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世界の反核医師団が憂慮すべき10の問題があると指摘する、国連総会へのフクシマ報告書。

2013-10-30 14:16:23 | 福島第一原発と放射能

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 下記は、国連の放射線に関する科学委員会が、今月出したフクシマ報告についての見解です。見解はいくつかの医学関連でこの事態を懸念する人々が出しているものです。内容は、多岐にわたり大量にあるため、指摘している問題の見出しと、最終結論のみ、引用します。更に知りたい方は、引用先サイトに伺ってください。

http://www.fukushima-disaster.de/fileadmin/user_upload/pdf/japanisch/Ausfuehrlicher_Kommentar_zum_UNSCEAR_Fukushima_Bericht_2013__Japanisch_.pdf

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『原子放射線の影響に関する国連科学委員会

(UNSCEAR)の国連総会への2013 年 10 月フクシマ報告書についての注釈付き論評』

 

社会的責任を果たすための医師団(PSR)、米国
核戦争防止国際医師会議(IPPNW)、ドイツ
社会的責任を果たすための医師団/核戦争防止国際会議、スイス
核戦争防止医師協会、フランス
核戦争防止医師協会、イタリア
人類の福祉のためのナイジェリア医師会、ナイジェリア
社会的責任を果たすための医師団、マレーシア
オランダ医学戦争学協会、オランダ
Independent WHO−原子力と健康への影響
2013 年 10 月 18 日

 

 考慮すべき 10 の問題
1) 日本でより大きな大惨事を防いだ主要因は風向きだった
2) 原子力災害は進行中であり、放射性物質を放出し続けている
3) 放射性物質の放出と放射線への被ばくの推定は、中立的な情報源に基づくべきである
4) 福島産の農作物の推奨は、放射線被ばくのリスクを増加させる
5) ホールボディーカウンターは、内部被ばく量を過小評価する
6) 東電の作業員の線量評価は信頼できない
7) 胎児の放射線への特別な脆弱性が考慮されていない
8) 甲状腺癌や他の癌は何十年もモニタリングする必要がある
9) 非癌疾患や放射線の遺伝的影響も、またモニタリンングされるべきである
10) 放射能フォールアウトと自然放射線との比較は誤解を招く

 

III) 結論

UNSCEAR の国連総会への報告書は、「リスクモデルによる推定は癌リスクの増加を示唆するが、放射線誘発性の癌は、現時点では、他の癌と区別がつかない。ゆえに、この集団における、事故による放射線被ばくのせいである癌発症率の識別し得る増加は予期されない。」と述べている。癌には何由来かというラベルが表示されていないので、これは、確かに正しい。しかし、電離放射線が発癌物質であり、人間や動植物の健康に独特のリスクをもたらすのは周知の事実である。電離放射線への長期にわたる低線量の被ばくの影響についての 15 カ国の合同コホート研究90では、520 万人年の追跡調査が行なわれたが、放射線量と線量に依存した癌死の増加に、有意な関連が見られた。
また、一定の放射線量から癌の発症率と死亡率を予測する方法が確立されており、国際的に認知もされている。米国科学アカデミーの電離放射線の生物学的影響に関する諮問委員会は、BEIR VII リポートで、放射線損傷には閾値が存在せず、ごく微量の放射性物質でさえも体組織の有害な損傷や遺伝的突然変異を引き起こすと証明した。故に、大集団における低線量放射線被ばくは、小集団における高線量放射線被ばくと同様の影響を起こす。標準的な国際 BEIR VII 線量リスクモデルを用いれば、10,000 人の集団への平均 1 mSv の被ばくの結果、1 人が発癌することになる。これは、10人への 1,000 mSv の被ばくと同様であり、この場合も結果として 1 人が発癌の過剰ケースとなる91。最後の章で述べた通り、WHO のフクシマ健康評価は、これの 2 倍のリスク係数が用いる強い論証となっている。

日本における特別の状況に適用すると、この科学的事実は、明確な結果を示す。フクシマ原子力災害による日本のほとんどの住民での過剰な放射線被ばくは比較的少ないようにみえるが、この過剰の放射線被ばくを受ける人数が大変多いと言うことは、この集団で予測される癌の過剰発生が最大数になると言うことになる。チェルノブイリ事故後に WHO に関連した国際ガン研究機関が研究を行い、2006 年に国際がんジャーナル誌で論文を発表したが、この研究92では、チェルノブイリから放出されたヨウ素 131 への被ばくにより、欧州で甲状腺癌の過剰発生が 16,000 件起こるだろうと計算した。これらの地域では、個人の平均生涯被ばく量はわずかにみえるかもしれないが、最終的には、これは確率的問題であり、人々は、個々の癌と放射能フォールアウトとの因果関係が分からなくても、チェルノブイリ災害の結果として癌を発症したことになる。
数字で比較すると、特に比較的高い日本のベースライン発癌率93(年間 10 万人の内、約 494 人が新規診断、あるいは、対数では、2000 年から 2008 年の間に、すべての年齢層と性別でのすべての癌において、約63万の新規診断)と比べると、フクシマの放射能フォールアウトによる癌の過剰発症は、重要ではないとみえるかもしれない。しかし、個人の観点から見れば、癌の症例はたとえひとつでも多過ぎるのであり、そして我々医師は、癌がその人の身体的および精神的健康および家族全体の状況にもたらす悲劇的な結果を知っている。「被ばくした人達での、放射線由来の健康影響の発症の識別し得る増加は予期されない。」と述べて、フクシマ原子力災害の何千もの家族にとっての怖ろしい影響を単なる統計学的問題に狭めてしまうのは皮肉である。その代わりに、より中立的なデータを使用し、被ばく線量推計につきものの不確かさを認めて指摘し、特定の集団においては脆弱性が高いことを考慮し、可能性のある被ばく線量の範囲全体を発表し、進行中の放射能放出の最新データを取り入れることにより、UNSCEAR は、これから数十年の間に放射能フォールアウトからどのような影響が予期されるかという現実的な状況を描くことができるはずである。これには、チェルノブイリ原子力災害の影響を受けた集団でも見られている、甲状腺癌、白血病、固形癌、非癌疾患や先天性奇形などすべての疾患に関する予測だけでなく、さらに、原子力災害が全国民にもたらした精神的および社会的影響の評価も含まれるべきである。この件に関しては、精神的影響は、圧倒的に、放射能汚染とそれによって必要となった避難の結果の社会的混乱と崩壊のせいであり、原子力ロビーが度々示唆するような、放射能に対する過剰な恐怖心や、被ばくのリスクに伴う恐怖と負のレッテルのせいではない。

