星月夜に逢えたら

[hoshizukiyo ni aetara] 古都散策や仏像、文楽、DEAN FUJIOKAさんのことなどを・・・。 

浪花花形歌舞伎「夏祭浪花鑑」  観劇メモ(1)

2007-04-06 | 観劇メモ(伝統芸能系)
公演名 浪花花形歌舞伎
   「夏祭浪花鑑」
劇場 大阪松竹座
観劇日 2007年4月5日(木)
  19:00開演 21:00終演
座席 3階 3列

<配役など>
序 幕 住吉鳥居前の場
二幕目 難波三婦内の場
大 詰 長町裏の場

団七九郎兵衛:愛之助  お辰:扇 雀  一寸徳兵衛:亀 鶴  
玉島磯之丞:薪車  義平次:橘三郎  おつぎ:竹三郎
お梶:孝太郎  釣船三婦:翫雀


<とりあえずの感想>
歌舞伎の役者さんってもしかして殺し文句が上手?
先月の新聞より ↓
「世阿弥の『時分の花、まことの花』じゃないですが、時分の花はいましかない。
いまの僕を見ていただきたい」。って、これ愛之助さん。うきゃ。
なにやら『夏祭浪花鑑』の団七の評判がよさそうなので、楽日だけではもったい
ないと思い、きのう時間がとれたので松竹座へ。

浪花花形歌舞伎は初観劇だったけれど、三部制っていいシステムだなあ。
第三部の午後7時開演というのはありがたい~。
3階席なら映画を見るように気軽に見られるし。

ということで『夏祭浪花鑑』。いやー、面白かった。
祭りのかけ声とお囃子の音、衣装の(特に赤の)色、大詰めの泥場の緊迫感・・・
ドキドキするものがいっぱいで夢中で2時間観てしまった。
この演目は勘三郎さんのNY公演の映像しか見たことなかったけれど、なんか今回
のは気持ちよかった。
ここまで上方の言葉、間合い、テンポがぴたーっときたらもう快感!
愛之助さんの団七。いまこの時しか見られない、ってナルホドなあ・・・。
見るからに男くさい、汗臭いイメージの役なんだけど、一生懸命さがストレート
に伝わってくるので、さわやかささえ感じる。
くりからもんもんに真っ赤な下帯がよく似合ってて、その衣装でいろんな体勢で
切る見得がカッコいいのねえ。花道でやるたび3階席のお客さんが一斉に身を乗
り出して見入ってしまうのがオカシクって(笑)。
三幕の大詰めは全部が泥場のシーン。細かい表情までは見えなかったけれど、い
かにも小者らしく、刀を持つ手がふるえるところとか、事をしでかしてしまった
あと人が来るのに刀が鞘におさまらないところとか、自分でかぶった水に足をと
られるところか、アセアセしているお芝居は3階からでもよくわかった。
翫雀さん演じる大先輩の侠客、釣船三婦が数珠を放り投げて出てゆくところとか、
扇雀さんのお辰がおさえた色気で、亭主が自分に惚れたのは顔じゃなくて「ここ
でござんす」と胸をたたくところとか、男も女もやたらカッコイイのねー。
橘三郎さんの義平次のあの卑しさがにじみ出たお芝居もよかったし。

大俳優は大俳優の、若手は若手なりの、その時にしか見られない見方が楽しめる、
歌舞伎って懐が深いなあ、面白いなあ、とあらためて感じたのでした。
この勢いで千穐楽まで! 私も行きまーす。

ついでに。
本日発売の「『歴史街道』5月号に、いがみの権太な愛之助さんが登場!


浪花花形歌舞伎  観劇メモ(2)(このブログ内の関連記事)
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4 コメント

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らぶりん浪花の陣! (スキップ)
2007-04-07 22:14:49
ムンパリさま
私も観ました。ステキでした。
愛之助さんのこれまでの積み重ねが一気に爆発したようなパワーを感じた団七でした。もう“らぶりん”って呼ぶのもおこがましい感じですね(笑)。
次記事の産経新聞の劇評もコーフン気味に読ませていただきました。ほんとにうれしい!
千穐楽もご覧になるのですね。レポ楽しみにしています。
返信する
大健闘!! (ムンパリ)
2007-04-07 23:58:31
スキップさん、昨夜ご覧になったのですね!
らぶりん浪花の陣、大健闘ですねー。若手の皆さん、本当にがんばっておられますよね。

> 愛之助さんのこれまでの積み重ねが一気に爆発した
> ようなパワーを感じた団七でした。
ほんとにそうなんでしょうね。その何年もの積み重ねを、わずかの観劇と本や少しの映像でしか知らないのが悔やまれます。しかし、この団七を観られてあたしゃウレシイ!!(笑)
明日はもう少し良い席で、汗粒や細かい表情までしっかり見てきたいと思いまーす。

それでもやっぱり・・・素顔は“らぶりん”かな、と(笑)。
返信する
・・・・ちっ! (かずりん)
2007-04-08 00:37:20
はっ!そうだった・・・。彼は上方役者なのだった・・。
くそ~~~~っ!見逃してしまった・・・(涙)
返信する
うはっ! (ムンパリ)
2007-04-08 00:57:03
かずりんさん、そうよん。彼はそうなのだった。
上方ことばがとっても好きになる舞台でもありますよん。
安心して! 千秋楽はかずりんさんの分も、それから友人の分も、私がちゃーんと目を見開いて観てくるから。
つづきは観劇レポにて♪
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