脳辺雑記帖 (Nohhen-zahts)

脳病と心筋梗塞を患っての独り暮し、Rondo-Nth の生活・世相雑記。気まぐれ更新ですが、気長にお付合い下さい。

私とアスペルガー障害

2007年04月30日 11時06分42秒 | 発達障害
自閉症スペクトラムという言葉がある。
アインシュタインは4歳まで言葉を発しなかったというし、
マイクロソフトのビル・ゲイツも軽症のアスペルガー障害であるらしい。
両者はともに成功者ではあるが、自閉症スペクトラムに位置している人物である。

近年、アスペルガー障害(AS)に関心を持ち、関連書籍を渉猟してみた。
ウタ・フリスの『自閉症とアスペルガー症候群』(東京書籍)が一番面白かった。
ハンス・アスペルガーが診察していた子供たちの特徴に、
私自身の子供時代が重なって見えてくるのである。

ASと略記するが、これの厳密な定義や解釈には今尚、専門家でも見解が様々である。
ASは、自閉症の一種であるが、カナータイプと呼ばれる従来型の重症の自閉症に対して、
IQも人並み以上で、言語にも障害のない自閉症者ということになろう。

ASの人々の困難は、社会性、コミュニケーション、想像力にあるとされている。
これらの面で、健常者とは異なる脳器質と脳機能の「disorder」を有することにある。
これらのAS特徴は、10歳前後に顕著になるとも言われている。

逆に言えば、10歳前後まで自閉症とは気付かれず、
三歳児健診等でも発見できないために、
早期の療育的な対応が遅れがちになるということでもある。

私の場合にも、小学校4年生のときに数々の奇妙な言動や感覚が出てきた覚えがある。
自分の頭が「何故だか、おかしい」という自覚と、周囲の友達も私の「おかしさ」に気付くようになった。

例えば、数人の子供たちが輪になって話をワイワイしていても、私には話の筋がさっぱり分からないのである。A君が××と言えば、B君が△△と反応し、みんながドッと笑うというような場合など、やりとりされた言葉の字面の意味は理解できるのだが、人の輪の中の会話のキャッチ・ボールそのものが全く分からないのである。

これは私の知性のレベルとか、話題の特殊性とは関係ない。
平たく言えば、場の雰囲気の読めない奴ということになるが、
私の父親にも似た傾向があり、遺伝性の問題も考えられようか。

私には他にもAS特徴を示すエピソードは多々あるが、
自分の子供時代の奇妙さ(今日尚、その残滓はある。)のナゾが、
発達障害に原因があったのかと判ったときは、
目からウロコの落ちる思いがしたものである。

但し、私は未だ発達障害の専門家から本格的な診察を受けたことがないので、
正式にはどのように判定されるものかは分からない。
現在は、アスペルガー障害の特徴は、希薄化しているので、
広汎性発達障害の特定不能という分類に入るかもしれない、と自分では考えている。

メンタルヘルスブログ 精神科・心療内科




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1 コメント

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お詫びと訂正 (ユメノ・ロンド)
2010-04-11 19:17:45
私が読んで面白かったというウタ・フリスの本は
『自閉症の謎を解き明かす』(東京書籍)
(本邦訳第一作目)でした。
文中の本は第二作目のモノでして、私の記憶違いです。申し訳ありませんでした。

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