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「川内原発で地震発生時に制御棒が作動せず自動停止できなかった」という怪情報に惑わされるな。人間不信。

2016-04-24 05:00:30 | 福島第一原発と放射能

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この地震の行く末がどうなるのか分からない中で、川内原発を稼動し続ける政府・原子力規制委員会・九州電力に私は一個人として、異議申し立ては変わりません。

 地震がどういうものか、気象庁会見がわからないと話している中で、「止めない」という原子力規制委員会トップの言い分は、狂気に近い状態と思います。

 原発のことは彼等が辛うじて専門家であるとは言い張れても、地震のことなど何一つ分かっていない状態です。そうした連中は、福島第一原発事故でも唯一の砦となった免震棟すら反故にしており、そんな原発を稼動させ続ける感覚は許されませんし、ましてあれだけのパワーの地震が起きている中で、その状況推移が見えていないのに、稼動を続けて万が一のリスクを拡大させ続けていることは、許される話ではありません。

 僕の基本認識は以上です。

ですが、川内原発の稼動が許される話ではないとしても、あきらかに意味不明の情報が匿名ツイッターから発信され、それに慄いたり、拡散させている状態を見ると、またしてもネット住民の頭はお花畑かと思います。

流れているのは、次の情報です。


「九州電力の知人からの情報熊本地震により川内原発の制御棒が入る長いシリンダーが歪み、制御棒の出し入れが100%作動しないらしいだから、地震発生時に自動停止できなかったというつまり 現時点でも原発を停止できないらしい(今後も稼働しっぱなし!)」


熊本地震で、川内原発の震度は2から3とされています。

仮に、川内原発の震度を九州電力が嘘をついていたり、川内原発の揺れに関して、掛かっている力を嘘をついていると仮定してみます(嘘をついているのが事実と僕が考えるわけでなく、そういう仮定でもしないと、この話は全く成り立たないからです)。

気象庁によると、川内原発の周辺の自治体で、震度は最大でも震度4でした。

気象庁のこのデータが嘘をついている可能性も全面的には否定できないと言われる向きもあるかもしれませんが、現地からそんな声もおきている状態ではありませんから、震度4は事実としか思えません(原発と違って一般住民がいますから、震度偽装発表は意味がありませんし不可能、というかそんなことはしないよ気象庁は、あたりまえ)。

こんなことまで、確認しながら書いていて、溜息が出ます。

よいですか、原発周辺自治体の震度計よりも、構造が強固な原発に設置されている震度計が大きな数字を出すことは考えられません。

川内原発直下地震でもないのですから。

そうすると、川内原発の最大震度は、万が一に九州電力が偽装していても(私は今回は偽装可能性を考えていません)、震度4を超えることは考えられません。

よいですか、では、川内原発が制御棒を入れて自動停止するのは、いくらの震度くらいとしているのか?

下記リンクを確認してください。

http://www.kyuden.co.jp/library/pdf/environment/action-report05/cdrom/20.pdf

彼らは震度5程度のゆれが来た場合に、自動停止すると、前から公にしています。

よろしいですか、制御棒を入れるとか入れないとか、そういう時点は、川内原発が震度5になった状態でないとそもそも始まっていません。

そして、彼等の報告では川内原発震度は2から3。

まわりの自治体の最大震度は4(気象庁に基づくもの)。

万が一の偽装可能性を想定しても、実際に震度5程度のゆれが襲っているとは、到底思えません。

だから、そもそも制御棒を入れて自動停止するシステムが、今回起動している可能性は1パーセントもありません。

システムが起動していなくて、制御棒が入って自動停止する仕組みに、不備がおきているかどうかの確認など、どう考えても完全に取れるはずがありません。

いいですか、そうでなくて制御棒関連のシステムに不備があるなら、そもそも話にならない状態です。検査で分かるレベル。そんなことが放置されたと思えません。いくらなんでも。

もっと古い原子炉である福島第一原発は震度6で制御棒は挿入され、自動停止はしたのですよ。

そもそも、震度2からどう考慮しても最大震度4マックスの地震で、福島第一原発より新しい原子炉で、制御棒が入れられなくなるほどのトラブルが起きていると想定する方が、おかしすぎます。配管故障とは次元が違う。

震度5程度にならないと、ここは制御棒を入れる自動停止はないのだから。

危険リスクを考えて止めたほうがよい、強い揺れが川内原発を襲ったら大変なことになり自動制御システムが利かなくなるかもしれないという懸念と、今回の怪情報はまったく質が違います。

もういい加減に学習して下さい。しかも匿名アカウントのツイッター。

「制御棒が入る長いシリンダーが歪み、制御棒の出し入れが100%作動しないらしいだから、地震発生時に自動停止できなかった」

書いていることは、「地震発生時に自動停止できなかった」という文言。つまり、自動停止しようとしたことが前提の話なんです。

でも、そもそも川内原発は震度5までは、揺れによる自動停止システムの作動はないんです。そういう設定なの。

それより、揺れてないんだから、どう考えても自動停止システムは起動していません。だから、話は全く筋が通らないんです。

こんな怪情報を拡散させるツイッター発信者は論外でしょうし、それを拡散させているネット住民はアホすぎて話になりません。

原発を止めたくても、こんなに低水準だと、土俵にも乗れません。

拡散させたアホすぎる人たちは大反省してください。

溜息。

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「人は信用してはならない。

人は信用してはならない。

人は信用してはならない。

人は信用してはならない。

人は信用してはならない。

人は信用してはならない。

人は信用してはならない。」

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  GWに名古屋で、講演会を行います。 

  【5/3(火・祝)原発事故後5年が経過して確認すること:木下黄太講演会in名古屋】

 

  13:30開場 14:00~16:00  

  イーブル名古屋 大研修室(名古屋市中区大井町7番25号 地下鉄名城線「東別院」1番出口から東へ徒歩3分 )

  申込&詳細⇒ http://kokucheese.com/event/index/389685/

 

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僕のブログ休止時も作者サイトで作品継続していたので、要確認⇒http://ameblo.jp/shibazakitoshie/

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 来月、札幌でも講演会を開催致します。被曝回避や放射能防御がメインとなる講演会ですが、今回の大地震対応で見えてきた日本の現状についても話をするつもりです。是非ご参加下さい。

 

【5/15(日)木下黄太講演会in札幌】 

 

「原発事故後、5年が経過して確認すること」

 

5月15日(13:30開場 14:00開演 16:15終了予定) 
佐藤水産文化ホール3F (JR札幌駅南口すぐ) 

 

申込&詳細⇒http://kokucheese.com/event/index/390798/

 

 「福島原発事故から5年が経過し、収束が見えない汚染地からの避難生活は長期化しています。一方で、避難者への住宅支援は年々打ち切られ、復興支援やオリンピックにスポットライトが当たる世の流れの中、皆さんは日々何を想い、どのようにお過ごしになっていますか?

 

 事故当初から原発と放射能の問題について考え、発信し続けていらっしゃるジャーナリストの木下黄太さんから、ここ札幌でも1年ぶりにお話を伺います。

 

 北海道では新たに新幹線が開通したことで、移染経路がひとつ増えてしまったという側面もあります。放射能防御や被ばく回避を意識し続ける暮らしについて、私たちは今まで以上に取り組んでゆく必要があるのではないでしょうか。

 

 先の見えない未来へ向かう6年目の今、大切なことは何か、どう生きていくのか。他では聞けない木下さんのリアルなお話を皆さんと共有し、一緒に考えていけたらと思います。多くの方のご参加をお待ちしております。」主催者

 

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