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[hoshizukiyo ni aetara] 古都散策や仏像、文楽、DEAN FUJIOKAさんのことなどを・・・。 

永楽館柿落大歌舞伎  観劇メモ(2)

2008-08-05 | 観劇メモ(伝統芸能系)

少しでも記憶があるうちに口上の雰囲気をレポしてみたいと思います。
これからご覧になる人で、楽しみをとっておきたい方は、ここから先は読まないで
くださいね~♪
アツさのせいで記憶力が無惨ですが、そこんとこどうかヨロシクです~。
なお、口上は「操り三番叟」と「奴道成寺」の間。二番目にありました。

公演名     永楽館柿落大歌舞伎
劇場      出石永楽館
観劇日     2008年8月3日(日)



二、永楽館柿落記念 口上
片岡愛之助  中村壱太郎  片岡秀太郎

幕が開くと三人並んで裃付きの衣装。(上の絵看板のような感じ。)
真ん中は秀太郎さん、上手に愛之助さん、下手に壱太郎さん。
三人三様の金刺繍の定紋。もちろん愛之助さんは追いかけ五枚銀杏です。

まずは秀太郎さんから。
名乗りの後、演目や劇場についてのお話など。
こけら落としなのでおめでたい三番叟を選んだそうで、その中でもひじょうに人気
のある「操り三番叟」に。上方ということで、成駒屋さんにも入って頂き、人形の
前に、翁(秀太郎さん)と千歳(壱太郎さん)も登場させたとのこと。
永楽館は古くからの上方のやり方を残した劇場で、まず御簾の位置が普通とは逆の
上手にあることを紹介。「御簾から花道が見えて演奏がやりやすいんですね」。
それから、幕だまりが下手にあり、幕開き、幕引きが現在とは逆になっているそう。
(個人的には、つまり文楽と同じということで腑に落ちました。)
今日は三方に礼をする時も上方の古いやり方で、上手、下手、正面と、前に扇子を
置き換えて礼をしますと、軽く実演してくださいました。
口上の最後に「隅から隅までずいっと・・・」というのは普通座頭がやるもので、
本来なら愛之助さんなのですが、父をさしおいてそれはできない、みたいなことに
なったそうで、「ですから今回、愛之助は『乞い願い』だけを言います」と。
ふと見ると、俯いたまま待機している愛之助さんが、その部分に反応して笑ってい
るじゃないですか♪
(おん願い、ではなく、乞い願い、とおっしゃってたと思います。)
「豊岡には亡父である十三代目仁左衛門に連れられてよく来ましたが、出石には
息子に連れて来てもらいました」と言うと、ここでも俯いて笑っている愛之助さん♪
壱太郎さんの曾祖父にあたる二代目雁治郎さんが、この劇場の舞台に出られていた
という話も聞けました。

愛之助さん。
名乗りの後、「本日はお暑い中、お越しいただきありがとうございます」に続けて
「ここはほんとにアツくて、やってて汗がぽたぽた落ちるんですねえ」。
そう言っただけで客席から笑いが起き、劇場全体がなごんだ感じです。
そして「私たちもアツイですが、皆さんもアツイと思います」と労って頂きました。
この劇場にはまだ何もない建設中に一度来て、次に舞台稽古で来て、提灯や広告看
板も全部上がっているのを見たら、ああいいなあと感じました、とのこと。
「ここは昔のまま利用していますから。この劇場を復元するために2年間(←ここ
実は22年間と聞こえました。)も情熱を持って進めて来られた方々のことを思うと
ここでこけら落としの舞台に出させて頂けるのはひじょうにありがたいと思ってい
ます」。
「操り三番叟」は2回目で、前回はホールのような舞台での上演だったので、こう
いう芝居小屋で踊るのは初めてだそう。もう一つの「奴道成寺」のほうは、今回は
藤間先生に振付けて頂いて道行をやらせて頂きます、とのことでした。
「これからも永楽館をよろしくお願いします。今日は皆さん、どうぞ楽しんで帰っ
てください」と。
「今日はちょうど壱太郎さんのお誕生日なんです」と愛之助さんから紹介があり、
壱太郎さんに客席から大きな拍手が贈られました。

