脳辺雑記帖 (Nohhen-zahts)

脳病と心筋梗塞を患っての独り暮し、Rondo-Nth の生活・世相雑記。気まぐれ更新ですが、気長にお付合い下さい。

アスペルガー障害とその周辺

2007年05月13日 10時28分18秒 | 発達障害
昨日(5/12)の朝日新聞の投書欄に、アスペルガー障害当事者の方が意見を寄せていた。障害を個性として受け入れる寛容な社会であって欲しい、というものだった。読んでいて少し引っ掛かったのは、「それほど障害を細分化し、「健常者」と区別することが必要でしょうか。」という個所である。

確かに、広汎性発達障害(PDD)、高機能自閉症、自閉症スペクトラム障害、アスペルガー障害(症候群)、学習障害(LD)、非言語性学習障害(NLD)、注意欠陥多動症(ADHD)、注意欠陥障害(ADD)などなど、言葉が氾濫気味な感じがする。

これらには、国際的な疾病分類上の用語もあれば、学術研究概念もある。またDSMやICDに採用されている分類用語でも、専門家間では定義や内容が違っていたりもする。脳器質障害、特に自閉症関係は謎が多いらしく、研究途上な分野なので仕方がないのであろう。

アスペやADHDなんて障害ではない。昔からそんな人は大勢いたし、社会の中で何とかやっていってるもんだ、という意見もあるのだろう。文科省が2002年に、全国の公立小中学校の普通科クラスを対象に、発達障害の実態調査をしたことがある。発達障害の可能性のある児童・生徒は、全体の6.3%という結果がでた。

生まれついての脳器質は死ぬまで変わらないので、日本の総人口にこの率を当てはめると、800万人になる。くすしくも現在のブログ人口が800万と言われているが、発達障害者は、ブログをやる人くらい、ありふれて存在していることになる。

では、この800万人を全て障害者として認定し位置付けるべきであろうか?発達障害はその程度や特徴は一人一人が異なっている。また年齢とともに障害特徴は希薄化していくのが一般的ではある。これは「治る」ということとは違う。脳器質のオルガニックなハンデは一生ものなのである。「社会的治癒」という便利な言葉があるが、その状態・状況に移行するだけのことである。

障害が、生きていく上での躓きの石として「障碍」である人は、障害程度の軽重に拘わらず、障害者として認定され、ある種の保護を受けるに値するものと考える。

近年、子供や未青年の発達障害は話題、社会問題になっているが、一般成人のそれが余りにも対応が遅れすぎている。等閑に付されているという感じである。無料の健康診断やガン検診の案内が、保健所から年に2回位届くが、希望者には、発達障害の無料検査も五年に1回くらいの割合で出来ないものだろうか、と思う処である。

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2 コメント

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Unknown (やま)
2007-10-06 23:11:13
あの わたしはアスペルガー型自閉症とわかった成人です。

それでわたしたち、どうしたらいいんでしょう!?

いきなりアスペルガーだと診断されてわかったところで、

だからどうしたらいいんでしょう?!

なんか世の中から一気に捨てられた気分です。
拝啓 (ユメノ・ロンド)
2007-10-07 17:06:21
やま様へ

初めまして。返事が遅れて申し訳なかったです。
障害の告知とその受容という、重いテーマですね。
このコメント欄では、私の手に負いかねます。

ですが、アスペルガーであれ、その他の発達障害であれ、それは、当事者その人の、人格や心の全てではなく、その一部分に過ぎないものと、思っています。

私も、統合失調症(或いは非定型精神病)と記載された診断書を初めて目にしたとき、自分は要するに「キ印」か、
やまさん同様、「なんか世の中から一気に捨てられた気分」状態に陥りはしました。

私は今は、自分の発達障害問題については、深く考えないようにしています。とにかく世の中に適応するノウハウを磨くしかないと、そっちの方に焦点を絞っています。

御自身をいとおしみ、何と名が付されようが、自分は世界で唯一のこの自分でしかないのだと、自分自身に肯定感や自信を育んでいく必要があると思います。

自身の弱点をうまくカバーするよう心掛け、ありのままの自分がどうしたらうまく生きられるか、その道は各自が模索するしかない、と思っております。
                  ユメノ・ロンド拝


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