日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

錦繍の飛騨を行く 2016 - 帰着

2016-11-13 23:58:05 | 北陸
帰宅しました。帰りに寄った北陸では思わず眉を顰めるような現実に直面し、蛇足同然の結果となってしまいましたが、二日にわたり快晴に恵まれ、高山の紅葉の最盛期にも重なったのは幸いでした。
次週は土日と勤労感謝の日の谷間を休み、五日の日程で再び九州へ遠征します。三日を超える旅は年内最後、それが終われば近畿以西への遠征も一応の完結となる見込みです。
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錦繍の飛騨を行く 2016 - かがやき518号

2016-11-13 21:26:19 | 北陸
最終の新幹線で帰ります。運用につくのは久々の乗車となる西日本所属車です。
新幹線の開業前は、最終の上越新幹線に接続する「北越」が金沢を出るのが七時前、富山を出るのが七時半でした。それが今では二時間前後も繰り上がったわけで、便利な時代になったともいえます。ただし、今日に関する限りは浮いた時間を持て余し、開業前のダイヤでも余裕で帰れる状況でした。高岡から乗る場合、新幹線への乗り換え駅が長岡から富山に変わっただけであり、乗り換えの手間については全く変わりません。金沢、富山の両駅以外に新幹線の恩恵がほとんどないという現実を、如実に物語る結果です。むしろ在来線の無惨な姿を一度ならず二度までも見せつけられ、北陸新幹線がもたらした弊害をまたしても実感させられました。
多くの代償と引き替えに開業した北陸新幹線ですが、「かがやき」に関していえば今回も空いています。がら空きだった前回の乗車よりましとはいえ、「はやぶさ」「のぞみ」の最終列車と比べても乗車率の違いは明らかです。「はくたか」がそこそこの乗車率であることを考えると、全車指定の上に高崎にすら停まらない使い勝手の悪さが敬遠されているのでしょうか。真相はさておき、速い上に空いているのは助かります。

★富山2120/かがやき518(3518E)/2332東京
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錦繍の飛騨を行く 2016 - 小馬

2016-11-13 20:32:49 | B級グルメ
今回悩ましかったのは、旅をどのようにして締めくくるかです。明るいうちに高山を出て富山に着くとすると、最終の新幹線まで四時間半が残ります。しかるに日曜の富山では呑み屋の選択肢が皆無に近く、頼みの綱の「真酒亭」も年内の日曜は全休です。金沢ならば日曜でも豊富な選択肢があるものの、都市間の移動はもちろん駅と市街の間の行き来にも一手間かかり、交通費が嵩むばかりか持ち時間も削られて、二軒はしごするのがせいぜいとなります。その結果中間の高岡まで足を延ばし、「たかまさ」で一献傾けた後、時間が余れば富山で店を探すという選択に至ったわけです。
しかし予想通りというか何というか、富山に戻って駅前の呑み屋街を歩いても、これはという店がないのは明らかでした。もちろん高岡で一献傾けてはおり、呑み足りないわけではありません。413系の乗車で締めくくることができれば有終の美だったともいえます。しかし車掌によるあるまじき行いがそれを台無しにしました。旅の終わりがあれでは後味が悪すぎるというものでしょう。ならばどのようにして幕を引くかと考えたとき、浮かんできたのがオムライスの「小馬」でした。昭和の頃から時が止まったような店内で、クラシックの優雅な調べを聴きつつ名物のオムライスをいただけば、荒んだ気分が多少なりとも癒されるようです。

小馬
富山市桜町1-7 平岡ビル2F
076-432-1082
平日 900AM-2200PM(LO)
金曜・土曜 900AM-2300PM(LO)
ふんわりオムライスSサイズ780円
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錦繍の飛騨を行く 2016 - 続・嘆かわしい現実

2016-11-13 19:05:54 | 北陸
一献傾けて駅に戻ると、当駅始発の413系が発車を待っていました。しかしここでまたしても嘆かわしい現実を目の当たりにしました。車掌が暇つぶしに携帯電話をいじっていたのです。
業務用の携帯電話もあるとは聞いています。しかしこちらの視線に気付いたときの狼狽ぶりからして、少なくとも正当な理由による使用ではないのでしょう。まあ気が緩むことは誰にでもあり、こちらも他人様のことをとやかく言える立場ではありません。正義感を振りかざし、現場写真をWeb上にばらまくようなことはしないつもりです。しかし、緩んだ体質が現場にまで蔓延していることはよく分かりました。新幹線の開業前、乗務員の有志により手製の惜別ポスターが張り出されているのを見て、当局はともかく現場には良心が残っていると思ったものですが、今やそれすら失われてしまったのでしょうか。もはや救いようがありません。

★高岡1905/481M/1923富山
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錦繍の飛騨を行く 2016 - 居酒屋たかまさ

