「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

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日本の全ての原発を段階的に廃止するべきであると僕は思います。

2011-05-10 00:08:19 | 福島第一原発と放射能

 これは、言うまでもないことですが、日本の全ての原発を段階的に廃止する事を僕は主張したいと思っています。菅直人氏は、浜岡原発のみを一時停止することしか主張されていない事がはっきりしましたので、僕は、これでは根幹からまずいという判断をしています。今回の福島第一原発の事故は、今もシビアな状況が続いていますが、深刻な影響が福島県内に出ているにとどまらず、茨城、山形、宮城、栃木、千葉、東京、群馬、埼玉、神奈川にも強い影響が出ています。この影響が、今後どれだけ深刻度を増すのか、断言できる専門家はきちんといないのが現実です。現在三月以来はじめて、明確に数値的に注視が必要となっている3号機の状態から判断しても、次にどうなるのかは、誰もわかりません。こんな状態がここまで続く事を考えると、原子力発電所から受けられるメリットとこうしたデメリットを比較すると、メリットがほぼないのは明らかだと思います。原子力発電所の推進が国の基本方針とか、会社の社是とかいう妄想を言い続ける中高年が政府中枢や経済界、マスコミなどに、いまだに数多くいることが全く信じられません。社会変革的な意味合いではなくて、保守的な感覚から話しても、現況の資産を個人個人がどうまもるのかという卑近な視点に立っても、原子力発電所を日本国内で数十箇所も置き続けるメリットがどこにあるのか、僕にはさっぱりわかりません。自分たちの今の暮らしを少しでも維持し続けたいのなら、その暮らしを根底から否定することになるリスクが明確に存在することが、今回の事態で赤裸々になった原子力発電所は、全国全てにわたって、段階的に、廃炉にしていくしかないと思います。トラブルの多い炉、耐久的に見て年月日がたちすぎている炉、人口密集地に近い炉、地震に弱いと考えられる炉から、段階的に廃止していく作業プロセスを今からはじめていく決断をしないと間に合いません。ここからスタートしても二十年程度の月日はかかるのですから。もちろん、代替エネルギーをどうしてゆくのかと言う事と、日本のエネルギー利用のシステム転換という大きな変化がこれはリンケージしている作業になりますから、大変な話です。しかし、After福島で、日本国内で原子力発電所を残存させておくメリットはまったくありません。菅直人氏や海江田氏が主張しているように、緊急安全点検をしたので大丈夫と言う話は机上の空論です。浜岡だけが問題ではありません。とっくの昔に止めなければいけなかったものを、ようやく止めると言い出して、後は大丈夫と言い張る構図です。どうやら、こういう当たり前のことさえ、きちんと見つめなおさない人々が、日本社会の中核に多いという現実をきちんと踏まえたいと考えます。これは、今後継続した形で問いかけていきますし、中心テーマとして、社会的な意味でも政治的な意味でも、ムーブメントになる可能性があると僕は思います。あの優秀なゴルバチョフでさえ、ペレストロイカが失敗した理由は、チェルノブイリが決め手とも言われている訳ですから。

 さて、まず僕の目先は3号機です。3号機要注意はそのまま。僕の友人で、福島第一原発を担当していた技術者は、「推測だが、燃料の一部が溶けて飛び散ったような状況だろうか。圧力容器の内壁にくっついている可能性もあるかも。このちかくに洞フランジではかっているところがあるのでは。フランジは蓋の外でねじ止めしている接合部分。なぜここを温度を測っているかと言うと、熱とか力をかけると最ももろくなる部分。だから、熱破壊をおきないようにこの部分の計測をしている。内壁はステンレス、中に鋼材。鋼材温度が上がったり、下がったりするともろくなってくる。一部だけあったまり、残りは冷えたりすると、金属疲労がおきやすくなり、割れ目ができやすくなる。付着しているところの部分が量があり、特に崩壊熱が出ているような状況ではないのか。そこの局所的な鋼鉄が溶けないような耐熱温度だけは四百度くらいまで考えられるので、それだけならまだなんとかなるかもしれないが、接合部分だから心配。また、燃料棒の崩れ方が恐らく激しく、ほぼ原型をとどめていない。この燃料棒の崩れが激しいのは問題になるかもね。容器内でのメルトダウンを顕している状況でしょう」と。安心材料はなく、さらに圧力容器下部の温度推移が要注意になりそうです。

 また、1号機の扉の開閉は、思ったよりも飛散がなく、結果的には外部はよかったみたいです。それは、ほっとしました。しかし、1号機の原子炉建屋の線量が、天井部分で毎時700ミリシーベルトだったり、二桁のミリシーベルトになっていることはかなり多く、作業の進展が予定通りにいかない可能性が、早くも出ています。これは、僕には想定内でしたが、東電も保安院も想定外と公式にはコメントしています。冗談も度が過ぎた話と僕は思います。

