ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

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笑福亭鶴二 第6回繁昌亭大賞受賞記念ウィーク~鶴二さんがトリ

2012-03-11 23:39:17 | 笑福亭鶴二

我らの笑福亭鶴二さんが、一週間、繁昌亭昼席のトリを。

連日、ライブ繁昌亭で観ていたが、堂々の六日間。
5日(月)口入屋、6日(火)不動坊、7日(水)三十石、8日(木)紙屑屋、9日(金)替り目、10日(土)らくだ。

さて、今日は何でおまっしゃろか・・・残るは「高津の富」、「猫の災難」、「稽古屋」あたりですか、楽しみですな。
やはり松鶴師匠の十八番「高津の富」あたりが聴きたいですな。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

一、森乃石松・・・・・・・・・・・・・・「商売根問」


甚兵衛はんとこへやって来た喜六。
「今、どこに居てんのや」からはじまる商売根問。

魚を売りに、「アジ」と「サバ」を売る。アジはゼンブ売れたのにサバは売れない。
「アジない、サバはたくさんあります」のトンチンカンの売り声・・・。
そのあと、「茶栗柿麩(チャックリガキィフ)」の野菜売り。
そして、「ガタロ捕り」へ。

でも、笑いがたくさんとれる「鳥の捕り方」を敢て抜いてまとめるあたり、
石松さんの、落語への攻め方、感心しますな。

又、石松さんの口調にところどころに松之助師匠の口跡が、
まさか「商売根問」をつけてもらったとは、
単に、ぶっきら棒な口調が似ているだけなのか・・・・・はてなでおます。


二、桂文鹿・・・・・・・・・・・・・・・・「運廻し」

焼とりの話・・・地方へ行くとそれぞれ呼び方が違う。
宮崎へ行くと、焼トリというと、大きなもも焼きが。
ではこちらでいう、焼トリは串焼きとか。

そのやきとりを田楽の替りに使って、「運廻し」へ。
「新幹線、全線停電、運転中断、・・・・混乱・・・・・。」とか
文鹿さんらしく、工夫を随所に入れて。

最後には「先年神泉苑門前薬店・・・玄関番人間半面半身・・・・・・・」という
「ん」づくし、二回目は早口言葉のごとく言う。

でも、これだけ食べるには、焼き鳥は、
タレ焼きではなく、シオ焼きに限りますな・・・。


三、桂福車・・・・・・・・・・・・・・・・「胴取り」

ギャンブル好きで、朝も一円パチンコで600円買ってきましたと、福車さん。
博打は元々お寺さんでされていたと、テラ銭、ドウをとる、とかまつわる言葉は多く残っている。

バクチに負けてからっけつになった男が、武士とのイザコザで首を斬られる。
その様、しぐさはまさに「首提灯」・・・・
でも、胴体は、首を置いてスタスタと元来た方へ橋を渡って行ってしまう。

そこへ来たのが、博打でガッポリ儲けた友達。
灯籠の前に落ちていた首が、「五両だけ貸してくれ」「どうするんや」
「五両で、ドウ(胴)、とりに行ってくる」と・・・・・・・。

「胴切り」、「首切り」ではなく、「胴取り」とか。
こんな、珍しい噺が聴けるなんて、福車さんらしいですな。


四、ビックリ!ツカサ・・・・・・「マジック」

「ビックリ、ビックリ、つかさ」の掛け声を掛けさせながら・・・・・
でも、お客さん大声でやるなんて、結構、優しいですな。

マジックは、紙袋から透明の箱を次々、三つも・・・。
次は、三つのリングを・・つないでははずす、
でも、リングを持つ右手、左手の握りこぶしが気になるのは私だけか。

そして、透明の筒の中へ、色のスカーフをいれる、最後の時、大きな黒袋ですり替えたよう、
二階席からはどのように見えたのか、興味ありますな。

あざやかというより、楽しさいっぱいの、マジックを使ったトークショウ・・・・・。
「ビックリ、ビックリ、つかさ」でおます。


五、笑福亭遊喬・・・・・・・・・・・・「相撲場風景」

「おつきあい願いたいと、そういうことでございますが」で始まる遊喬さんの高座。

笑福亭の十八番であるが、
あとから出る文福さんの得意ネタでもある「相撲場風景」を演ってしまって良いのか・・・。
噺は、握り飯と・・・。小便のとこ。今日から大阪場所の初日なので敢てのネタなのか。

そういえば、先週あたりから、街中でお相撲さんよう見ますな。

遊喬さんのどっしりとした「相撲場風景」でおました。


六、林家染丸・・・・・・・・・・・・・・「三十石」

染丸さん、船頭は広島あたりの出身で、大阪と京都を到り来たりで、それぞれの言葉が混じって
気が荒いだけではなく、独特の船頭言葉になっていると。

舟唄のところでは、下座から鶴二さんが唄う、すると
「あれは、鶴二じゃ、繁昌亭大賞とったらしいが、落語も上手いが、唄もたいしたもんじゃ。
だいぶ、カラオケに通ってるみたいじゃ」と、鶴二さんのことを讃えてくださる。

