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「ホールボディカウンターは全く意味がない」と言い切る西尾北海道がんセンター名誉院長(放射線専門医)。

2013-10-19 14:37:27 | 福島第一原発と放射能

 

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 北海道がんセンターの西尾正道名誉院長と久しぶりにお会いしました。本当は、僕の講演がおこなわれた時に、北海道でお会いしようとしていたのですが、むしろ定年退官後、院長⇒名誉院長になられてからの方がお忙しいらしく、「土日は全国あちこちに行って、講演だのシンポジウムだので忙しいよ。」と笑いながら言われる状態で、今回も和歌山から青森に移動の最中に、僕も関西のある場所まで、車を飛ばして会いに行き、2時間ほど会食しながら、お話しました。

 内部被ばくに関して、社会的に強い立場のある医師で、尚且つ、こうした話をしている人は、日本国内で、彼しかいないという寂しい現実が、この状態にさせているようです。

 最初に挨拶をして、僕の現況を聞かれたので、簡単に説明したところ、「お前の会社は、そもそも会社の人間が、日本に原発を持ち込んで、トップを大臣にした歴史があるから、一番しんどいだろうな。他なら何とかなってもな。これは、致し方ないな、全く駄目だろう。」とまずジャブを出されます。僕は、苦笑します。

 「日本の御用学者というのは、本はよく読んでいるんだよ、だから権威になる。現実は知らなくても。でも、その本がICRPとかに基づいて書かれていることしかないから、本質的にわかってないんだよ。そうでなくて、現実に臨床として、どういう事がおきるのかなんて考えていないだよ。だから、向こう側の医学者と、対論する時に俺は、放射線科医として臨床も含めてやり続けている立場から、その懸念を話をすると、相手はもごもご言ってごまかすばかりだよ。あの山下さんとかも、直接討論したほうが早いよ。俺には。いつも、逃げられるけどね。」

 西尾名誉院長は、放射線の専門医として、特に小線源によるがん治療の全国的なエキスパートで知られています。2万人以上の患者の診察歴もある医師です。もちろん、がんセンターのトップであったことが、その立場も示しています。更に言うと、特定の政治党派などとも関係のない医師であることも大きいのです。

 「放射能の健康被害は、これからが本番なんだよ。被曝が続くと、劣勢の遺伝子と劣勢の遺伝子が掛け合わさる。劣勢の状態がどんどん掛け合わさるのが、これからの状態。劣勢が優位になる。だから、世代が続けば続くほど、しんどい状態にもなる。」

 「福島のいわきなどで話をするときに、放射能の被曝を回避するには、移住しかないと話してはいるんだが、それができない人には、できるだけの防御は伝えているよ。ただね、国外に出る訳じゃないんだし、将来のことを考えたら、移住したほうがいいよ。だって転勤とかで移り住む人も、世の中、普通にいる訳なんだし。まあ、これもその人たちの限界なのかもしれないが。。。」

「それにね、人口が減っていく国で、経済的に発展していく国がないなんて、当たり前のことなんだよ。人口学を少し調べれば、こんな常識はすぐにわかるのに、それも理解していない世間も酷いな。」

 こういう話を矢継ぎ早にされます。それは、専門領域ではさらに舌鋒は鋭くなります。

 「WBC(ホールボディカウンター)で内部被ばくがないなんて、専門家の俺から見たら、おかしい話を平気で言う連中がいるよね。そもそも、その連中が放射線のことが分かっていなくて、WBCの見方をおしえてくれというから、俺が手ほどきした連中だしね。でも、福島の現地では、車両内のWBCで計測すると、BGを拾いすぎて話にならない。こんなのは、分かりきっている話だから。それで、あわててキャンベラの機械に変えたけど、あれでもそんなに精度は高くないし、そもそも精密に測れない。放射線の計測の基本から考えたら、明らか。きちんとエネルギーが拾えないから。」

 「札幌でも、他がきちんとやらないから、WBCを運用してみたけど、検査数値がきちんと出ているとはおもえなかった。これなら、尿検査の方が、きちんと数値が出る。内部被ばくの話を、WBCで測定して、ありませんなんて言うのは、お笑い話の世界。こんなことは、まともに放射線のことを調べたらすぐにわかる話なのに、これに入れ込んだ、科学畑の特定の新聞記者にも相当な問題があるね。」