 さらにストロンチウムが原発敷地内からも通常より高濃度に、また三十キロ圏からは微量見つかっている事がようやく判明しています。検出の手順が難しいため、ストロンチウムについて、ほとんどやっていなかったことを会見で認めはじめていますから、これが一定程度、外部で検出されるとさらに深刻になります。カルシウムに近い動きをするため、歯や骨につきます。骨のガンなどが心配される物質です。炉心が壊れて、物質がさらに大量に飛び散ると危険は増幅します。

 

Facebookの公開グループ「福島第一原発を考えます」は大変活発な論議が始まっています。行動する皆さんの参加を期待します。

すでに1800人近い皆さんが参加しています。 

 Facebookにまず僕は、自分の名前「木下黄太」アルファベット表記が「Kinosita Kouta」という形で登録してありますが、さらに「福島第一原発を考えます」という公開グループを立ち上げました。http://www.facebook.com/home.php?sk=group_163985373661863このブログの読者や福島第一原発の問題を考えていきたい皆さんが、議論し、交流し、何かを創り上げていく場になれば、ありがたいです。イベントの立ち上げ連絡も含めてです。行動する事につながればと思っています。公開グループの説明文です。

「We think about Fukushima Daiichi.

 東京電力の福島第一原発について、この事故の事態に直面し、考え、対話し、
さらに行動するためのグループです。」

 できる限りみなさんが、このFacebookにご登録していただき、この公開グループに参加していただければと思います。参加リクエストに気がついたらすぐに承認します。この問題に関心のある方は、勿論、全て承認いたしますので、よろしくお願いします。いろんな動きが出てくれば、ムーブメントになると思います。インターネットでのやりとりにとどまらず、今後、現実の動きとなることを想定しています。いろんなことを覚悟しながら、僕は動いているつもりです。このブログをよくご覧いただいている全ての皆さんに、是非入っていただき、何かのきっかけになればと切に願っています。尚、私への友達リクエストも構わないですが、先にこの公開グループへの参加リクエストを直接してからにしてください。そのほうが早いです。宜しくお願いします。 

もちろんこのブログに、グループで提示された重要情報は僕が転載したり、コメント欄で書き込みをうながしています。その点は継続しています。


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56 コメント

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東電は潰し、原発は全基廃止を (ひなぎく)
2011-05-10 01:44:15
福島原発事故を機会に、色々な所を読み漁り、いろいろな事が分かってきました。知れば知るほど、どうしてこんなエネルギーに手を出してしまったのかと思います。

安価でも、安全でも、クリーンでも無いものですし、第一、地震国の日本に一番相応しくない発電方法です。事故になった場合人の手に負えない恐ろしいモノですし、国民保証も無いに等しく、これほど国民にとって理不尽なエネルギーは無いと思います。

福島第一の事故を通して、その理不尽さと核エネルギーの恐怖を実感した以上、今直ぐに全基を止めて廃基にして欲しいと思います。今すぐに止めても、核燃料が安全になるには、何百年も先になる代物なのですから。今すぐ、一刻も早く、とにかく早く早く、廃止して欲しいと思います。

原発に群がっている利権組織は、この国のガン組織そのものです。政・官・業・学・マスの複合利権体は一国の総理の首さえもはねる事が出来るといわれているそうですね。こんな北朝鮮のような組織が民主主義国家に居据わっていてはイケナイと思います。

曲がりなりにも、民主主義国家なのですから、その国の主である国民が、全員の力を合わせて止めさせなければならないと思います。ドイツの例でも、国民が力を合わせてデモなどを行い、原発を廃止に持ち込みました。

日本だって出来ない筈は無いと思います。そのように国民が立ち上がらなければ、国民もこの国諸共廃れてしまいます。原発に群がる利権組織が、いつまでも原発利権を手放したくない為に足掻き続けていて、今、正に、この国を地獄に引きずり込む岐路と断崖に立っているそうです。

原発をなくし、新エネルギーに切り替え、電力会社を独占企業ではなく、競争原理が働くような会社にすることで、この国に真っ当な電力会社と正しい新エネルギー政策が根付き、それによって生れる雇用で、この国が新しく再生し発展できるのだそうです。

このように新エネルギー政策こそ、雇用と経済発展生み、この国の未来に輝かしい発展をもたらすとおっしゃっている方が「現職官僚」にいらっしゃいます。通産省のお役人で「古賀茂明」さんとおっしゃるそうです。そのVTRが有りましたので紹介したいと思います。