2016-11-13 17:18:23 | 居酒屋
北陸本線の残像を413系に求めたつもりが、不愉快な現実を見せつけられてしまいました。列車を待つ乗客で溢れかえったホームを見て、一時は乗車を取り止めようとさえ思いました。それでも結局乗車したのは、ホームが混んでいた割に車内がそれほど混まなかったことによるところが一つ。そして何より、高岡に年中無休の名酒場が控えているからに他なりません。駅前の「たかまさ」で一献傾けます。
富山駅と同様に路面電車の乗り場と一体化され、面目を一新したかに見える高岡駅ですが、それは表の顔に過ぎません。駅周辺にはもぬけの殻になったビルが点在し、新幹線に素通りされた高岡市街の寂れようを無言のうちに物語っています。日曜の晩だけに呑み屋街の明かりもほとんどなく、それが余計にうらぶれて感じられる理由でもあるのでしょう。そのような中、唯一気を吐く人気店がここです。
五時過ぎという時間帯ながら、カウンターの両端にはそれぞれ二人組の先客が。奥の座敷にも家族連れがいて、大人数のお客は二階席へと上がっていきます。先週訪ねた「葉牡丹」は別格としても、市街のうらぶれようを考えれば相当な賑わいです。廃れた市街と賑わう店内の対比は和歌山の「千里十里」を彷彿とさせるものがあります。
前回ここを訪ねたのは、新幹線の開業を間近に控えた去年の二月でした。暦こそ立春を過ぎたとはいえ、帰りの「北越」が強風のため運転見合わせに追い込まれるなど、春は名のみで冬の名残を色濃く感じる時期でした。そのような時期だけに日本海の幸も豊富で、彩り豊かで一手間かかった刺身の盛り合わせに感服させられたものです。その後季節は巡って再び冬が訪れ、この店の品書きも本領発揮の様相を呈してきました。目の前のガラスケースも目移りするようなネタで埋め尽くされています。その結果今回も必然的に盛り合わせを注文。今が走りである氷見の鰤はさすがに入らなかったものの、本鮪のトロを筆頭に〆鯖、サス、カンパチ、アオリイカ、さらには昆布〆を加えた六点盛りです。野菜や味噌を使った飛騨の素朴な品々にもあれはあれでよさがあるとはいえ、華やかさに関してはこちらが断然勝っています。まだ初冬と呼ぶべき時期ではありますが、酒場の品書きは早くも最盛期にさしかかった感があります。来月の福井も楽しみです。

居酒屋たかまさ
高岡市末広町42
0766-24-5745
1500PM-2400PM(日祝日 -2200PM)
正月休業

成政・苗加屋
突き出し(梅貝)
造り盛合せ
おでん二品
ガメエビ唐揚
味噌汁
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錦繍の飛騨を行く 2016 - 嘆かわしい現実

2016-11-13 16:47:03 | 北陸
宮川、神通川に沿って富山平野に下りると、冠雪した立山連峰の上に丸い月が浮かぶという見事な車窓が。富山に到着後、同じホームに進入してきた金沢行の普通列車に乗り継ぎました。
新幹線の開業後、見るも無惨な姿に貶められてしまったかつての北陸本線ですが、413系は少数ながらも残りました。その413系の乗車を兼ねて、高岡で一献傾けようという寸法です。ありがたいことに、やってきたのは北陸色もそのままのトップナンバーでした。

それはよいのですが、またしても嘆かわしい現実を見せつけられました。高架化された在来線のホームが明らかに狭いのです。島式ホームの先端を切り欠いた1面3線なのですが、全体の幅自体がお世辞にも広いとはいえず、特に切り欠かれた部分については列車の通過時を考えると心許ありません。長距離列車が頻繁に発着していた北陸本線時代と違い、短編成の普通列車ばかりとなったことから、この程度の幅で十分と考えたのでしょうか。しかし、ホームが集約された結果、列車が入線するのは必然的に発車の直前となり、この列車の入線時も乗客がホームから溢れんばかりになっていました。この事業者の眼中には合理化、省力化しかなく、安全性、利便性など端から度外視なのだという事実を、改めて見せつけられる光景でした。
事業者の姿勢が論外なのはもちろんです。しかしそれ以前の問題として、このような事業者を野放しにする我が国の交通政策がそもそもどうなのかという疑問が湧いてきます。極度なまでに新幹線に偏重した国策がこのような結果を招いたわけであり、今後も同様の例が出現する可能性は否定できません。悪質な事業者に対しては、是正勧告、改善命令、場合によっては免許の取り消しまで含めた厳しい姿勢で臨むべきだと思うのですが。新幹線を通せば終わり、後は野となれ山となれではあまりに無責任です。

★富山1646/440M/1703高岡
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錦繍の飛騨を行く 2016 - ひだ11号

2016-11-13 15:17:55 | 東海
二時半を回ったところで切り上げ、宿で荷物を引き取って駅に移動してきました。富山行の列車で高山を後にします。
昨日に続き雲一つない快晴となっただけに、日没まで粘りたいのはやまやまだったのです。しかし粘るといっても、この時期なら四時前後には西日が山の陰に隠れるでしょう。つまり実質的には一時間ほど滞在が延びるに過ぎません。ならば多少の未練を残しつつも切り上げ、富山まで全区間明るいうちに乗れた方がよかろうと考えました。

