「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

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埼玉県三郷市の小学校でセシウムが89万Bq/㎡を超えて、チェルノブイリの強制移住地域に。

2011-07-05 17:11:29 | 福島第一原発と放射能

 チェルノブイリの避難区分から考える。

 問答無用で強制避難をさせるエリアはセシウムが148万Bq/㎡以上の汚染地域になる。

これより下で55万5千Bq㎡でのエリアは強制移住、義務的移住ゾーンになる。

これより下で18万5千Bq/㎡までのゾーンは希望移住ゾーンといわれる。

さらにこれより下で3万7千Bq/㎡は放射線管理区域になる。

 今回、1キロ当たり1万3812ベクレルの放射性セシウムを検出したのが、埼玉県三郷市の小学校の土壌。神戸大大学院の山内知也教授(放射線工学)による。これは1平方メートル当たりに換算すると、原子力安全委員会の換算では、65をかけるので、89万7,780Bq/㎡になります。これだと、強制移住というか、移住すべきゾーンの数値になります。首都圏のホットスポットといわれている、松戸、柏、三郷などのいわゆる東葛地域でも、ここまで高い数字が出たのは、はじめてです。チェルノブイリの時に、住民が希望しても留まれない地域の数字が、三郷でも出ている現実を噛み締めて欲しいと思います。この数字は首都圏では、もちろんはじめてのレベルです。

とにかく、首都圏は、特に東側は猶予がありませんし、全域で危険な状態です。1キロあたり、数千Bqを超える場所は、首都圏東部では、まったく珍しくありません。私は、退避する事を強く主張します。

ある程度被曝しているエリア(首都圏も入ります)の人、特に子ども、妊婦、妊娠可能な女性は、被曝線量の低い場所に退避すべきだと僕は思います。優先順位は「避難する」ことです。僕はそれしか言う事ありません。慢性的に被曝することは避けるべきですから、できる限り早く退避することをすすめます。 

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福島第1原発事故を受け、市民団体「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」など6団体は5日、福島市内に高汚染地域が広がっているとして、避難区域の拡大などを求める声明を発表した。
 6団体は6月下旬、神戸大大学院の山内知也教授(放射線工学)の協力で、福島市内で放射線量を測定。同じ地区の複数の地点で毎時3.2~3.83マイクロシーベルトを観測した。
 山内教授は「高線量がスポットではなく、面として存在している」と説明。土壌調査では、最大で1キロ当たり4万6540ベクレルの放射性セシウムが見つかったという。
 6団体は「チェルノブイリ原発事故での『移住の義務区域』に匹敵する」と主張。政府が緊急時避難準備区域の解除や縮小を検討していることに反対し、「逆に広げるべきだ」と訴えた。
 また、山内教授は埼玉県三郷市の児童の保護者らから依頼を受け、市内の小学校周辺も調査。市の測定で毎時0.15マイクロシーベルトとされた小学校脇で、同1.86マイクロシーベルトを観測した。ここの土壌からは1キロ当たり1万3812ベクレルの放射性セシウムを検出。東京都内の清掃工場で出た焼却灰の同9740ベクレルを上回った。
 山内教授は土壌に含まれるセシウムが雨で流されて堆積し、濃縮したとみており、「まだ一例だが、他都県でも同様の所はあると考えるべきだ」と指摘した。

(時事通信より)

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39 コメント

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Unknown (サヤマ)
2011-07-05 18:31:54
http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2011070500588

http://dl.dropbox.com/u/23151586/110705_fukushima_dojoosen_yamauchi_report.pdf

山内教授の計測結果ですが、上の2つの資料を見る限り、セシウム137とセシウム134を合算してますね。チェルノブイリの避難区分は基本的にセシウム137で判定されてます。そもそもこの区分自体、事故後5年後に設定されたものなので、そのときのチェルノブイリ近辺のセシウム134は事故直後の20%以下になります。

ですから、この記事はミスリードだと思いますよ。
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怖すぎる… (都内在住3)
2011-07-05 19:18:58
木下さん現在も毎日ブログを更新してくださって本当にありがとうございます。
まだ東京東部におります…

先週のETV特集で第五福竜丸の乗組員の方が、数年後に結婚して、そののち産まれた第1子が奇形児だったと語っていました。
男性も注意が必要と思いました。

被爆後から、次々と命途絶える乗組員たち…
被爆後からたった3年で東海村で原発が動き出したこと…
泣きそうにもなり、祖国に落胆もしました。

反原発ブームの中、原発推進に一気に流れを変えたのが、アメリカの思惑にまんまと乗った読売新聞の正力だとテレビは説明しました。
私の目にはアメリカに日本を売った売国奴に映りました。

正力から始まり中曽根たちに好き勝手やらせたのも、国民。
内閣官僚東電も、目を光らせて監督するのは、どこかの官庁の役目ではなく、成人国民全員の義務なんだな…と痛感しました。

私を初め、多くの国民は考えようとせず、責務を果たしてこなかった結果が、今の日本を作ってきたんだと思います。

人間は弱いもので誘惑には負けてしまいます。
ある一定の価値観をキープして、甘い誘惑があっても、その価値観で物事を判別できる大人が増えていかないと、この国は外国に骨抜きにされて、体のいい植民地になってしまいます。
(もう半分なってる感が)

国民で共有できる一定の価値観とは「道徳」ってやつなんでしょうか…?
今の日本は自国に厳しいというより、無関心/他人事という感じがします。
つまり薄情なんですかね。

