マトリックス.10

※初めての方はこちら「プロローグ」、「このblogの趣旨」からお読みください。

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【chapter.12／現実の世界】


「マトリックスの正体を見せよう。少し我慢しろよ。」


後頭部のジャックに、プラグを接続されるネオ。

Σ（＞д＜：） 　ウッ！

そして目の前に現れたのはテレビとソファだけがある、真っ白な空間。


「君は今、プログラム（自我・固定化された思考パターン）が作り出した、仮想世界の中にいる。」

「プログラムの中にいる？」

「信じられんか？今の君の姿は、マトリックスにいた時の記憶が映し出した残像だ。」

「これは…現実ではない？」

「現実とは何だ？明確な区別などできん。五官で知覚できるものが“現実”だと言うなら、それは脳による“電気信号の解釈”にすぎん。」

上記は以前ご紹介したとおり、「般若心経」に通じるセリフです。

「プログラムの中にいる」とは、「洗脳されていることに気付いていない」事を表しています。


「神経相互作用が作り出した虚像の世界…マトリックス。君は（社会というシステムが作り上げた）空想の世界にいた。これが今存在する現実の世界だ。」

テレビのブラウン管に映し出された映像は、まるで「北斗の拳」を思い起こさせるような荒廃しきった地球の姿。


「ようこそ。現実の…不毛世界へ。」


これが世界の進歩！　科学の恩恵！！　文明の発展！！！

そのかけ声、世紀の発明と共に大きく成長した人間社会と、複雑多様化した社会システム。

あらゆる分野でのオートメーション化、医学の発展、コンピューターによる情報化社会…。

多くの発明や偉人達の功績に、現在の私たちは確かに多くの恩恵を授かっています。

長時間の停電にでもなったら、そりゃもう大パニックです。機械なしの生活なんて、今や考えられません。

いくら世の中が「時代はエコだ！」と騒いでも、結局文明の利器を手放す生活は選択できずにいます。

こんな時代でも、「エコバッグ」を“大量生産”しているのは、相変わらず「工場」なのです。


いえ、科学や医学、経済の発展を否定するつもりはありません。僕だって、毎日たくさんの家庭家電に囲まれて生活しています。病気になれば医療機器に助けを求めます。パソコンがなければ仕事だって出来ないし、こうしてブログを綴ることもできません。

否定も拒否もできません。

だって、「発展」によって築き上げられたものの多くには、「安定したライフライン」が含まれているのですから。

ただ…

これまで「よし」とされてきた「発展」の意味を、真剣に考え直さなければならない所に来ているのは事実です。

地球温暖化による異常気象、世界各地で起こる戦争や紛争、発展途上国における飢饉や飢餓、先進国における経済や金融の破綻、治療法のいまだ見つからない疾病、グローバル化がもたらす格差と貧困、なくならないテロ、あるいはそれらによって疲弊する心と体…。（あ、これ「ニューアース」のセールスコピーだｗ）

“荒廃した不毛世界”

それらは確実に、今わたしたちの目の前にあるんです。

人間は自らの手によって“青空（平和）”を覆い隠してしまいました。


「人間はコンピューターに頼って暮らしてきた。“運命は皮肉”としか言いようがない。」

…

さて、場面はマトリックスの構造説明に移ります。


「果てしなく続く巨大な発電所。人間は“誕生”するのではなく、“栽培”されるのだ。信じられなかった。あの光景を見るまでは。死体を液化し、生きた人間に栄養として注入する。その冷徹なまでの正確さを見ながら、それが真実だと実感した。」



これ、僕は「輪廻転生」の仕組みを説明したものだと思っています。

「自我」を持ち続ける限り、正確な“法則”に則って運営される輪廻システム。

「生まれ変わり」は喜ぶべき事ではなく、単なる「苦」の連鎖。

そして、その連鎖を生むエネルギー源が人間の生命エネルギーそのもの。

「自我」はそのシステムにおいてのみ、生き続けることが可能なのです。


「マトリックスとは？」

「支配だ。コンピューター（固定化された思考）が作り出した仮想世界。その目的は人類を支配し、姿を変えることにある。“電池”だ。」

「嘘だ。絶対信じないぞ。」

「認めたくない話だが…、真実だ。」



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