私の母親は、年に何度か家事を全くしなくなる。
一時的ではあるが、体が脱力して歩行すら出来ない状態にもなる。
本人はただ「具合が悪い」から何も出来ないというのだが、しかし
そんな際でも、町内会やら信用金庫の旅行には出掛けたりする。
普段は朝10時まで寝ているヒトが、早起きしてバス旅行に参加する
のである。
このような母親は「新型うつ病」かとも思いたくなるが、
私の見立てでは、単なる神経症、ヒステリ . . . 本文を読む
六月である。庭ではあじさいが、雨に濡れながら咲き誇っている。
雨が降ると、近所の大通りにある交番から拡声器の声が響く。
「傘を差している方は、自転車から降りて自転車を押して下さい」
とハコ詰めの警官がどなっている。
最初聞いたときは、一瞬、エッ?と思った。つまり公権力が、
傘を差したまま自転車に乗るな、と注意・命令しているのである。
先頃、自転車の安全運転注意義務が強化され、傘差し片手運転禁止 . . . 本文を読む
近頃、私の住む町では、玄関前等に赤いバケツが置かれるようになった。
民家の街並みに点々と浮かぶ、この赤バケツの正体は、区が木造住宅向
けに2万個、1200万円の予算を掛けて配布した防災用の備えなのである。
首都直下型地震による大規模火災に備える、特に木造密集地域での初期
消火力を強化する、延焼を防止する等のため、赤バケツに常時水を張っ
て玄関先にでも置いておけというのが、区からのお達しらしい。
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嫉妬と劣等感は、親子のように顔がよく似ている。
両者は混ざり合うことも多く、判然と区別し難い処があるが、
どう違い、どのように心に生起するのだろうか?
両者は共に、負性(マイナス)の人間性である。私が思うに、
嫉妬は、愛情欲求から発する、満たされぬ愛の負の表出であり、
劣等感は、自尊心がマイナスとなった心の状態であろう。
嫉妬は「愛情」欲求に、劣等感は「承認」欲求に絡んでいる。
嫉妬は、他者に . . . 本文を読む