星月夜に逢えたら

[hoshizukiyo ni aetara] 古都散策や仏像、文楽、DEAN FUJIOKAさんのことなどを・・・。 

當麻寺西南院と、ちょこっと葛城の道。(1)

2015-12-12 | 散策・旅
11月最終の週末は奈良、葛城方面へ。
當麻寺を拝観した後、白洲正子さんの本『かくれ里』にある「葛城あたり」
を参考にちょこっとだけ歩いてみた。


(西南院の庭)


まずは當麻寺から。
前回お参りしたのは2011年9月。そのときは本堂、金堂、講堂はもちろん、
中之坊の霊宝館、東塔の近くまで行ったり、敷地内の梵鐘や石燈籠などを
ゆっくり見て回った。
今回の目的は、當麻寺の塔頭寺院である「西南院」の三観音特別開帳。



當麻寺の入り口にあたる仁王門。4年前は修復中だったことを思い出した。





●當麻寺 西南院(さいないん) 
當麻寺本堂の奥(西)にある西南院は、當麻寺の裏鬼門の守り寺院として
創建され、のちに弘法大師が留錫して「いろは歌」を想念した時より真言宗
の寺院になった。



三観音等の特別開帳は11月21日~30日で、11月29日に拝観。
博物館などに分散保管されていた三体の観音菩薩像が、ひとつの厨子におさ
まったとのは平成になってからとのこと。すべて国の重要文化財。



三観音とはご本尊の十一面観音菩薩(中央・弘仁時代)、聖観音菩薩(向かっ
て右・弘仁時代)、千手観音菩薩(向かって左・藤原時代)のことを言う。
どちらの観音さまも少し腰をひねっておられる。
十一面観音さまは「一言の観音」と言われ、一つだけ願いを聞いてくださる
そうだ。化仏は丁寧に彫られ、引き締まった端正なお顔が印象的。左手には
蓮花の蕾、右手には錫杖を持ち、両手から垂れた衣が飜っている。
聖観音菩薩さまはどっしりと存在感があり、目をつむっているように見え、
優しいお顔をしておられる。左手に持った蓮の蕾も木で彫られていた。
千手観音さまは、びっしりついた950以上の手を、このこじんまりとした体で
支えておられる。これはバランス的にも見た目にも凄い。十一面観音でもある。
一言では足りないお願いは、あとの二観音さまに助けていただきましょう。
こちらではゆっくり拝観させていただいた。

お厨子の背後にもたくさんの仏像が祀られていた。
なかでも飛行する役行者はめずらしい。二鬼とともに雲に乗って飛んでいる
姿は、あちらこちらの山々を駆け巡る様子を表しているらしい。



池泉廻遊式庭園のみはらし台からは、當麻寺の東塔(向こう)と西塔(手前)
が同時に見られるのがうれしい。この日は一日中曇り。晴れていたら紅葉が
もっときれいに見えたはずなんだけどな~。
それでも池に西塔が映り、水鏡になって見える風景も趣きがあるし、紅葉越し
に塔がシルエット状に見えるのもここだけの風景だった。
お庭をめぐっていると水琴窟の音が聴こえてきた。

お寺の公式サイトはコチラ

<メモ>
正午過ぎに仁王門前に到着、拝観前の昼食となった。
蕎麦の薬庵、釜めしの玉やなど、門前に食事処が数軒あったが、今回は
五木寛之さんやさだまさしさんも来店したという「茶房ふたかみ」にした。
柿の葉すしセット(800円)の麺はにゅうめんをチョイス。すしは近鉄奈良
駅前にある「たなかの柿の葉すし」で味はすっきり美味しく、にゅうめんは
お汁も全部いただき体もぽっかぽか~。




(2)につづく。


當麻寺西南院と、ちょこっと葛城の道。(1)
當麻寺西南院と、ちょこっと葛城の道。(2)

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