「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

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被曝戦時下の当該国で、「国連」をどう考えるべきなのか。 夕張へ保養支援ブログ掲載後1日で目標クリア。

2013-06-04 15:28:46 | 福島第一原発と放射能

 この放射能を巡る話は、日本がこれから進んでいく道筋に影をなげかけることがあっても、何か花を開かせる状況を呼び込むことは、なかなか難しいのが現実だろうと思います。ちょうど僕が一年前に何を書いていたのかを、読み返してみたのですが、まだ、官邸前行動に僕が足を運んでいて、いろんなかたちで、一般の人の気持ちが強まっていたことがよくわかります。その運動体の内実はともかくとして、人々の気持ちが噴出しようとして、その噴出が、ガス抜きという形式で終焉したとしても。

 非常に、この時代の状況の中で、今、「停滞」という感覚を強く持っている僕からすると、一年前におきている状態からも、別次元の展開になっている感じがしています。二年が経過して、思った以上に「日本」という国に、煮詰まり感が強まってきている。それは、経済戦略という観点で、さらに露骨になってきています。結局、経済的にこういう施策を打ち込んだら、このようになるという話は殆どなく、バブル的なカンフル剤を、アベノミクスという名前で撃ってみて、その効き目が、数ヶ月を待たずに失速している状況です。

 さらに、きのう、たまたまテレビ東京のニュース番組に猪瀬都知事が出ていて、矢継ぎ早な政策を何か言い続けていたのですが、なんというか、言葉が僕の耳に届かない感じです。いくら、テレビの音量を大きくしても、内面に聞こえてこない感覚が強いのです。彼が、都知事と言う役回りで、いろんな舞台をまわったり、オリンピック招致についての映像が流れ続けるのですが、何か響いてこないのです。とても空虚な感じがします。ご本人が、好々爺的な立ち振る舞いになっていること以外は。むしろ、その時に横でゲスト出演していた、日本総研の高橋理事長が、どうしてテレビの本番中にこんなに咳き込んでいるのだろうというほど、咳き込みながら話していたことが、印象に残っています。

 さて、暗い話ばかりもしていられないので、日曜日に記事に載せた、夕張のお話をします。元々の目標額が100万円位だったお話なのですが、先週半ばの段階では、まだ半分ほどにしか到達しなかったそうです。その後、地元での皆さんの頑張りに加えて、ブログ記事掲載後に数十万円が集まり、目標額に到達したとお礼が届きました。

皆さんのご協力の賜物と思います。あの青年からのお礼の言葉です。

 

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 おかげさまで、クラウドファンディングでの目標金額を達成することができ、夕張夢再生館の口座にも、私たちのこの活動にご賛同いただける方から支援金が振り込まれています。

私の拙い文章で、私たちの活動を応援していただける方がこんなにもいらっしゃるとは思いませんでした。
 私は、この被災者支援活動を通して、夕張がかつての炭都のときよりも素晴らしいまちへと変化できるよう、一歩一歩前進しながらこの活動を継続していきます。
 震災をきっかけに、今後の私たちは、経済的豊かさではなく、安心と心の豊かさが求められるべきではないでしょうか。
 多くの皆さんが、このことに気づくことが真の復興につながると考えます。私も、できるだけ、放射能の危険を避けるために、安心できる場所に移住を推進していく考えです。

 私たちの活動が、放射能の危険にさらされている子どもたちを救うことにつながるよう懸命に取り組んで参ります。

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 僕は、この青年とお話もしました。実は、苦言を呈しています。この活動が、保養という意味に留まらず、さらに移住促進の方向に向かわなければならないと。夕張はかつて炭鉱で栄えていましたから、住民は十万人以上がいた街。今は一万人いるかいないのかという状態です。つまり人がいなくなって、空き家は多く残っている。しかも土地は広い。勤めてなにかするのは、無理な土地ですが、農業従事者が何かをあらたに始めることは十分可能な土地です。老人が多いので、介護職なら仕事はあるそうです。こうした仕事に取り組む感覚の人は、この土地には受け入れる素地があるということです。こうしたことは、受け入れる側にスキームが具体的になければならない。そのスキームの構築が大切ですよ、と。どのくらい、空き家があって、使える家がどの位で、どのくらい借りられる農地があるのか。すべては、具体的な構築が肝要だろうと、僕は思いますから。少しでも、いろんなことが前向きに進んでほしいと願っていますが。