いわゆる、国家の原子力、特に原子力発電を中心とする原子力の平和利用への「不可譲の権利」は、世界中の人々を無差別に放射能汚染のリスクにさらすことを伴う。それは、将来の世代の健康と権利を蝕み、核兵器拡散に向けての手段を提供することにより、核戦争の危険とその破壊的・人道的影響を増大させる。安全で再生可能なエネルギー源への移行は、人権と健康を促進することができる。日本の原子力発電所を永久停止することは、日本国民にとってのさらなる破滅的な放射能放出のリスクを、現在と将来にわたって軽減するのに最も効果的な方法である。フクシマでの大半の放射能フォールアウトが、東京のような大都市部でなく海に流れたことは、日本国民にとって幸運なことだったと言うべきである。
しかし、フォールアウトが大都市で起こると言うことはあり得たし、日本が、原子力エネルギー生産からの段階的撤退を国のエネルギー政策指針として既に宣言した他の国々の後に続くことを選ばない限り、将来においても起こり得る現実的なシナリオであり続ける。日本が震災以降 2 年以上もの間、ほぼ全部の原子炉が予期なく停止された状況下において電力不足の回避に成功したことは、これが実行可能であることの証明である。
原子力災害に影響された人々の健康を主に懸念している医師として、我々は、国連総会と日本政府に、被ばくした住民には、これ以上の被ばくからの防護が必要だと認識するように勧告する。日本が大きな国際的支援なしでこの惨事をコントロールできないであろうことは明らかになった。故に、今後の膨大な作業には、外部の専門的意見が含まれるべきである。最も重要なことには、炉心損傷した原子炉と使用済み核燃料プールからの進行中の放射能放出を最小限に留めるだけでなく、将来のより大きな放出を防ぐためのさらなる努力が必要である。また、放射能汚染された市町村に居住し、汚染が少ない地域に移住したい若い家族達への移動サポートおよび経済的支援も、将来の健康影響リスクの軽減に役立つだろう。

日本のほとんどの都道府県においての効率的な癌登録制度と、長期的な健康影響の評価に使える被ばく量推計値を伴う、被ばく者の包括的な登録制度の、どちらも存在しないと言う事は、多くの可能な影響が検知されないままであるかもしれないことを意味する。政府が放射能汚染による将来の健康影響をモニタリングして対応する気が本当にあるのなら、そのような登録制度が設置されるべきである。
福島県民にとって、健康影響が予期されないという主張や安心感は、何の助けにもならない。必要なのは、正しい情報、健康モニタリングや支援であり、何よりも、住民の不安や懸念をきちんと聞く耳である。UNSCEAR 報告書の著者らは、汚染地域の住民達への将来的な治療や支援を減らす可能性を持つような報告書を草案する前に、自ら汚染地域を訪問し、住民と話をすれば良かったのかもしれない。それを変えるのには、まだ遅くない。国連総会と日本政府においては、アナンド・グローバー氏の福島県での経験についての報告書を検討し、彼の建設的な提言を留意するように願いたい。多分、そうすれば、健康と幸せと保てるような生活水準への権利を、福島県民が取り戻すことができるであろう。
我々が放射線被ばくの真の影響を理解することは、放射能フォールアウトを受けた人達全員が適切な医学的モニタリングを受けるためには、大変重要なことである。最終的に問題となるのは、健康と幸せを保てるような生活水準へのすべての人間の普遍的権利なのである。これこそが、原子力災害による健康影響の評価においての指針となるべきである。

「人間の命が 1 人分でさえも失われるということ、あるいは、赤ちゃんが 1 人でも奇形を持って生まれてくるということは、例えその赤ちゃんが、我々が皆死んでしまったずっと後に生まれて来るかもしれなくても、我々全員にとって重要なことであるべきだ。我々の子供たちや孫たちは、我々が無関心を装ってもよいような、単なる統計ではない。」
ジョン・F・ケネディー、1963 年 7 月 26 日

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 とにかく一義的に僕への情報はメールで、投げるべきかどうかを迷っていてもメールへ、あなたが、相談したい類の話も一律メールで投げて下さい。  

 僕のメールアドレス⇒nagaikenji20070927@yahoo.co.jp

 

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【11/6(水)木下黄太 講演 IN ロンドン】 

「原発事故と、フクシマ後の放射能問題について」 

 場所:SOAS - University of London Thornhaugh Street, London 

※現在会場の部屋は調整中。午前と夕刻の2回開催。 

午前の部

日時: 11月6日(水)10:00 開場  10:30~12:30 

午後の部 

日時: 11月6日(水)18:00 開場  18:30~20:30 

主催者意向で入場はFreeだそうです。カンパ歓迎。 

詳細⇒⇒http://januk.org/campaign.html 

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