は責任ないですよ。
どこも悪くないですよ。
文句言ったりしないでくださいね。
私、言われたことをただやってるだけですから。
いえ、たまたまこういう係りをやってるけど、ほんと偶然やらされてるだけだから、クレームとか言われても一切関係ないですよ。
もしなんか問題起きたら、私はすぐに首になるし、うちの会社だってつぶれちゃいますよ。
だからお願い。たのんます。

誰もが責任を取りたくない、取らない社会。
ビジネスも政治もメディアも『当事者性』を失っていってる。

『大丈夫、俺が責任取るから、そこは思い切ってこうしよう!』
とかいう奴どんどんいなくなってる。

以前も天下の悪法と言う記事で書いたのだけど、
これはまさしく、
一億総コンプライアンス病です。

こんな酷い現代病が、多くのご患者さまたちに多大なるご迷惑をおかけし、全国的に蔓延させていただいてます。

なかなかエキサイティングなこの現代社会の中で、
皆様方の厚いご支援のお陰をもちまして、
なんとか末席を汚して生き延びさせていただいてます、はい。 
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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
遅くなりました。 (nanapon)
2011-11-27 17:39:37
川島さん、こんばんは。ちとご無沙汰してます。
来月、日程合わずにせっかくの機会なのに残念です。

>私のブログへの一気に3本のリンク、ありがとうございます。自分の記事を、懐かしく読ませていただきました。いや、素直に「読みました。」

いえいえ。どういたしまして。たくさん書いてますよね。僕もそうですけど、それだけ気になってますよね。(「ねっ?」って言うな。)
と、どんどん気になることが増殖してくる。(笑)
次回は、言葉使いに気を遣いながら、指摘しつつ飲みましょうか?
「あれれ、待った!川島さん、今の言葉ちょっと変じゃないですか?」なーんて。
うれしく読まさせていただきました (川島孝之(表参道の小さな広告屋から))
2011-10-22 22:46:40

私のブログへの一気に3本のリンク、ありがとうございます。
自分の記事を、懐かしく読ませていただきました。
いや、素直に「読みました。」

お役に立てて(笑)うれしいです。
こちらは自分の記事を、山のように校正したくなりましたが。

「言葉使い」については、悩むこと、間違えてしまうこと、
山のようにありますね。
(「ね」って、同意を得るような書き方を安易にするな!)

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