 それから、前に

UNSCEARの福島安全宣言を丸呑みで一面トップにする朝日新聞の大罪。橋下市長の懲戒請求に女性参集!

 という記事を書いて、「国連」という錦の御旗で、朝日新聞が一面で、安全宣言をPRしている状態は、論外であると僕は書きました。このことが、理解していない人がまだいるという話も聞いたので、さらにかいておきます。

 これは、どうしてそういうのかと言うとこのUNSCERが国連科学委員会というよりも、「放射線の影響に関しての国連科学委員会」というのが正式な名称に近い存在で、国連の中でも、ある特定の意図を強くもった委員会の話にすぎないからです。

 また、これをその規模で取り上げるなら、別の国連の組織が、おこなっていることも、一面トップで取り上げなければならないということです。しかも組織のレベルは、委員会よりも、こちら「理事会」の方が、強いはずです。

「国連人権理事会」特別報告者

アナンド・グローバー氏・日本調査報告書(2013年5月23日暫定版)

http://www.ohchr.org/Documents/HRBodies/HRCouncil/RegularSession/Session23/A-HRC-23-41-Add3_en.pdf

仮訳⇒http://hrn.or.jp/activity/%E5%9B%BD%E9%80%A3%E7%89%B9%E5%88%A5%E5%A0%B1%E5%91%8A%E8%80%85%E3%80%80%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC%E5%A0%B1%E5%91%8A%E3%80%802013.6.3%20HRN%E4%BB%AE%E8%A8%B3.pdf

「健康への悪影響の可能性は低被ばく線量では存在しており、年間被ばく線量が1mSv以下及び可能な限り低くなったときのみ、避難者は帰還を推奨されるべきである。その間にも、政府は、全ての避難者が帰還するか又は避難し続けるか自発的に決定できるようにするために、全ての避難者に対して金銭的な援助及び給付金を提供し続けるべきである。」

原発事故前、または事故後可及的速やかに、ヨウ素剤を配布すること」

「1mSv以上の地域に居住する人々に対し、健康管理調査を実施すること」

「子どもの健康調査は甲状腺検査に限らず実施し、血液・尿検査を含むすべての健康影響に関する調査に拡大すること」

「ホールボディカウンターによる内部被ばく検査対象を限定することなく、住民、避難者、福島県外の住民等影響を受けるすべての人口に対して実施すること」

「原発事故と被曝の影響により生じた可能性のある健康影響について、無料の健康診断と治療を提供すること」

 こうしたことが、「国連」の人権理事会で、ふつうに特別報告されています。これは、生存や健康を維持する為の人権ということを守る為に、福島第一原発の事故が、それを阻害する危険を有している可能性があって、それについて日本政府が妥当な措置を取れと言っているということです。「国連」の中では、より立場の強い組織で、特別報告された内容です。
 
しかし、これは一面トップにはなっていません。
 
 だからおかしいと、僕は言っています。両方とも、一面トップにするなら理解します。「中立公正」にしたいというなら。しかし、懸念をして、理事会で報告された話は、ある程度の扱いで、安全を唄う話を一面トップにしているのは、その新聞社の編集現場幹部の意向が強いと僕は思えます。それは、特定の意図をもっているとしか言えません。おそらく両方とも、一定の大きさの記事で伝えるのが妥当な話です。そうしないとならない、心理的な感覚を本当はもつべきだと僕は思います。しかし、朝日新聞は、推進側からの甘い誘い水に、冷静な判断を失って過剰な掲載したと僕には見えます。足元が浮ついています。
 
