大阪・茨木の講演会は、定員160人が満員になりました。いろんなご意見はありましたが、大阪での瓦礫を受け入れないという強いスタンスで、会場の意向は固まっていた気がします。会場では、いろんな形での今後の活動について、講演会の後も一時間近く、参加者のみで討議が続きました。とてもよかったと思います。ようやく、大阪でのこうした活動に強い実態が伴った動きになる感じがしています。
放射性物質に汚染されていない土地を、なんでわざわざ汚染させるのかという、根源的な問いかけに、僕はきちんとした回答を有する人は皆無と思います。東京のように汚染された場所で燃やすことと、大阪で燃やすことはまったく異なります。大阪北部で、瓦礫処理反対の声が、自治体からも強まっている中で、茨木市が間違って受け入れないようにしなければなりませんし、こうした声の大きさが、大阪市の橋下さんの心を包まなければなりません。
放射性物質に汚染された瓦礫は基本は汚染された場所、現地で、処理するのが原則です。陸前高田の市長が言うように現地に処理プラントを作っておこなうことも、ひとつの提案としては、十分検討すべきと思います。むしろこうしたことを、西日本が支援したほうがよいと思います。枠組みを作ればよいだけです。地元にとって経済的なプラスも生みますし、ほかに汚染されたものを持ち込まないようにすることが大切です。
バグフィルタで完全にとりきれることは、ほとんど妄想です。95パーセントから97パーセントくらいは取れるかもしれませんが、高温でガス化したセシウムなどすべて取りきれません。数パーセントでも、何十トンもの放射性物質が付着した瓦礫を処理すれば、環境下に放出される放射性物質の量は尋常なものではありません。これを避けるようにするのが、基本的な考え方であって、こうしたことを推進しようとする感覚は、愚かとしか言い様がありません。
クリアランスレベル以下(100Bq/kg以下)のものであっても、量が大量であるなら、総量で環境下に放出される放射性物質の量は、尋常な量ではありません。そもそも、クリアランスレベルは、少量どうしても処理をするしかない放射性物質を含んだものを、やむをえなく焼却する仕組みについての規制であって、こんなに大量の瓦礫、それも放射性物質に汚染された瓦礫の処理をおこなうことを前提にした話ではありません。
さらに放射能の検査会社ともよく話しているのですが、瓦礫のごく一部の汚染度を検査することはできても、瓦礫全体の汚染程度を本当に正確に計測することは、どうやっても不可能だということです。瓦礫のごく一部を、運んでNAIシンチレーションで計測して計ることはできますが、現地でそのまま正確な数値を出せるものではないため、瓦礫の全体というか、ほとんどの部分で、汚染程度は特定不可能です。「おそらく、本当にごく少量計測したデータで、全体の汚染程度をある意味勝手に推測しているしかできない」ということです。こんなあいまいな汚染状態のものを燃やすことそのものが理解できません。
いずれにしても、汚染されていない土地では「人を受け入れる。ガレキはうけいれない。」が基本原則です。さらに大阪の判断が、日本の未来を大きく変えることとなると、僕は思います。皆さんの頑張りが、日本を支える根幹です。ガレキを燃やすことは、何の未来にも通じません。会場の大半の人々が、市民運動に参加経験もなく、特定政党の関係者が皆無という状況です。こうした流れを橋下さんがうけとめられるのかどうかに、日本の今後は懸かっていると僕は思います。
追記
東京で放射能ガレキを140トン焼却したら、最大で2440Bq/kgのセシウムが、灰から出てきたそうです。やっぱり尋常な量ではありません。非汚染地で焼却はしてはいけません。大阪以外では石川県輪島市は要注意です。岩手より汚染が大きい、宮城のガレキの焼却も検討していますから。
2/3の講演会の開催都市を出雲→松江に変更しました。
開催施設も変更。日時はそのままです。よろしくお願いします。
2/3(金) 【木下黄太講演会IN 松江】
日時 2月3日(金) 18時~受付
18時半~20時半
会場 / 「松江テルサ」会議室
松江市朝日町478ー18(松江駅北口徒歩一分)
http://www.sanbg.com/terrsa/access/index.html
参加費/600円 駐車場/有
主催 山陰放射能汚染を考える会
要予約 →tukichan530@docomo.ne.jp
電話(08053063754)雨宮
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2/4(土) 【木下黄太講演会IN 米子】
米子での開催は場所・日時ともそのままです。
日時 2月4日(土)
13時半~受付
14時~16時
会場/米子市明道公民館(鳥取県米子市東町124)
駐車場/近隣の市役所の有料駐車場をご利用下さい 参加費/600円
主催 山陰放射能汚染を考える会
要予約 →tukichan530@docomo.ne.jp
電話(08053063754)雨宮
多くを語るつもりはありません。
大人達はその事だけを実行して下さい。
法律では 100Bq/Kg以上は 放射性廃棄物、暫定基準値の8000Bq をも大幅に上回る汚染!!