 「本当に、被曝症状はこれからが本番。チェルノブイリでも見つかりだしたのが、4年後でしょ。これからどんどん大変なことがおきるのに、その危機意識がない連中も多い。」

 WBC、特に日本国内のWBC検査には、専門家の立場として、「役に立たない」という確信があるようで、この話は再三なさっていました。福島県がおこなっている調査のみならず、南相馬でWBC検査をして、問題が無いと言い続けている話を、彼は「非科学的」と思っている様子です。

 「甲状腺の、本当の意味での専門医がいるのかは、難しいよ。他の学会なら専門医として、認定するのは、それなりの試験やスクリーニングがあるけど、甲状腺は学会在籍年数で、専門医認定しているでしょ。こうした体制しかそもそもないから、例えば、ある甲状腺専門医が診断能力が低いことも、他のジャンルよりも、考えられると思うよ。」

 「本来的には、耳鼻咽喉科で、甲状腺のことをスクリーニングできて、手術歴のある専門医が最も望ましい。鎖骨より上は、一般の外科よりも、耳鼻咽喉科が本来のエリアだから。こうした観点でも、よくわかっている医者が、本当はどの位いるのかだよ。もう少し言うと、福島県立医大に、この意味で、本当のエキスパートがいるのかどうかということだ。」

 ただし、現況、福島で発見されている甲状腺がんに関しては、西尾先生は慎重な立場を示します。

 「福島の、今の甲状腺がんは、スクリーニングの結果、本来10年、20年して見つかっているものが早く見つかっていると思うんだ。要は、がん患者の登録が、診断されても、少数しかできていないのが、この国の医療体制の現実だから。その意味でも、この位、実は元々あっても、おかしくないと思う。甲状腺がんもこれから出てくるんだよ」

 僕は、この西尾先生の見解は、がん治療を長年続けていた臨床による感覚の産物と思います。そして、実は次の一言が、僕には、実は気にかかっています。

「もし、この被曝の影響で、これだけ甲状腺癌になるスピードが速まっているのなら、その癌細胞の悪性度は高いんですよ。そしたら、どんどん転移して、本当に大変なことになるよ。そんなことまでは、ならないんじゃないか。」

 本当に、そうならないことを祈りたいのですが、僕はこれを聞いた時に、とても嫌な感覚がよぎったことだけは、書き留めておこうと思います。

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  来月、僕がウクライナに行く可能性が出ています。現在、現地の細かい日程調整中で、確定をしたら、皆さんにもご連絡しますが、専門的な事で、ウクライナ現地で確認してほしい内容などがありましたら、私宛にメールください。ウクライナで、特に僕に紹介できる人や機関がある方も、個別にお知らせください。

 

 もし、現地などで何か協力できる方がいたら、そちらも宜しくお願いします。(現在、バンダジェフスキー博士とも話して、ウクライナ人のリサーチャーなどと打ち合わせながら、日程を作っている最中です。有益な情報は欲しいです。)


 なお、その前後で、ヨーロッパの別国空港より乗り継ぎで向かう可能性が高いです。今、その時にあわせて、簡単な講演会ができないのか、ある国で
企画が進んでいます。ヨーロッパ内でそうしたことなどに関心がある方が居ましたら、ご連絡を下さい。

 

 更に、これは、立ち寄るその都市周辺で、こちらが被曝関連で調査すべき人や対象があるので行くべきだとか、紹介できるという話なら、なお望ましいです。ヨーロッパまで行くときに、出来る限りのことはしておきたいので。

 

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とにかく一義的に僕への情報はメールで、投げるべきかどうかを迷っていてもメールへ、あなたが、相談したい類の話も一律メールで投げて下さい。 

 

僕のメールアドレス⇒nagaikenji20070927@yahoo.co.jp

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2 コメント

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西尾先生が健康管理調査の40名の小児甲状腺がんについて、 (梅谷)
2013-10-19 16:51:31
このように仰っていることを知りませんでした。記事公開ありがとうございます。
返信する
文脈。 (木下黄太)
2013-10-19 18:54:39
最低限の文脈が読めないコメント投稿を読むたびに、コメント欄を僕は閉じたくなっています。溜息。
返信する

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