職を賭してテレビ出演してくださっています。最近、地上波テレビも少し変わってきたのでしょうか?今までだったら、この様な内容で、この様な左遷官僚の方の出演は、絶対に放送させて貰えないと思っていましたけれど・・・

地上波ですから、すでにご覧になった方も多いかと思いますけれど、とても素晴らしい内容でしたので、保存の意味も込めてURLを載せてみます。ユーチューブの「東電のために原発事故のツケは国民に・・はおかしい 現役官僚が提言」です。

 http://bit.ly/mb4Xio
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Unknown (ゆう)
2011-05-10 03:09:57
ちょっと趣向を変えて、斑目氏の人間性が分かる映像を見つけました。
日本はこのような人達に動かされているんですね。

http://www.youtube.com/watch?v=zKwOxJuMhPs

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危機管理 (50のおじん)
2011-05-10 08:46:03
浜岡原発の一時停止の根拠となったのはいわゆる地震予知です。ところが、今回の地震の場合には、それは数パーセントの確率に過ぎませんでした。即ち、地震予知なぞ当てにはならないということです。余談ですが、予知は不可能と主張したために、あらぬ疑いをかけられ、罪を着せられた専門家も存在します。

信頼性に乏しい地震予知を根拠にした、浜岡以外の原発には直ちに危険はないというような主張は、20ミリシーベルト以下という年間許容被曝量では健康に影響がないというのと軌を一にしています。一方の専門家の主張のみを根拠に危険を過小評価することは、最悪の事態を想定するという危機管理の原則から外れているのです。

今回の浜岡原発の一時停止は、そのことに限れば賞賛に値するものです。しかしながら、その他の原発に対する危険を過小評価している点では、逆に非難に値すると言わねばなりません。安全や健康に影響がないかどうか、あるとした場合どの程度あるかの判断はその道の専門家によりますが、その判断が分かれているのが実情です。原発を止めるにせよ続けるにせよ、現状予想し得る危険は避けねばなりません。最低限、原発の順次停止・補強は必須と言えるでしょう。
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専門家によると・・・ (福島県在住)
2011-05-10 08:50:36
>東電は潰し

これをしてしまうと賠償責任のある主体が消滅し、被災者の損害賠償請求権がなされなくなってしまうそうな・・・
「(東電を)会社更生法で東電を破綻処理すると、株主は100%損失を負担するが、社債の所有者が損失を負担するのではなく、被災者の損害賠償請求権がカットされるという。
東電の社債は一般担保つきの優先債権である一方、損害賠償には担保が設定されていないからだ。」
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51704498.html
だそうで・・・

内実や法律を良く調べると政府のしていることにはそれなりに理由があるようです。
ただ単に東電を潰せば良いというものでもないようで・・・

東電を潰さない程度に損害賠償額を設定しないと、結局国=我々の税金に負担が跳ね返ってくるだけのようです。
政府が避難範囲を容易に拡大できないのは、そういった事情もあるようです。
世の中の大多数の人は、大幅な増税に反対のようですしね。
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Unknown (東京けろ)
2011-05-10 09:24:08
とても気になる記述があります。
これが本当なら、一刻も猶予がないのでは・・・。

現在94歳の医師、肥田舜太郎先生は、広島に原爆が落とされた時の数多くの患者を診てきた被曝の専門医だけど、この肥田先生が、先日、福島県を視察に行った。肥田先生の報告によると、すでに福島県の多くの人たちが、かつて自分が広島で診てきた二次被曝者たちとソックリの症状を発症してるそうだ。肥田先生は、原爆で直接被爆した人たちと、原爆の被害は免れたのに、あとから爆心地へ近づいたことによって内部被曝してしまった人たちを数多く診てきた。肥田先生が言うには、広島で内部被曝した人たちは、まず、原因不明の下痢を起こし、直接被爆した人よりも先に死んでしまう人もいれば、ガンや白血病を発病して、何年、何十年と苦しんだ果てに亡くなった人もいたそうだ。そして、今回の福島の視察では、広島の時とおんなじで、原因不明の下痢を起こしている人が何人もいたそうだ。

下痢の症状を起こしてる人たちは、ほとんどが避難所生活などのストレスが原因だと思い込んでるけど、これは内部被曝による最初の症状である可能性が極めて高いそうだ。だから、肥田先生は、「福島の人たちに、すでに広島と同じ症状が現われ始めている。この秋から来春にかけて、次々と広島と同じ症状が出てくるだろうと推測される。内部被曝の影響が大きい子供や妊婦は、早急に避難しないと危険だ」って警告している。

