ひとり井戸端会議

主に政治・社会・法に関する話題を自分の視点から考察していきます。

社説で建前、雑誌で本音

2007年04月26日 | 教育問題関係
 先日、43年ぶりに小学6年生と中学3年生に対して行われた、全国学力テストがありました。

 今回の実施に、朝日新聞や毎日新聞は「序列化につながらないか」「競争にならないか」などと、相次いで社説で懸念を表明していましたが、これは本当に建前論にしかなっていないと思いました。

 学力テストの是非はさておき、この両社がこんなことを言う資格なんて、ないのではないでしょうか。

 なぜならば、両社は自社の出版する雑誌で、頻繁に大学偏差値ランキングや一流高校ランキングなどの特集を組んでいます。それなのに、よくも「序列化にならないか」などと、したり顔で言えたものです。

 毎日新聞は、毎年「サンデー毎日」の別冊で主要大学合格高校ランキングを出してます。その他にも、ほぼ毎週でこういった特集にページを割いています。

 朝日新聞は、「週刊朝日」の臨時増刊で、「一流校に入る」と銘打って、「ブランド校に入るルートと費用」を、東大合格者の家庭を取り上げ、これでもか!と言うほど、特集しています。

 小中学校の教育と高校・大学の教育とは違う、と言うでしょうが、両社の言う「一流校」に入るには、小中学校からの教育が重要なのではないでしょうか。しかも、「一流校」と呼ばれる大学に入学する人の出身高校や中学では、その殆どで学力の「競争」や「序列化」が行われているのではないでしょうか?

 それなのに、高校・大学はしきりに序列化をし、小中学校は序列化や競争はいけないとは、笑止千万です。

 社説で建前、自社の雑誌で本音ですか(苦笑)

 最後に、その朝日新聞社の「週刊朝日」に書いてあった、精神科医の和田秀樹氏の言葉を紹介しておきましょう。なお、和田氏が学力テストについて、どう考えているかは分かりません。

 「競った経験もなければ努力もしていないのに、いきなり競争社会に入るのは、準備もしていないのに、猛獣のいるジャングルに放り込まれるようなもの」である。
 「構造改革だの成果主義だの、アメリカ型の市場原理を導入するならば、子どもにそれなりの準備をさせて社会に送り出さなければ、一番被害を受けるのは当の本人です。社会を変えるのならば、それと並行して教育も変えるべき」である。

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