(万葉の散歩道マップ:クリックすると拡大表示します)
名古屋から地下鉄東山線で18分、東山動植物園がある。
正面から入ると動物園があり、スカイタワーを眺めながら1km程歩くと、やっと植物園に出る。さらに進んだところに合掌造りの家が見えてきた。このあたりから「万葉の散歩道」が始まる。小さな池のほとりをいくつか過ぎ、小高い丘の斜面を登りもと来た方角に下っていく。およそ1kmの道のりに万葉植物や薬草に関する万葉の歌碑と立て札が点在している。万葉歌は市民からの公募により100首程選ばれたという。歌碑や立て札のそばにその植物が植えられている。花の季節には見ごたえがあるだろうが、初冬の今の時期では花々は見られず、草木も枯れて見当たらないものもあった。しかし手入れも行き届いており、花の季節の雰囲気は十分感じられる散策路であった。
万葉歌碑14基のうち11基を確認できたが、残り3基は確認できなかった。
「万葉の散歩道」の碑
1.ささ杉
味酒(うまさけ)を三輪の祝(はふり)がいはふ杉
手触れし罪か君に逢ひかたき 巻4-712 丹波大女娘子
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2.あじさい
あじさいの八重咲くごとく八つ代にを
いませ我が背子見つつ偲はむ 巻20-4448 橘諸兄
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3.たけ
我がやどのい笹群竹(むらたけ)吹く風の
音のかそけきこの夕(ゆふべ)かも 巻19-4291 大伴家持
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4.さきくさ
春さればまづさきくさの幸(さき)くあらば
後(のち)にも逢はむな恋ひそ我妹(わぎも) 巻10-1895 柿本人麻呂歌集
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5.うめ
我が園に梅の花散るひさかたの
天(あめ)より雪の流れ来るかも 巻5-822 大伴旅人
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6.さくら
あしひきの山の間照らす桜花
この春雨に散りゆかむかも 巻10-1864 柿本人麻呂歌集
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7.思い草
道の辺(へ)の尾花が下の思ひ草
今さらさらに何をか思はむ 巻10-2270 作者不詳
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8.あふち
妹(いも)が見し楝(あふち)の花は散りぬべし
我が泣く涙いまだ千(ひ)なくに 巻5-798 山上憶良
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9.秋の七草
秋の野に咲きたる花を指(および)折り
かき数(かぞ)ふれば七種(ななくさ)の花 巻8-1537 山上憶良
萩の花尾花葛花なでしこの花
をみなへしまた藤袴朝顔の花 巻8-1538 山上憶良
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10.ふぢ
藤波の花は盛りになりにけり
奈良の都を思ほすや君 巻3-330 大伴四綱
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11.つつじ
水伝ふ磯の浦廻(うらみ)の岩つつじ
茂(も)く咲く道をまたも見むかも 巻2-185 作者不詳
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<今回未確認歌碑>
12.ハンノキ
引馬野ににほふ榛原入り乱れ
衣にほはせ旅のしるしに 巻1-57 長奥麻呂
13.岩つな
石つなの またをちかへり あをによし
奈良の都を またも見むかも 巻6-1046 作者不詳
14.はぎ
高円の 野辺の秋萩 いたづらに
咲きか散るたむ 見る人なしに 巻2-231 笠金村