まあ 東京は既に どうしようもなく汚染されているので今さら騒いでもしょうがないけれど 大阪は断固阻止しないと 日本の首都がなくなってしまいます。
ガレキ処理で大阪が汚染されるのを防ぎましょう。
が、3.11以前の輸入食品の基準値は「毎日食べるものではない」ことを前提に370Bq/Kgと高かったのが 3.11以降 国内基準値との整合性が合わなくなったので 輸入食品の検査自体が廃止になり 事実上 基準値がなくなってしまったことを忘れてはならない。
それ以前でも高い数値だったことを考えると「輸入食品だから安心」というのではなく 毎日食べるものについては1度 検査機関で測定する、特に粉ミルクや離乳食については 信頼できるメーカーの物であっても 以前の基準値であるかもしれないので 0なのか 369Bqなのかを知っておく必要がある と思う。
木下さんは、小出先生の瓦礫受け入れの考え方についてどう思われますか?
私は、放射性瓦礫に関してはエントロピーの法則から見ても拡散すべきでないと思っています。
しかし、小出先生は、受け入れて燃やした後、その焼却灰を東電に返せと必ず講演会で言われます。
バグフィルターだって100パーセントは取りきれないのですから無理なはずなのに、ずっと言っておられます。私は総論としては小出先生を強く支持してますが、瓦礫に関しては納得いかないのです。
木下さんの「人を受け入れる。ガレキはうけいれない。」の基本原則に賛成します。
木下さんは、小出先生の意見をどう思われますか?
ご存知の方もいると思いますが、1/30にアメリカ・イリノイ州・バイロン原発で外部電源喪失、放射性物質トリチウムを含む放射性ガスが放出されました。
http://www.47news.jp/CN/201201/CN2012013101001245.html
今度はそれに続き、同じく米国カリフォルニア州サンディエゴにある、サン・オノフレ原発でアンモニアが漏れる事故があり、放射性ガスが放出されたのでは? という疑惑もある様子です。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/111102/amr11110221440008-n1.htm
アメリカでは昨年6月にもネブラスカ州・フォートカルフォーン原発が洪水に遭い、冷却装置が一時停止する事故がありました(レベル4とも言われた)が、いずれも大きく報道されず、米国マスコミの反応は日本同様、「心配ない」でした。
海外避難を考えている方、個人的にはアメリカはおすすめできません。過去の事例から鑑みて、日本同様、原発に深刻なトラブルがあっても隠すでしょう。できれば南半球がいいと思います。
また、念のため、アメリカのミネラルウォーターはしばらく控えた方がいいかもしれません。
世界中から核を失くさなくては、生物の生存自体が危ぶまれる危機的時代だというのに、この期に及んでベトナムなど海外に原発を輸出しようとしている我が国を本当に恥ずかしく思います。
あきらめては負けと思いますが、市民はいまだに無関心で悲しくなります。
まだ諦めるには早いでしょうか?頑張らなければ・・・
先日の東京新聞が報じています。
「見切り発車の災害がれきー焼却ありき、密室で決定」
東京新聞で環境省がデータなく放射性物質がバグフィルターで除去できると言っていたことが報道されました。
5大新聞の一角でようやく事実が報道されました。
災害廃棄物安全評価検討会という名の有識者会議で検討されたのは、放射性物質の除去実験ではなかったことは、たびたび報告してきましたが、今回環境省は東京新聞の取材で、データなく焼却の方針を決定していたことを認めました。
「99.99%除去できる」は、環境省だけでなく、がれきの受け入れを検討している地方自治体も口移し的に説明していますが、今回の報道によって各自治体は説明の根拠をなくしたことになります。
と、環境ジャーナリスト某氏がおっしゃっていましたが
木下さんはご存知でしたか?
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65788435.html
木下さんが指摘された先生は、子供を守るのが第一という姿勢は一貫しておられますが、昨年5月には東京の大気中の放射性物質がほとんどなくなった(都の大気中の核反応生成物計測データを基にされているのでしょうが)など、疑問に感じることがありました。風や車の往来で舞い上がるし、そもそも計測は生活圏で行われているのかも疑わしいと思ったのを覚えています。4号機についても倒壊しても、逃げなければならない状態ではないと考えるのが科学的と書いておられます。
これに対し小出先生は、これまでに出た10倍以上の放射性物質が放出される恐れがあると正反対の見解です。また元東電勤務の院長先生は、そもそも事故で放出された放射性物質の量は、チェルノブイリより遥かに多いのではと推測されています。
http://www.youtube.com/watch?v=zyj8Cj_DoNU
地震活動期に入っていることは素人にもわかります。予防原則に従ってせめて若い人たちだけでも避難させ、4号機だけでなくすべての原発に最悪を想定した対処が必要なのに、小出先生の言葉ではないですが、「呑気な」政府と自治体(と国民)です。あまりに無防備な周囲の人たちを見ると、日本人の多くが現実逃避しているのか、それとも自分が神経質過ぎるのか、わからなくなることがあります。木下さんの精力的な活動から感じるのは、ともかく「時間がない」ということです。日本人は目を覚ましてほしいです。