きっこのブログ
http://kikko.cocolog-nifty.com/

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初めて訪れました (まみ)
2011-05-10 09:45:17
毎日原発のことで心配な毎日を送る妊婦です

新しい記載のものをよみましたが、深刻な地域として神奈川など具体的な都道府県をあげておられますが、何かあったのでしょうか

私が得てきた知識では神奈川埼玉は今のところ何も…という記載ばかり見受けてきましたので 是非教えていただきたくお願いします
今からさかのぼって木下さんのブログもよませていただきます
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「国策」暴走 (静岡県西部在住)
2011-05-10 10:10:27
日本という国は、「国策」が暴走するんですよね。
いったん、ある政策を「国策」と決めると、もう誰にも止められないんです。
本来、政策をコントロールするべき政治家・官僚が、「国策」の虜になって、逆にコントロールされてしまうんです。
戦前の「国策」は、「満州」でした。
「満州移民」(飯田市歴史研究所編)という本を読んだんですが、移民団を出す村に対しては、政府が交付金を配ったんだそうです。
貧しい村を対象に、交付金で釣り、移民団を結成したわけです。
「関東軍が守ってくれるから絶対安全」と、ここでも「安全神話」がまかり通っていました。
結果は、ご承知の通りで、相当数の方が命を落とし、「残留孤児」の悲劇も生まれました。
敗戦によって、ようやく、「国策」に終止符が打たれたわけです。

戦後の「国策」は、「原子力推進」です。
菅さんの「浜岡停止要請」については、「パフォーマンス」だの「思いつき」だのと、いろいろ見方はありますが、一時的・部分的にせよ「国策」にブレーキをかけた、という点から、私は評価します。
私もこのまま「原子力推進政策の見直し」、「全原発の段階的停止・廃炉」にまで進んでもらいたい、とは思いますが、政府も、福島事故への対応に協力してもらっている?(実態は分かりません)フランスや、「国策」を後押しして来たアメリカの顔を潰すわけにもいかないし、現段階でそこまで踏み込むことは、なかなか難しいのではないでしょうか。
福島の状況がさらに悪化し、首都圏まで目に見える形で(たとえば、集団避難が必要なまでに)放射線の脅威にさらされる事態にもなれば、「国策」転換の契機にもなるでしょうが、もちろん、そんな事態は望ましくない。
となれば、今後は、マスコミが「国策」旗振り役をキッパリと止め、原発の危機を訴え、脱原発への世論の流れを作り、電力会社が自主的に老朽化した原子炉の停止をすすめ、比較的新しい原子炉についても、定期点検という名目でどんどん停止するように、電力会社に圧力をかけていく以外に無いと思います。
電力自由化、代替エネルギーのキャンペーンを張るのも、一つの手です。

簡単な方法もあります。
「原子力推進」を「国策」にするにあたって尽力したのは、中曽根さんと読売の正力さんだそうですね。
中曽根さんは今では政界の長老ですから、あの方にお願いし、「国策」の見直しの必要性について一言おっしゃっていただいて、ナベツネさんに後押ししていただければ、流れも変わるんじゃないですかね。
しかし、まあ、二人とも頑固そうだから、無理かな。
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Unknown (通りすがり)
2011-05-10 11:16:39
気になる文章を見ましたので、小出先生とお話しできる木下様にご報告します。

「~東電広報部は小出氏は手ごわい相手と認知し、各週刊誌に助教の金銭がらみのスキャンダルを売り込んでいるという。
週刊新潮とポストが話に乗って取材を始めたらしいとか。
この2紙は東電の広告で採算を維持しているらしい。~」
http://www.asahi-net.or.jp/~pu4i-aok/cooldata2/politics/sarcophugus.htm
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私も… (まぁ)
2011-05-10 13:02:40
妊婦で山形にいます。山形も深刻な状態と記載されてましたが、山形のニュースでは一切そのようなことを耳にしません。すごく不安です。やはり山形では近すぎますか?
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被曝初期症状 (栃木県のママ)
2011-05-10 13:15:45
下のコメント、原爆のお医者さんの話ですが
私は、今は落ち着いていますが3月17日に鼻血、4月初旬に下痢で、酷い思いをしました。
喉のイガイガもありました。
内部被ばくの検査がしたいと保健所に問い合わせたら「内科にかかって下さい」と言われました。
3月爆発直後は、政府の発表を鵜呑みにして、マスクもせず外出、水道水も飲んで、地産の野菜も食べていました。(今は極力生活全般に気をつけていますが)
来月、西日本に引っ越しする予定ですが、やはり怖いです。
原発推進しながら、正しい情報(万一事故が起きたらどうするか)を国民に伝えない政府を恨みます。
いつ死んでもいいように、毎日を楽しんで生きます。
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