宮城県栄養士会 食のコラム

「食と健康」についての情報発信!!

乳酸菌で便秘解消!

2017年06月15日 | 日記
日本内科学会によると便秘とは「3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態」と定義されています。便秘には様々な原因があり、それぞれのタイプによって対処方法が異なってきます。
今回は食生活の改善で腸内環境を整え、便秘を改善する方法をご紹介いたします。

腸内環境が整っている状態とは
健康な人の腸内では、100を超える種類の腸内細菌が約100兆個、総重量約1kgもせめぎ合いながら棲息しています。これらの菌は、それぞれの働きによって、善玉菌・悪玉菌・日和見菌の3つに分けられます。日和見菌は優勢な方の菌の味方をします。腸内環境が整っている状態とは、「善玉菌が悪玉菌よりも優勢に保たれている状態(善玉菌約20%、悪玉菌約10%、日和見菌約70%)」を指します。

乳酸菌の整腸作用について
善玉菌の一種である乳酸菌は大腸でオリゴ糖や食物繊維などをエサにして乳酸を作りだします。この乳酸により、腸壁が刺激され腸の蠕動運動が活発になり、排便が促されます。

腸内環境を整えるには
1)悪玉菌が増えすぎないようにする
・悪玉菌のエサとなる、動物性のたんぱく質・脂肪を多く含む食品(肉類など)を摂り過ぎないようにする
・不規則な生活習慣や運動不足の改善をする
・ストレスを軽減する
2)善玉菌(乳酸菌・ビフィズス菌など)を増やすようにする

善玉菌を増やす方法とは
①乳酸菌・ビフィズス菌を多く含む食品を摂る
・ヨーグルト・乳酸菌飲料・チーズなどの乳製品 
・漬物・キムチ・味噌・しょうゆ・納豆などの発酵食品
 
②善玉菌のエサ(オリゴ糖、食物繊維)を多く含む食品を摂る
(オリゴ糖を多く含む食品)
牛乳・ヨーグルト・玉葱・アスパラガス・ゴボウ・バナナ・りんご・キャベツ
・ブロッコリー・トウモロコシ・ニンニク・大豆・納豆・しょうゆ・味噌

・はちみつ・じゃがいもなど

(食物繊維を多く含む食品)
オクラ・納豆・ごぼう・りんご・キウイ・こんにゃく・豆類・海藻類・きのこ類
芋類・玄米・大麦など

*乳酸菌やビフィズス菌などを多く含む食品だけではなく、エサとなるオリゴ糖や食物繊維を多く含む食品と一緒に摂ることで、効果的に整腸作用が発揮されます。
腸内環境は、年齢や生活習慣、遺伝的な要素などによって各人で異なるので、自分にあった善玉菌を見つける事が大切になります。複数の食材から様々な種類の乳酸菌を摂り入れて試してみましょう。また外部から摂り入れた乳酸菌は長時間留まることはなく、便と一緒に排出されるので、日々摂り入れることも大切です。

以上のような食生活の実践から腸内環境を整え、便秘を解消してみませんか!

参考
一般社団法人 全国発酵乳乳酸菌飲料協会ホームページ
www.nyusankin.or.jp

6月は歯と口の健康週間~虫歯予防~

2017年06月01日 | 日記
1928年(昭和3年)から日本歯科医師会が、「6(む)4(し)」にちなんで6月4日に「虫歯予防デー」、そして6月4日~6月10日が「歯と口の健康週間」になっています。
口の中が健康な状態なら、美味しく食べることができます。
虫歯が痛い、歯周病で歯がグラグラ動くなど口腔機能が悪くなると、食事どころではなくなり、栄養状態も悪化することで、口腔機能の悪化はますます進んでしまいます。
口腔機能の健康維持のために、バランスのとれた食事、糖分(ショ糖)の摂取を控えめにするなどに気を付けることが大切です。
特に虫歯予防については、少しずつ溶け出す歯の成分を元の状態に戻してくれるのが「唾液」です。唾液は良く噛むことで分泌されやすくなります。そこで、少し噛みにくいもの、例えばリンゴやゴボウなどの食物繊維を多く含む食品をしっかり良く噛んで食べることが虫歯予防にも繋がります。
また、歯は骨の一部。骨を強くすることで有名な栄養素であるカルシウム、それからカルシウムの吸収を助けてくれるビタミンDも歯を強くするためにお勧めです。小魚などにはカルシウムもビタミンDも多く含まれています。
子供のころからの規則正しい生活習慣が、口の健康を守り五感で味わえる喫食を生涯できることへと繋がるため、歯磨き(衛生管理)も忘れずおこなうようにしましょう。

参考文献:歯を守る栄養学と全身の健康-世界保健機関(WHO)
       日本歯科医師会
イラスト イラスト満タン