ムジカの写真帳

世界はキラキラおもちゃ箱・写真館
写真に俳句や短歌を添えてつづります。

片身の月

2017-12-24 04:19:17 | 短歌





しなてるや 片身の月は 照り映えて われせぬわれを いたくぬらせり




*「しなてるや(級照るや)」は「鳰の海」や「片」にかかる枕詞です。用例を何度も重ねていくと身につきますね。枕詞は積極的に使いましょう。歌が詠みやすくなります。

「片身の月」とは要するに半月のことだ。上弦か下弦かはこの言葉からは特定できないが、わたしたちが言う時はほとんどが上弦の意です。これから太っていく月。わたしたちはこの言葉に、半身を欠くほどのはげしい喪失を経験しながらも、そこから自分を立てなおしていく人類の夢をかけているのです。

片身だけの月、要するに上弦の月は照り映えて、自分をやらない自分を、その光で痛く濡らしている。

まあなんとなくわかるでしょう。そろそろ人間は変わり始めている。自分というものがわかってきて、次の段階に入るべく準備をしているのです。もはや次の段階に入った人もいる。それなのに、未だに何も知らなかった時代の幻にこだわって、何もしようとしない人がいる。そのような人を、変っていく自分を肯定している人々が、冷たく見ている。

もうそろそろこんな世の中は終わりだというのに、未だに、馬鹿なことをやれる人が得する、古い世の中にこだわろうとしている。そういう世の中であれば、馬鹿でも生きていける。いや、馬鹿の方が偉くなれるからだ。

だがもう、その馬鹿は通用しない。馬鹿が何を考えて、何をしてきたかを、人類が知ったからです。

馬鹿なことをやって人を馬鹿にすれば、自分がいいものになれる世の中だった。その時になしたあらゆることが、今反動となってどんどん自分に返ってきているのに、自分には何もできない。だれかに助けを請おうにも、人を馬鹿にしすぎているので、誰も助けてはくれない。

そういう馬鹿は、人類の進化の扉が開いて、その向こうから吹く風におびえている。何もかもを失うどころか、人類の際にもいることができない自分の真実を知らねばならない。

馬鹿なことをして、愛を裏切り続けていくと、もう親の家にもいられないのです。すべてに嫌われる。何もできないのに何もない。すべてが離れていく。そんな窒息しそうな人生が、波のように押し寄せてきている。

馬鹿の末路は厳しいものです。もうわかったでしょう。

ずるいことや悪いことばかりして、人を馬鹿にして、自分ばかりいいことにしてきた人は、みなそういうことになったのです。

馬鹿が栄えていた時代に、こうなることを何も知らずに傲慢にやったことが、今は恥ずかしいほどつらいでしょう。だがもう遅い。わたしたちは何度も言ってあげたはずだが。

聞く耳を持たなかった自分の方が悪いのです。すべては自分の責任です。だれのせいにすることもできません。






この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« よしもなきもの | トップ | 月を罪 »
最新の画像もっと見る

短歌」カテゴリの最新記事