歩を「と金」に変える人材活用術―盤上の組織論羽生 善治,二宮 清純日本経済新聞出版社このアイテムの詳細を見る |
この本の感想、第8弾です。
本当にたくさんの心に残る部分がありますね。
二宮さんの言葉。
「将棋と柔道は学校で必須科目にした方がいいと思う。
柔道からは礼節を学べ、将棋からは、判断力や決断力を学べる」と。
今の日本人に特に欠けているこの二つの要素を小さなうちから身につけさせるべきだ、と。
羽生二冠の言葉。
「将棋は自分の選択がどういう結果を生むのか、ものすごくはっきり自分に返ってくる。
いい手を指せば優勢になるし、悪い手を指せば必ずしっぺ返しを食わされる。
一般社会ではもっといろんなことが複雑だったりするから、こんなに明確に結果が自分に跳ね返ってくることはない。
そうなると、決断を見直すことも、反省することも、向上させることもない」、と。
将棋は、判断することの大切さを学べる貴重なものだ、と。
政治家は問題を先送りばかりしてるし、ビジネスの世界も含めて、現代の日本人は特に決断が苦手。
一手一手の積み重ねが最終的に結果となって現れる将棋は、現代日本にとって、判断や決断のいいトレーニングである、と。
ビジネスの世界においても、あの判断は正しかったのかどうか、間違っていたのかどうか、シンプルには結果は出ないし、非常にわかりづらい。
『将棋は決断の連結決算』という、二宮さんの言葉。
いいですね、この言葉。
あの判断(指し手)が、勝因だった。
あの決断(指し手)が、勝勢だった局面を一気に覆した。
と、対局後に検討すれば(上級者に聞けば)、明確にわかるわけで、
その時自分はどのような判断をすべきであったのか、答えが出る。
(もちろんプロでも難解な部分はあるけど。)
そして、僕の好きな言葉、『それもまた一局』、ということもある。
仕事や日常生活において、どれだけ真剣に重要な判断や決断をしているか。
適当に、いい加減に、
ま、こうしとこうか、こっちでいいや、
一応こうだよね、とりあえずこうしておこう、
ってことしかしてないような気もする。
一手一手の重み。
貴重な人生の一コマ一コマ、かけがえのない時間。
そこで自分はどういう判断をし、そのことがその後の自分の人生にどういう影響を与えたのか。どんな結果をもたらしたのか。
そんなことを考えると、今、指さねばいけない次の一手について、もっと真剣に先を読み、大局観の中で、真剣で冷静な判断を積み重ねていかねば、と考えさせられました。
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