平成徒然草~つれづれなるままに日暮里~

酒とギャンブルとストレスの日々

映画の中の競馬場(2)

2023年03月05日 | 映画の中の競馬場
久しぶりのブログで、久しぶりの「映画の中の競馬場」。
第1回の「大森林に向かって立て」から約3年を要した第2回は「樹氷悲歌(じゅひょうエレジー)」。

「樹氷悲歌」(1971年、ダイニチ、湯浅憲明監督)は、タイトルから競馬場が出てくるように思えなかったのが迂闊だったが、オープニングとラストに上山競馬場の全景が大きく映る。

しかし、競馬場の走路は分かるものの、スタンドがない。
これだけでは競馬場かどうかわかりづらいが、スタンドの階段席とパトロールタワーと思われる鉄骨に僅かに名残りを感じる。
撮影した時期は、ちょうどスタンド改築の真っ最中だったのだろう。

国民的名馬ハイセイコーがデビューするのはこの1年後。さらに翌年に中央競馬のクラシック戦線で活躍し大ブームを巻き起こす。
競馬に勢いがあった頃だから、上山競馬場もそれなりに売り上げが増加していたはずだ。

上山競馬場と映画と言えば、この映画の3年前(1968年)の「喜劇 競馬必勝法一発勝負」(東映、瀬川昌治監督)がある。
主演の谷啓が競馬事務所長を演じていた当時のスタンドが取り壊されてしまったわけだ。
映画を見比べて間違いなく同じ競馬場だとわかるのが、ゴールポストと、その隣にある着順掲示棟の小さな小屋。
これらは全く同じだった。

主演は関根恵子で、相手役の篠田三郎が騎手(実家は旅館)という設定。
上京して騎手になったようだが、地方競馬の騎手ではなくて、中央競馬の騎手と思われる。

この映画の評価は、映画データサイトと販売サイトでかなり異なるが、それは分からないでもない。
つれ日の評価としては、その中間くらいが妥当ではないかと思う。
この頃の関根恵子主演の映画は、同じシリーズとして括られているが、デビュー作の「高校生ブルース」などとはちょっと路線が違っている。