 チェルノブイリでもそうだったのですが、これからも、実はいろんな政治的な立場での言説が、咲き乱れる状態になります。それには、どの立ち位置からでも、いろいろ問題点もあるし、妥当な部分もあります。しかし、はっきりしているのは、一貫していいますが、とにかく当事国の政府を中心に、一定のところまで、そうした被害を過小評価する動きが、上から続くということです。上からのパワーは圧倒的です。この政治構造がポイントです。市井の人々はそう感じていないとならないということです。「国連」というのは、その道具立てなのです。「国連」と言う組織自体、多数の国の集合体で、そもそも的確な識見を常に提出できる構造にある機関でもありませんから。相対的に考えるべきですし。さらに付け加えて言うと、国連という存在そのものが、国際社会の中での妥協の産物で、戦時的な状態の緩和をある意味ではおこなう集合体でもあります。こうした組織が、軍事的な衝突ではない「見えない戦争」においても、登場してくるのは、僕は面白いと思います。
 
 この問題は、まさにそういう類の問題です。国家にせよ、国際組織にせよ、マスメディアにせよ、同じ構図です。その基本図式を考えないと、話にならないのです。そこを見ないと、事の是非がわからないという感覚をきちんと認識してほしいと僕は思います。それが、身につかないと、この時代の日本の中で、どう過ごしていくのかはわかりません。何度も書きますが、「戦時感覚」がないと、僕はこの時代の日本で、過ごしていくことは大変に難しいと思います。自分たち自身が安心して「国」「社会」「会社」に身をゆだねていれば、事が済むわけではありません。そうしたことが、無理な時代になっているのが、この日本の状態と言うことです。経済的なことからをみても、都知事の言説を聞いていても、そうしたことを、僕は如実にかんじてます。
 

戦時下では、無理矢理アドバルーンを上げないと、続かないという事でもあるのです。それが、被曝戦時下であっても。

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橋下市長リコール問題などにも言及します。皆さんの意見も伺います。

【6/8(土)木下黄太講演 IN 大阪】   

 「大阪ガレキ問題から考える放射能汚染」

 橋下市政で揺れ動く大阪市で、開催します、木下黄太講演会。 

大阪市が4人の逮捕者を出しながら、市民の強い反対の中、強硬に推し進めた被災地瓦礫の受け入れ。只今、焼却が小休止しています。 中国から飛来する黄砂やPM2・5の数値の悪化の報道の中、大阪の大気汚染の実態は、ほんとうのところどうだったのか?鼻血、ぜんそくの悪化、呼吸困難、皮膚病の悪化など、健康被害についてのレポートもあります。
がれきの焼却による、水や農産物の放射能の汚染は、どこまで広がるのでしょうか?そのリスクは? 

 

5/25~6/13まで、ガレキ焼却がストップしている期間なので、大阪開催に踏み切りました。  

日時:2013年6月8日(土)13:15開場 13:30開演 16:00 終了予定   

会場:天王寺区民センター ホール   

残席10席ほど。

申込詳細はこちらへ⇒http://kokucheese.com/event/index/91250/


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マツダマツコ 

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上方向からの働きかけという言葉が浮かびました。
会社内でもここのところ、気持ちの悪い動き。
人権教育と称し、放送禁止用語。放送業界でもないのに?ピリピリ。ひどかったのは橋下市長生い立ち記事について。橋下氏を気の毒な被害者とする視点で強調。

タブー発言を恐れる日本のある勢力から下りてきてる印象を持ちました。

推進勢力はなりふり構わず自らの側の主張記事を猛アピール、対するわれら素人個人は効果的なやり方も知らず。

首相がマスコミトップをおもてなしする国。様ざまに仕掛けられてますが、したたかな日本人も増えてきてるように。



 
 

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