ゆったりとした船の揺れのごとく、楽屋での良き情緒が舞台にも・・・・。
ほんま良き「夢の通い路、三十石」でおました。


七、笑福亭鶴笑・・・・・・・・・・・・・パペット落語「立体西遊記」

最高でおますな。
パペット落語、「西遊記」。
後半の足を使っての青の大王との戦いは見応えあり、何度見ても楽しい。
幼い時に戻ったようで、ほのぼのとしていて、絵本を読んでいるようだ。

実際の幼稚園児はどんな反応なのか、見てみたいもんですな。


八、桂文福・・・・・・・・・・・・・・・・「相撲甚句・フルムーン」

遊喬さんが得意の「相撲場風景」をしてしまったので、小噺をつないでつないで・・・
数え唄の相撲甚句、そして「生野生まれで、六代目の愛弟子で、古典落語に精進し、
見事、繁昌亭大賞受賞した、上方落語に鶴二あり~」と唄う、暖かい声援。
良い師匠でおますな。

そして最後は、「フルムーン」と題して結婚50年の老夫婦が、今まで行った温泉を思いだす。
神戸の奥座敷・・あらまぁ・・・・「有馬」
地ビールを呑んで・・ゲップ・・・・「別府」
クリスマスの前の日に告白した・・・イブ好き・・・「指宿」
高い露天風呂別々の入口から登った・・・・「登別」
50年目の二人が仲良く旅する・・老後温泉・・「道後温泉」など・・。

丁度、今回一緒に落語を観に来た兄夫婦が、今春結婚50年目で、新婚旅行に行った、宮崎、指宿に旅行に行くとか。
まさに「フルムーン」奇遇でおますな。

「50年目の、結婚記念日、おめでとうございます。」


九、露の吉次・・・・・・・・・・・・・・「天狗裁き」

真面目に演ずる吉次さんの一席。

しかし、気になる事がひとつ。それは眼鏡。

今、眼鏡を掛けたまま、演じるのは「文珍」「鶴瓶」「可朝」さんなどで、
九雀さんなどは、創作では掛けたまま、古典では外すと使い分けされている。
そう言えば、今日の福車さんもマクラは掛けておられたが、落語に入る前にはそっと外された・・。

眼鏡を掛けての天狗には、ちょっと違和感ありますな・・・。

十、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・「高津の富」

舞台に姿が見えるなり、あちこちから「鶴二」の掛け声。
やはり、鶴二さんの繁昌亭大賞受賞の記念ウィークですな。

落語は、笑福亭の十八番「高津の富」

途中、宿屋の亭主が「半分と申されますと」
「一番の千両が当たれば五百両、二番の五百両なら二百五十両、三百両なら百五十両。」
「そんな大金、頂戴しますので・・・、ありがとうございます。」と礼をいうところで、
客席から女性の笑い声・・・それも奇声、一瞬会場が凍りつく。

・・・・鶴二さん、話すのを止めるかと思いきや「まだ、当たってはおりませんがな」、と続け、笑い声をおさめる。

頭の中では「困ったなぁ」「どうしよう」「一旦とめよか」など
色々な思いが駆けめぐったと思うが、何もなかったごとく噺だけは淡々と進んでいく・・・
凄いですな・・・何事にも動じない・・・貫禄の高座でおますな・・・。

二番のくじを読み上げて、八百五十・・・「七番か」・・・「一番」・・・ふぇのところが時間の都合かなかったが、
笑福亭らしい骨太の「高津の富」、この一週間、繁昌亭ライブもふくめて、連日どの噺も十分堪能させてもらいましたで・・。


笑福亭鶴二さんの堂々の七日間。

5日(月「)口入屋」、6日(火)「不動坊」、7日(水)「三十石」、8日(木)「紙屑屋」、
9日(金)「替り目」、10日(土)「らくだ」、11日(日)「高津の富」


笑福亭鶴二 第6回繁昌亭大賞受賞記念ウィーク
2012年3月11日(日)13:00開演
天満天神繁昌亭

一、森乃石松・・・・・・・・・・・・・・「商売根問」
二、桂文鹿・・・・・・・・・・・・・・・・「運廻し」
三、桂福車・・・・・・・・・・・・・・・・「胴取り」
四、ビックリ!ツカサ・・・・・・「マジック」
五、笑福亭遊喬・・・・・・・・・・・・「相撲場風景」
六、林家染丸・・・・・・・・・・・・・・「三十石」
仲入り
七、笑福亭鶴笑・・・・・・・・・・・・・パペット落語「立体西遊記」
八、桂文福・・・・・・・・・・・・・・・・「相撲甚句・フルムーン」
九、露の吉次・・・・・・・・・・・・・・「天狗裁き」
十、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・「高津の富」


12-12-62


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