10月17日に、開田の森林鉄道保存車を投稿した際に、「開田高原へは歩いて入りました」などと書きました。今回はその話です。
地蔵峠。御嶽の麓…麓よりは離れていますが…にある峠道で、かつては木曽福島と高山とを結ぶ飛騨街道として重要な道でありました。後に高山から伊那への国道に昇格し、361号線となりましたが、この地蔵峠部分は狭隘・険峻で改良が出来ず、20年前に北方に離れた箇所に新地蔵隧道で抜ける新道が国道となって、地蔵峠の旧道は今は県道に降格しました。県道降格以降は地蔵峠前後は冬季閉鎖になります。
その地蔵峠を歩いて開田へ入りたいという想いをかねてから持っておりまして、先週16日、実行しました。峠から御嶽が見える事を願って。
周辺の図。赤実線が歩いたところ。クリックで拡大（他の画像も同じです）
一の萱までは、きそまちバスに乗車。昼間はこれ一往復ですので、この時間に全てが制約されています。
しかし、この一の萱へのバスは、こんな車両です。
きそまちバスの新開西洞線は、幹線の開田線に接続して渡合～一の萱間ですが、乗客が少なくタクシー車両で代行しています。もう少し多ければジャンボタクシーになるのですが。
この一の萱は開田へのバスがこちらを通っていた頃は、当然ながら普通の中間停留所でした。地蔵峠経由廃止で、ここまでの系統が出来たというわけです。
さて、バス（タクシー）を見送り、13：11に歩行開始。細い林間の道を歩くこと20分。13：30唐沢の滝が見える所に着きました。滝まではまだ遠いです。
落差が約100mほどあり、ここから自動車の通れる道は思いっきり迂回します。旧の飛騨街道が滝の上に出るようですが、左手の道から滝つぼまで行ってみました。さすがに大きい。
滝つぼからは大きすぎで全体が入らず、少し下がった所での撮影です。
13：45、まだ先がありますので、移動開始。人一人分の道を登り、滝の上へ。右側の崖が立ちはだかり、道路開削工事の苦労が偲ばれるところです。こんな道をかつては大型バスが通っていたのです。
この先は、舗装の旧道とは別れ、旧々道ともいうのか、飛騨街道を歩きます。かつて（昭和の中頃まで）は、このような道を牛馬に荷を背負わせて通ったものです。
着きました！。14：35、唐沢の滝の上から40分で地蔵峠。標高1335m。その名の通りお地蔵さんが立っています。峠であって山の頂上ではないので見晴らしはそれほどではないのですが、北を向けば頂上だけ雲を被った乗鞍が見えます。
ここからは下る一方。風も出てさわやかです。地蔵峠からも旧飛騨街道を歩きたかったのですが、途中に御嶽と開田が一望できる展望台がありますので、旧の国道を歩きました。8分で展望台に到着。14：48、ここで休止です。
乗鞍が雲を被れば、御嶽も被り、残念でした。この日の朝は見えていたのですが…。展望台から御嶽の眺望です。
20分以上はここにいたかな。御嶽を24時間見続けても飽きない私の事、お姿を十分に拝しました。その間に自動車で二組が訪れ、写真撮っていきました。一組は遠く茨城からいらした方です。
15：10には展望台を「また来る」と念じつつ離れ、途中から旧飛騨街道に入って、ここからはかつて来たことのある道です。下り坂で足も早まり、20分もかからずに角塚里の集落に着きました。一の萱から2時間ぶりの人里です。
末川の河岸段丘沿いには、ススキが群生していました。開田観光案内所まではあと15分です。
そして一の萱から歩くこと＋遊ぶこと2時間35分、補修された開田の森林鉄道保存車両その２に投稿した通り到着。以外と早く着いてしまい、もう少しゆっくりすればよかったと思っています。
その後は案内所で少しお話し、隣のアイスクリーム工場で、とうもろこしソフトクリームを頂いて、暫しの休息をしている内に、ふと恐ろしさが出てきました。そう「熊除けの鈴」を付けずに峠を歩いてきました。前々回投稿した通り、唐沢の滝ではニホンカモシカに出合ったりして、この辺りは熊や猪が生息している地区です。それを忘れていたことは、木曽の事情通（自称）である私としたこと、これはお恥ずかしいことです。
さて、唐沢の滝と地蔵峠の画像はまだまだありますので、いずれまた紹介する事にしよう（単にネタつなぎという説も…）。
関連エントリ
2008年10月23日投稿：「ニホンカモシカ」 野生のカモシカ発見
2008年10月28日投稿：「唐沢の滝」 唐沢の滝の様子
2008年11月 3日投稿：「開田の地蔵峠道路開削記念像」 唐沢の滝上にある道路開削記念像
2008年12月10日投稿：「地蔵峠」 地蔵峠と前後の様子