壱太郎さん。
名乗りのあと、「愛之助のお兄様からご紹介頂きましたように、今日18歳の誕生日
です。ちょうど今ぐらいの時間に生まれているところです。(客席から笑いが。)
ここに来る前に言われていたのは、アツイ、チカイと。今日がこの18年で一番暑い
日になりました。(またまた客席でウケる。)チカイというのは舞台と客席が近い
ということです」と。
「私のひいおじいさんにあたる二代目雁治郎がこの劇場とご縁があったようで、ひ
いおじいさんは見たことも会ったこともありませんが、私がこうしてここに来られ
たことで、運命を感じています」とも。
「本日は一生懸命勤めさせていただきます」の部分は口上の口調だったと思います。

最後に三人、上方のやり方で三方に礼をした後、
秀太郎さん「隅から隅までずいーっと」
愛之助さん「乞い願い」
三人で「あーげ奉ります」

<メモ>
● 「神戸新聞」8月2日の写真入り記事がこちらに。
● TVで「永楽館柿落大歌舞伎」の特集。
 8月6日(水)18:17~18:54 ABC朝日放送「NEWSゆう」の中で。
(番組の前に高校野球中継があるため、放送時間は当日もご確認ください。)


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4 コメント

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待ってました♪ (しろう)
2008-08-05 16:27:25
いやあ、、名古屋より暑かったんですね~!
それはもう愛ちゃんフィーバー(死語!)のせいでしょ~?!
そんな暑さならわたしだって我慢するのに。
楽しい口上を臨場感たっぷりにレポしてくださって、ありがとうございます。
あの笑顔が目に映るようです。嬉しい♪♪
秀太郎さん・愛之助さん父子、いつもながら微笑ましくてステキな関係だなあと、うるうるしてしまいました。
壱太郎さんは、以前籐十郎さんの番組で「鏡獅子」とインタビューを拝見しました。
まだとてもお若いのに歌舞伎が大好きでその道に謙虚でまっすぐな姿勢に好感を持ちました。
レポ続編楽しみにしています♪
返信する
体感気温もアッチイ! (ムンパリ)
2008-08-07 00:57:20
しろうさん、お待たせしました(笑)。
出石町のある豊岡市は日本で一番暑いまち、とか。
でも、町の人々も、演じる人も、観る人も、熱い人々が
あれだけ集まったら芝居小屋がアツくなるのは当然だと思います。
口上の内容はかなり忘れてしまってますが、雰囲気が伝わってたら
いいなと思います。
初日じゃなかったせいか、口上も堅苦しさはなく、
役者さんたちの人柄がうかがえる楽しい時間でしたよ。
返信する
微笑ましい口上みたいね (どら猫)
2008-08-09 09:23:17
 なんとなく秀太郎さん、愛之助さん親子の微笑ましい感じが偲ばれる口上だったんですね。壱太郎さんの18歳の誕生日でしたか。大きくなったなぁ(感無量だ、年を取るはず(>_<))
 操り三番叟はお目出度い時に、よくかかりますが、最近は見てません。いいなぁ。
 続きにもおいおいと茶々をいれさしてもらいまっさ。
返信する
口上も楽しいんです♪ (ムンパリ)
2008-08-10 02:11:46
どら猫さん、そうなんです。
秀太郎さんの口から直接そういうお話が聞けて、とても微笑ましく
あったかい気持ちになりました。
今回の口上は3人だけなのでとてもなごやか。そして長い~(笑)。
役者さんに親しみを感じてしまう、小屋ならではのいい口上だった
と思います。
壱太郎さん、もう立派な大人ですよね~(笑)。
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