紅葉狩りに時間を使いすぎ、町歩きについては中途半端な結果に終わりました。しかし、市街の方には相当数の観光客が出ていたことを考えると、この程度の配分がちょうどよかったともいえます。
ただし相当数とはいっても、京都に比べればどうということのない数ではありました。街の規模を考えれば当然の結果ではありますが、それだけが理由ではなさそうだということも分かりました。というのは、京都と違ってどこもかしこも紅葉というわけではなく、本当に見事なのは城山公園だけといっても過言ではない状況だったのです。これは、山門、楼門、お堂にお宮といった絵になる点景があまりなく、単に紅葉だけを眺めているということでもあります。それだけに、これが高山でしか見られない紅葉かといえばそういうわけではないものの、快晴の空の下で見事な紅葉を鑑賞できた幸運には感謝すべきでしょう。
晩秋から初冬の時期については、今回の滞在でこれが最高だといえるものを体感できたような気がしています。雪に埋もれた冬場に再訪するのが次なる課題となりそうです。

★高山1510/ひだ11(1031D)/1636富山
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錦繍の飛騨を行く 2016 - やよいそば

2016-11-13 13:58:19 | B級グルメ
見事な紅葉に加えて城址の広大さもあり、紅葉狩りに延々三時間を費やしました。限られた残り時間をどう使うか思案の末、観光客の少なさそうな市街の東端を歩いてきました。列車の時間が気になり始め、昼抜きという選択も検討すべきところです。その一方で空腹感も限界に近く、夜まで飲まず食わずで通すのは厳しいものがあります。そのような状況で思い出したのが、宮川の橋のたもとにあった中華そばの店です。その「やよいそば」に飛び込みました。
去年訪ねたときの記憶から、店があるのは橋を渡った先の交差点と認識していました。しかし店はその少し手前に現れ、しかも道路の反対側でした。勘違いだったか思いながらも一旦店を通り過ぎ、記憶を頼りに交差点へ向かって歩くと、同じ暖簾を掲げたもう一軒の店が。扁額には「角店」とあり、最初に見かけた方には本店とあります。このような場合、支店の方が得てして空いているのは分かっています。迷わずこちらの暖簾をくぐるという顛末です。
市街に中華そばの店が数多ある中、この店を記憶していたのは、いかにも老舗らしい虚飾のない店構えがよかったからです。そして店内は店構えから想像した以上でした。客席はカウンター一本に相席の大きなテーブル一つだけと潔く、そのカウンターとテーブルにはいずれも立派な一枚板が奢られ、椅子も丸太で造られています。そして特筆すべきは割り箸に杉の間伐材が使われており、ほのかに木の香りが漂ってくることです。「エコ」なる大義名分の下、麺類を扱うにもかかわらず使いづらくて味気ない樹脂製の箸を出す店も多い中、割り箸一つにもこだわるところは心憎いものがあります。
主役の中華そばも秀作でした。まず驚いたのは提供時間の早さです。その秘訣であろう極細の麺は、語弊を恐れずいうならカップヌードルの麺をそのまま細くしたような形状をしており、喉越し、味わいとも申し分ありません。寸胴には真っ黒な醤油ダレがなみなみと満たされており、それを使ったスープは同じく濃い色をしていて、見るからにうまそうな厚切りのチャーシューが基本の中華そばにも三枚乗ります。これにメンマを加えて葱を散らした出で立ちは、信州で度々世話になっている「大石家」を彷彿とさせ、味わいの骨格も似通っています。あちらと同様旨味の凝縮されたチャーシューは絶品で、これなら300円増のチャーシューメンをいただいてみるのもよさそうに思われました。もちろん汁一滴残さず完食です。

やよいそば 角店
高山市七日町1-43
0577-32-2088
1100AM-1800PM(冬季 -1700PM)
火曜定休
大盛830円
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錦繍の飛騨を行く 2016 - 城山公園

2016-11-13 09:57:31 | 東海
こちらが出るのを見計らったかのように空が晴れてきました。しかしこの時間にもなれば相当数の観光客が出ているでしょう。古い町並みは敬遠し、穴場を探し求めて訪れたのは城山公園です。紅葉は期待通り鮮やかに色づいており、小高い山から見渡す高山市街と、彼方に突き出た雪山の眺めも上々。眼下の市街を大勢の観光客が闊歩する中、こちらは時折行き交う人の姿もほとんどなく、うららかな日差しの中で小鳥がさえずる長閑な雰囲気です。
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錦繍の飛騨を行く 2016 - 二日目

2016-11-13 09:15:42 | 東海
おはようございます。先週末の高知ほどではないにしても、昨夜は思った以上の深酒をしてしまいました。若干酔いが残ったため、朝食をいただいてからしばらく横になり、これから出発するところです。
このような状態だけに、早起きして宿の周囲を散策するなどという芸当も当然できませんでした。ただしそれだけが理由ではありません。濃い霧が出ていてなかなか明るくならなかったのです。九時を回ってようやく明るくなってはきたものの、すぐに日が射してきそうな気配はありません。ただし予報の上では終日晴となっています。せっかくの紅葉も曇り空の下では絵になりにくいだけに、なるべく早く晴れてくれることを期待したいものです。
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