石走(いはばし)る 垂水(たるみ)の水の はしきやし
君に恋ふらく 我が心から
=巻12-3025 作者未詳=
“石走る”滝の水が、いとおしい。君に恋してる。僕は心から。という意味。
“石走る”の万葉歌は、志貴皇子の歌が、あまりにも有名だが、
私は志貴皇子の歌に隠れて目立たない、この歌に惹かれる。
阪急南千里駅近くに、「千里南公園」というかなり大きな公園がある。
公園内に芭蕉や与謝野晶子の俳句や短歌と、万葉集などの句碑・歌碑が建っている。
私は43歳の時、大阪に赴任し御堂筋線「緑地公園」に家族と共に移り住んでいた。
「千里南公園」は家から自転車で程なく行けるところで、散策した思い出がある。
写真はその当時、何気なく写した歌碑であったが、今万葉アルバムを整理していると、無性に懐かしさがこみ上げてくる。風景や歌碑の写真は写した当時の自分史と照らし合わせて想い出を鮮明にしてくれる。