脳辺雑記帖 (Nohhen-zahts)

脳病と心筋梗塞を患っての独り暮し、Rondo-Nth の生活・世相雑記。気まぐれ更新ですが、気長にお付合い下さい。

生きていたんだよな。

2018年05月01日 16時36分15秒 | 雑談
ゴールデン・ウィークの頃になると決まって思い出す友人がいた。
彼は、高校のクラスメートで30代中頃のこの時期、ビルから飛び降り
自死した。ギター弾き語りで歌う、あいみょんの「生きていたんだよ
な」を聴いていて、ふと彼を思い出した。今となっては、自殺した彼
の存在も記憶も黄ばんだモノクロ写真のようだ。

彼はやんちゃな、ヒトを笑わせるのが好きな奴だった。妻子持ちのくせ
に勝手に生き詰まって、この「世界」というブラウン管の外側へ飛び出
してしまった。あいみょんの「生、き、テ、生きて、生きて、生き、テ、
生きて…」という歌の箇所は、辛い生き様へのねぎらいとも励ましとも、
共感とも感じる一方で、自分と自死者との切り離しも明白だと思う。

彼の葬式のとき、再会した高校の同級生たちは、皆わざとのように笑顔
だった。内心で彼の死について、悲しみと怒りを抱いていた様だった。
どうして、もっと生きようとしてくれなかったのか、という義憤なのだ
ろう。もう全てが大昔のことだ。あれが彼の出した結論だったのだ。

話換わって、四国で刑務所を脱走した20代の受刑者が、23日間逃走の末、
海の向こう広島市で捕まった。逃走中は盗難を繰り返し、泳いで海を渡
り、バイクを盗み更に鉄道で広島市内に入ったという。彼は脱走の動機
に、刑務所内の人間関係が嫌だったと語っているそうだ。

犯罪者にしても、塀の中でさえ生きるには、ままならないのである。
誰であれ、カネと人間関係と病気の問題は、死ぬまで人生につきまとう。
こうして生きている自分なんて、恵まれている方なんだと思えば、何に
対してだか感謝の気持ちが湧いてくるン、だよな。





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2 コメント

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Unknown (ケンスケ)
2018-05-01 18:42:59
私の次男が4月13日に自死いたしました
やはり35才でした
遺族奮闘中です
御子息の急逝、お悼み致します。 (Rondo)
2018-05-02 10:54:36
ケンスケさま。
謹啓。
4/13といえば、最近ではないですか!
35歳でしたか…。私の友人も35か36でした。
結婚して5年目位で、妻子があっての自死でした。
当時は彼の自殺衝動を止められなかった事に、
今頃になると思い返しては、痛恨と慚愧でした。

御子息様を自殺で亡くされたのでは、独身の私には、お掛けするに適切な言葉も持ち合わせませんが、今、さぞ辛い日々をお過ごしでしょうね。
敢えて言わせて頂ければ、彼は短い生涯なのに、ある究極の決断を全うして、空の彼方に去って逝かれたのです。当然、この死に遺族は納得出来ませんが、でも、彼の最期の意思とそこに至った彼の人生と人間性を最大に尊重してあげたいと思います。

謹んでご子息様のご冥福をお祈り申し上げます。
またどうか、ケンスケさま他ご家族様の、
健康まで損ねない様、どうぞご自愛下さい。
(ロンド)

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