日本は情深く自分に厳しく他人に優しく素敵な国であって欲しいです。


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現代ビジネス (Unknown)
2011-07-05 19:40:31
もっと細かく全国1000ヵ所を独自調査
列島縦断 放射能はこんなに出ている
想像以上、汚染地域は日本各地に拡がっていた
実測数値を全掲載〈前編〉
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/10705
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Unknown (調べないのは自分の責任)
2011-07-05 21:25:26
数値を少し調べれば今ではもう沢山出て来る、国とかそういう問題ではない。
逃げろ
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Unknown (Unknown)
2011-07-05 22:51:16
福島県ではガイガーカウンターが不足しています。
今再優先すべきは福島です。
今予約している他県の方は一度全てキャンセルすべきではないでしょうか。
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Unknown (よっぴ)
2011-07-06 02:25:40
福島でガイガーカウンターの不足は
深刻かもしれませんが、首都圏の人も同じく不安なはずです。現にこうして強制移住地区なみの数値が出ているのですからお母さん方はいたたまれないでしょう…。
こうして数値が出てるのも一般の方やこうして協力して下さる方が発表したもので
政府発表のものなど誰も信用していません。通常の販売価格の数倍にも値段が上がっても独自に購入される方が多いのはそのためです。
福島優先で他は全てキャンセルせよというのは違うと思います。
自分の子供の為に必死なのはどの親も同じではないでしょうか。
福島以外の人間は購入のキャンセルせよと求めるより、政府にきちんと正しい線量を発表し、避難させるべき子供や女性をすぐに助けよと働きかける事が何より優先ではと思います。
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三郷ってそんなに高いのか (Unknown)
2011-07-06 03:50:58
1.86マイクロシーベルトとは三郷ってそんなに高いのか、とびっくりしました。

発信元の「放射能から子ども達を守ろう みさと」を読むと、市の測定値で 0.15μSv/h と報告された小学校の正門付近の土壌から観測されたようですね。また測定した山内教授の報告書(同会のページにはアップされていない)の題名は「埼玉県三郷市における放射能汚染レベルと放射性セシウムの局所的濃縮」とあるので、雨樋や排水溝など小学校の正門付近の土壌にセシウムの局所的濃縮があったということでしょう。報道の「土壌に含まれるセシウムが雨で流されて堆積し、濃縮した」もそれを裏付けています。

一方同会のホームページには三郷市の線量マップ(定点観測及びたくさんの観測点の結果)があり、毎時1.86マイクロシーベルトが観測されているところは他にはないようです。0.1から0.4あたりの値が多いのでやはり局所的に濃縮しているということでしょう。

こういうところはむしろさっさと除染あるいは土壌の入れ替えをしてしまった方が良いと思います。今回は学校なのでなおさらですね。

なお、チェルノブイリの区分については、セシウム137で区分されており今回の測定がそうでないのはサヤマさんが指摘しているとおりですが、さらにいうとチェルノブイリの区分は広域を大規模測定で区分している(日本では文部科学省がやったような航空機による測定)ので、本来であれば三郷であっても平均的な汚染値と比べるのが順当です。なぜならチェルノブイリの区分はその区域の平均を示しているので、中には区分値よりも高いところがいくらでもあることが想定されるからです。

チェルノブイリは事故直後に30キロ圏内の人は避難されましたが30キロ圏外の方は3年間ほぼ放置されました。3年経って広域の汚染が明らかになり(汚染地域に住み汚染された食料をずっと食べてきたので)大問題となったのです。サヤマさんの5年後の測定というのはそういうことを指しています。

都内在住3さんの指摘の第五福竜丸の船員さんの被曝量は「乗組員23名の2週間で受けた被ばく線量は、個人により異なるが外部被ばく線量は少ない人で1.7-2.2Gy、多い人で6.6-6.9Gyと評価された」とされているようです。Gyはシーベルトに読み替えられます。彼らは死の灰といわれる白い灰を直接かぶっています。日本に戻って調べると51.8ギガBq/gと高濃度の汚染灰だったそうです。

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Unknown (健康被害が懸念されるのなら避難なんだろうな~。)
2011-07-06 06:18:04
チェルノブイリの事故結果はあくまでも参考にして、少しでも子供たちに健康被害が出る可能性があれば、避難なんだろうな~。

しかし、国は経済、補償のことしか考えないから国民は守らないだろうな。

国民は仕事、家、家庭、学校があるのに、どうすればいいの。。。

忍耐のみ?
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犯罪的な安全デマ (エスケイピー)
2011-07-06 07:46:42
今朝のNHKニュースで柏、松戸等の汚染の話題を放送したのですが、
首都大学の教授が出てきて、この期に及んで「年間100ミリシーベルトを越えなければ影響は出ないと言うのが“専門家の一致した見方”。」と
とんでもないデマを吹聴していました。

首都圏汚染を矮小化する目的で、初めから結論有りでこの教授を連れて来たのでしょう。
汚染を知る人が多くなり鎮圧を図ったのでしょうが公共放送にデマは許されません。

こんな局に受信料を払う必要が有るのだろうか?
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忍耐のみ? (okama)
2011-07-06 09:48:18
忍耐のみ・・そして死や障害を待つのみ? が確実だったら、正当防衛という手段があります。
百姓一揆や、うちこわし・・の歴史もあります。
怒りが臨界に達すれば、そういうことも。そしてそれは正当防衛です。
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