八千種(やちくさ)に 草木を植ゑて 時ごとに
咲かむ花をし 見つつしのはな
=巻20-4314 大伴家持=
いろいろな草木を植えて、季節ごとに咲く花を愛で偲びたいものだ。 という意味。
大伴家持は内舎人(うどねり)として聖武天皇に仕え、越中守として赴任していた(746~751)が、
少納言に任ぜられ帰京後、天平勝宝6年(754年)兵部少輔になったとある。
大伴家持がその年(754)の7月28日に詠んだ歌。
この歌の作られた少し前、7月19日に聖武天皇の母である太皇太后藤原宮子が崩御している。服喪期間中の作とみられる。
いろいろな草木を愛でながら脳裏で人を偲んでいるかのような、透き通った静かな心境で詠われたのであろう。
戸倉支所前の歩道に咲く花
この万葉歌碑は千曲市戸倉の千曲市役所戸倉支所前の歩道に全部で4基置かれているうちのひとつ。